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教育評論家・研究家 石川幸夫の教育ブログ

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現在、教育評論家・研究家として活動を行い、弊会理事でもある石川幸夫先生による教育に特化したマガジンです。専門は、幼児教育および小学生教育で、胎教から、子育て、受験、学習など幅広く…
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#子育て

考えも新た、見直される子育てと教育

「心の教育・いのちの教育」 佐世保で起きた事件の影響は教育界だけでなく、広く家庭内にも広がっています。今まで起こった青少年犯罪から得た教訓は生かされず、かつて「不良」と呼ばれた青少年が引き起こす事件よりも、陰湿で凶悪化しているように感じます。温和しい子、まじめな子、成績優秀者等、今まで犯罪とは無縁であると思われていた子ども達が、大人の想像を絶する事件を引き起こしています。改めて、世間では「心の教育」「いのちの教育」の必要性が叫ばれています。目は、単純に子ども達への教育再編に

教育相談・進路相談

「子育て、成績、進路、受験、進学、人生…」 指導要領が変わり、学力主義の色合いが濃くなってきたことを背景に、幼児から中学生まで、入室希望が増えてきた。それは、同時に教育相談を中心に、子育ての相談や進学受験相談が増える事を意味している。また、入室してくる年齢の幅だけ相談の範囲も広くなる。  年中・年長の入室は、指導後3ヶ月前後の単位で子どもの成長発達が見えてくる。幼児は、学ぶ事に旺盛でその成長には目を見張るものがある。今夏、夏期特別講習に望んでいる年長の子の成長発達ぶりには

勘違いの躾け

「厳しさ≠躾け」 子育ての中で最も頭を悩ますのが躾ではないでしょうか。ところが、最近、体罰問題などでのニュースの中でよく耳にすることばがあります。「躾の一貫で/躾けるつもりで」など、指導目的で行ったと主張されています。傾向として、現代社会では、体罰と躾は表裏一体となっているのではないでしょうか。確認すべきは、躾とは指示命令通り動く子どもを育てることではない、ということです。 命令語、指示語、否定語、これら3つのことばはできる限り避けるべきものです。命令語は、親に従わせるこ

幼児教育

「益々重要になる幼児教育」2 昨日の話しの中で、お腹の赤ちゃんに絵本を読んであげると書きました。もう、お解りだと想いますが、これは胎教の一部です。お母さんの声や、想い、愛情をお腹の赤ちゃんに届けてあげることが大切です。そして、生まれてからは、直接話しかけるのですが、ここで大切な事は、目をしっかり見る事です。「見つめる」ことです。お母さんの易しい目で見つめ、話しかける事です。絵本読みは一つのきっかけです。 3ヶ月くらいまでは、あさ起きたら当たり前ですが「○○ちゃんおはよう、

幼児教育

「益々重要になる幼児教育」 子ども達を取り囲む教育環境は、これから大きく変わろうとしています。今まで以上に学力主義は進むでしょう。同時に、昨日も述べさせて頂きましたが、道徳教育が教科としての扱いとなり、子ども達自身の思考力・判断力・分析力等が備わっていないと、大人(教育教育下の教師・及び時の権力)の一方的な価値観を押しつけられる危険性を孕んでいます。 我が子の子育てに不安を抱えている方は多いでしょう。育児書に頼ってもおよそ平均的な事例が多いので、我が子に当てはまらない事も

教育セミナーを通して

「正しい情報の伝達を」 世の中、情報化社会と言われています。ところが事件などでよく言われる「情報が錯綜しています。」のように、多くの情報が様々なルートから入り込み、整理ができない状況に追い込まれているようです。これは、関東大震災の時に流れた「デマ」が拾った光景と酷似しています。情報化社会とは、多くの情報を管理、そして選択する能力が問われているのではないでしょうか。自分自身で確かめること、意外とそんな単純な事ができていません。「噂話し」に惑わされる人は思いの外多いのでは?

