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EQ「心の教育」

「EQとIQ」

今日から、文体を変えて書かせて頂きます。

 「EQ」という言葉を聞いたことはありませんか。このEQに対するものが「IQ」です。今から20数年前までは、このIQが知能の目安として使用されていました。知能を数値で表したものです。知能検査は、たとえ同じ点数であっても月齢で異なる為知能指数に違いがあります。一般的な知能検査ではIQ100が、その年齢相応の知能と言うことになります。

例えば知能指数125は、年齢に対し25%知能が高いという事になります。ちなみに、この数値は、有名小学校受験の際の目安となる数値です。それだけ、知能の高い子が小学校受験に臨むわけです。IQ145となると、偏差値に換算して70を超える知能となり、学校単位で1~2名いるかどうかの高い知能を持ったお子さんです。

また、IQ70という数値は、学習障害が疑われる数値となります。学校ではおおよそIQ80以上であれば、努力次第で成績向上も十分に望めます。

この様に、学力中心で人の優劣を見てきた時代がありました。しかし、その後、ご存じのように、「点数だけで人の良し悪しを判断して良いのか」という声が次第に高まってきました。その結果、私達は「ゆとり教育」を選択したのです。このとき、民間教育や一部の人たちから反対の声が上がりました。子ども達の成績を心配したからです。しかし、大多数の方々の考えで「ゆとり教育」は開始されました。結果は皆さんご存じの通りです。けして、「ゆとり教育」の考え方事態が間違っていたわけではありません。その運用方法や考え方が違っていたのだと思います。学力体力平等主義、他人と差をつけてはいけない、皆同じ、全てに平等という考え方が次第に広がって行きました。運動会でも、競争はせず、皆手を繋いで走り、全員でゴールするという事まで起こりました。

この「ゆとり教育」は先のような様々な社会現象を起こしました。「モンスターペアレント」と呼ばれた保護者が出てきたのも同時期です。給食費の不払いも起こりました。また、学級崩壊という言葉や、ネグレクト(育児放棄」という言葉も一般的になりました。時代はその時の事実を語ります。一つの問題が起こる前には、30程の異常が見られる。この間起きた様々な問題は、これからの時代に起こるべき問題を私達に知らせてくれています。

「EQ」のEとは、エモーション。つまり、直訳すると情緒や感性という意味になります。「EQ」そのものを分かり易く解釈すれば「心の指数」「こころの教育」となるでしょうか。この「EQ」何年も前から言われはじめているのですが、もう一つ説得力がありませんでした。それは「こころ」のとらえ方が具体的でなく抽象的だったからです。幾つもの教育機関がこの「EQ」にチャレンジしましたが、残念ながら長くは続きませんでした。幼児教育ではかなり取り組んでいましたが、形を変えた道徳教育だという批判は免れませんでした。本来求めていた「心の教育」とは言えなかったのでしょう。

この「EQ」を語るには、「心」についてしっかりとした、具体的な考え方が必要です。そこで登場したのが「発達心理学」と「認知心理学」、更に「脳神経科学」を含めた分析だったのです。「心の所在」はどこにあるのか、それは皆さん既にご承知の通り「頭」つまり、脳にあります。そこで先の心理学や神経科学が必要になったのです。また、もう一つこの「EQ」は幼児教育の存在無しには語れないのです。

幼児教育と「EQ」、その深い関係については次回に回します。

2012/10/6


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫


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