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もう一つの感覚教育

「学力低下と感受性」

塾で指導される多くの先生方から、「子どもの質が低下している。思考力もなく、無気力で授業に集中出来ない子どもが多い」と嘆かれています。この事は、幼児教育の観点から既に予測していたことでした。無気力、無責任とは、1960年代後半から当時の若者(私達の世代です)に対する形容として言われていました。この頃も今と同じ二極化を示していました。ただ、それは政治的な関心度を示すものであって、今のそれとは大分違います。子どもの質の低下は、大人の質の低下を意味しています。問題は子どもではなく、そのような子どもを育てた環境にあります。

子育てにもっと興味関心を示すべきで、今の子育ては他人依存型になりつつあります。親子の心の関係を築くべき時に、親の存在は不可欠です。この危機を私達は敏感に感じ取っていました。低年齢の親子が向かい合ってことばを交わす、この当たり前の光景が少なくなってきていると言います。感覚教育の必要性は、この親子関係の乱れから端を発しています。「知能を高める」ということだけでは幼児教室は成立しません。私達はそう考えています。もっと、様々なことを感じることの出来る子どもに育てなければなりません。「8秒間抱きしめ法」というものがあります。すると、抱いてからきっちり8秒をカウントして終わるという保護者が出てきます。8秒という時間に込められた想いではなく、時間にこだわる。本質を欠いた子育てが専行することは大変危険を伴います。

小動物を抱っこしたことはありますか?あの温もりに、愛らしい瞳に癒された方は多いのではないでしょうか。私達の持つ感覚器官は、視覚、聴覚、味覚、嗅覚を通しもう一度ことばに変えて感じ取ります。勿論、触覚を通した感覚も同様です。感覚教育と言語教育の出会いがここにあります。心は、ことばで作られます。そして、感覚的に捉えられたこともことばに変え、心の形成に加わっていきます。8秒間というのは、温もりが、衣服を通して感じてくる時間です。伝えるのは時間ではなく、親の温かさです。それが安心感となり心の安定を産みます。

感覚教育は、子どもの心も成長させてくれます。感じる力は、物事を知ることであり、それには「見る力」「聞く力」「話す力」「書く力」「読む力」に大きな影響を与えることになります。私達は、分析総合ということばをよく使います。人間の成長発達に欠かせない内容を分析していくと、教育こそ総合教育、つまり必要な内容をバランス良く配置することになります。総合幼児教育と言われる所以でもあります。必要な内容を紋切り型で行う指導では、それは単なる刺激だけで、教育として責任の所在がはっきりしない内容になってしまいます。プリンスジュニアと石川教育研究所のコラボレーションで生まれた、新幼児教育法は、こうした背景がありました。それまでの幼児教育に感覚教育を加え、数分野では進化したタイル指導でイメージトレーニングとフィジカルトレーニングを駆使した指導体系が生まれました。時代の変化と共に、この指導体系は、小学生、そして中学生指導に活かされていきます。

17日の日曜日、プリンスジュニア国分寺教室で、今年初のセミナーが行われます。学力差の目立ち初めて来た時期です。その差は何によって生まれ、何によって縮まるのかをしっかりお話ししたいと思います。既に定員一杯になっているようですが、参加ご希望の方はお問い合わせをされてみて下さい。

お問い合わせ:プリンスジュニア国分寺教室 電話 042-322-5871

2013/2/13


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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