親子関係

「人情」 父子関係を描いたテレビドラマが日曜日に終了しました。このドラマがどの程度の視聴率を上げたかは知りません。しかし、その内容は、親子関係、人間関係と考えさせられるものでした。今回の主役は「父親」です。我が子を落下する荷物から幼い我が子をかばおうと命を落とした母親、その後、父と子の生活が始まります。不器用で木訥としている父親、素直で利発な子、この親子を見守る寺の和尚。そして、友人や職場の人たち、日本人ならだれもがそうするはずの光景が映し出されます。幼くして母を亡くした子

独り言-未成熟な教育

「学校で何が起きているのか?」 佐賀県で中学1年生の男子が「いじめ」を受け、70万円も脅し取られたという。殴る蹴るという暴力、更に金銭を脅し取る、刑事罰、民事罰に相当する行為が昨年4月から行われていたという。これ自体が異様で異常な状態であったはず、保護者が少年のアザなどに気づかなければと思うと背筋が寒くなる。学校は本来学問を学ぶところであるが、このようなことを真顔で言うと馬鹿にされる世の中になってる。 昨年の4月からいじめが始まったと言うことは、小学校を卒業した翌る月だ。

感覚教育

「子ども達を守る」 今日の朝刊に「千代田区 公園でボール遊び解禁」という記事が載っていました。子ども達の遊び場が久しぶりに帰ってきました。子ども達がゲーム機に夢中になっていった背景と、遊び場である公園で多くの規制が始まった時期と重なります。大人が取り上げた遊び場、遊び場を失った子ども達が行き着いた場所は家でした。その後、子ども達はゲームに嵌っていきます。これがゲーム世代を作り、今でも多くの問題を抱えるに到りました。 社会は驚くほど便利になりました。平行して子ども達の環境は

学習の記憶

「成果を見せた学習スパイラル」 生徒のカリキュラムを組み立てるときに重要な項目があります。それは「繰り返し学習」です。私の教室では、幼児から中学生まで通ってきてくれている生徒がいます。この生徒達は、一様に繰り返し学習を受けてきました。学習では、先に進むことの大切さも忘れては行けないことですが、それ以上に「定着」という学習の最大要素が必要です。 何故繰り返しが必要なのかは今更多くを語る必要はないでしょう。しかし、敢えて申し上げれば「弱点克服」ということになるでしょうか。学習

もう一つの教育

「教育を形作るピース」 衝撃的なニュースがグアムから入り、私の脳裏にある忌まわしい事件が突然蘇ってきました。2008年6月8日秋葉原、加藤という青年が、今回の事件と同様に車で人の中に突っ込み、その後多くの人を刃物で切りつけていきました。私の知人がその犠牲者となりました。 お亡くなりになった方々のご冥福を祈るばかりです。 40年近く教育界に身を置いていると、時折空しさに襲われることがあります。先のような事件を聞き、そして自分自身が被害者の関係者であると、犯人の生い立ちの中に

もう一つの感覚教育

「学力低下と感受性」 塾で指導される多くの先生方から、「子どもの質が低下している。思考力もなく、無気力で授業に集中出来ない子どもが多い」と嘆かれています。この事は、幼児教育の観点から既に予測していたことでした。無気力、無責任とは、1960年代後半から当時の若者(私達の世代です)に対する形容として言われていました。この頃も今と同じ二極化を示していました。ただ、それは政治的な関心度を示すものであって、今のそれとは大分違います。子どもの質の低下は、大人の質の低下を意味しています。

「子ども達が危ない!」子育てに黄色信号!

「生活行動の減少」 いったん緩んだ箍(たが)を締め直すには時間がかかります。箍とは、樽などの外側にはめて全体を堅く締め固めるのに用いるモノです。我が国の子ども達も、箍が緩んでしまっているようです。一方、最近話題となっている「キラキラネーム」、今も、日本テレビとフジテレビから取材を頂いています。しかし、このキラキラネームも、子ども達の名前に限った事ではありません。身近なところでは、歌の歌詞やグループ名などにも数多く使われています。最近では会社名にも使用されるなど、良くも悪くも

これからの教育

「作法が子どもを変える」 「おはようございます」「こんにちは」笑顔で元気な挨拶を聞くと実に清々しい気分になる。この十年あまりで、人々の起居がぞんざいになって来た。「起居」とは「人の立ち振る舞い」の事を指すことばだ。例えば、地下鉄などの車内で化粧をする女性、飲食をする人、また、街中で食べながら歩く人、食べ物が口に入っている状態で話す人等、以前は見かけなかった光景を数く見かけるようになってきた。男女のことばも同等に使われるようになって来た。最近では、男性が女性ことばを使う事も珍