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見捨てられていく子ども達

「教育改革の裏側」

  • 1961(1380P)100.00 

  • 1971(1332P) 96.52

  • 1980(1116P) 80.87

  • 1992(1080P) 78.26

  • 2002( 930P) 67.39

  • 2011(1364P) 98.84

上にある数字から何を連想されるだろうか。最初にある数字はお解りの通り西暦何年かを表している。( )の中の数字は、小学校算数6年間分のページ数になる。一番右側の数字は、1961年を100%とした割合を示している。数字はウソをつかない。教育現場で囁かれていた「子ども達の学力が年々低下して来ている!」という言葉通り、1961年を境に減少してきた教科書のページ数からも子ども達の学力低下は明らかだった。東日本大震災が起きた年の3月まで、我が国の子ども達が使用してきた教科書のページ数は最低の状態であった。1971年、学習の高度化が問題となった。更に1980年代には「詰め込み教育」が問題になった。その後教育界で「落ちこぼれ」という言葉が囁かれ始めた。

2002年、週5日制と共に「ゆとり教育」が始まった。当時、6歳の子は18歳となり今年大学受験を迎えることになる。大学改革が叫ばれているが、ゆとり教育で育った子ども達の大学入学はこれからがピークとなる。大学側としても頭の痛いことだろう。学力低下と少子化の二重苦に頭を抱える学校関係者は多い。しかし、最も被害を受けるのは学校関係者ではない。それは教育の主役である子ども達だ。一気に47%も増量された教科書をどのように学ぶことができるのだろうか。週6日制時代と同じ程度の学習量をこなすには単純に努力という言葉だけでは解決はできない。そこで、義務教育の年齢引き下げが検討されている。年長を新たに小学1年生とする案だ。

1977年、恩師である故水野先生は「落ちこぼれ教育論」を出版された。学習の高度化、詰め込み教育について行けない子ども達が続出した。その解決策と、教育の基本は幼児にあるという理念を「落ちこぼれ教育論」として教育界に対し突きつけた。まさしく、同じような事が今起ころうとしている。民間教育界でも先を考えている方々は近未来を想定している。それは、幼児教育も同様だ。これから間違いなく、学校や塾の学習について行けない子ども達が増加する。子ども達の精神年齢が高くなってきていることが、落ちこぼされていく子ども達の劣等意識をより高めることになる。

教育の内容は知識から思考へと変更された。では、どれだけ確かな知識を子ども達は有しているか疑問だ。ゆとり教育で育ったのは小中学生だけではない。幼児も同様なのだ。いや、大人自体がゆとり世代となっている。これが最大の問題ではないだろうか。多くの若者達は閉塞感の漂う社会で学び生きてきた。夢など思い描く状況ではない。学ぶことはいつからでも可能だ。だから早い内が良い。私達民間教育もゆとり教育の中で、いつの間にかぬるま湯に浸かっていたようだ。まずは、子ども達に必要な学習知識を与えていかなければならない。語彙数を多く獲得させなければならない。さらに、話し言葉を指導し、どう学ばせるか、どう躾けるかを指導者が学ばなければならない。幼児教育の充実と、幼児教育で培った指導法は教育指導の原点だ。それを小中学生にも活かすことができる。子ども達の意識変革もされないまま、指導内容の高度化と増加が行われれば間違いなく落ちこぼされる子ども達が数多く出てくる。既にそれは出始めていると言っても良い。しかし、まだそれに気付いていない人たちが多すぎる。もっと危機感を持って貰いたい。

新たに始める語彙数獲得教室(仮称)の展開は、こうした背景から生まれた。また、幼児教育も教育改革を前に新たな視点で臨む必要が出てきた。1970年代の学習の高度化を進めた時代と、平成の現代では環境は大きく変わっている、人間教育を原点に考えるならば、家庭環境、社会環境、地域環境から多くを学べた時代とは違うことをまず認識しなければならない。子ども達の能力を高めるには「原点回帰」という言葉がこれからの教育のキーワードとなるだろう。

子ども達には幼い内から学ばせなければならない。時代は間違いなく変化してきている。

2013/1/15


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川先生監修!

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