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教育評論家・研究家 石川幸夫の教育ブログ

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現在、教育評論家・研究家として活動を行い、弊会理事でもある石川幸夫先生による教育に特化したマガジンです。専門は、幼児教育および小学生教育で、胎教から、子育て、受験、学習など幅広く…
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#言葉

大人げない

「感覚の麻痺」 昨日、帰省先の福島県喜多方から帰ってきました。田舎では、大好きな喜多方ラーメン(我が家の定番「あべ食堂」と、今回はたまにはと言うことで「坂内食堂」へ、でもやはり「あべ食堂」が一番。店の人とも顔見知りで、家族で30年通い続けています。)を食べ、日中ダムの真下にある(本当なんです!)日本秘湯の会「ゆもとや」さんの温泉に浸かるなど、久しぶりの休みを満喫しました。  家族全員が楽しみにしていた夜の星空は、あいにくの天気で残念な結果に終わりました。  さて、今日か

言い換える 独り言

「情報番組から」 TBSテレビ日曜朝の番組に「サンデーモーニング」(司会 関口宏さん)がある。番組の最後、「ことばの言い換え」がテーマとなり、解説者が自分自身の考えを述べた。なるほど、ことばの言い換えは様々な時代で起こり、様々なところで行われている。身近に感じることばの言い換えは、芸能人によくある。それまで全く売れなかった歌手が、名前を変えて再デビューして一躍トップスターの仲間入りを果たした例は枚挙に遑がない。企業名も同様だろう。しかし、その本質は何ら変わりはない。全く新し

子ども達の変化

「言語指導と国語指導の徹底を!」 子どもの知的成長は、年中前後から顕著に表れます。それは、丁度、文字や数に興味を示し始める年齢と同じです。この時期こそ、子どもが最も学びたがる時期なのです。それは、まるで白い吸い取り紙に吸われていく水のようで、子ども達の頭の中に染み込んでいきます。ここで大切なことがあります。吸われていく水の存在です。吸われる水の量こそ、子どもの知的環境の善し悪しを表します。水の質も問われるべきでしょう。 この時期に必要な環境が言語環境です。言語刺激は、その

ことばの軽さが気になる「独り言」

「全てはことばの乱れから」 先日、週刊誌の取材で、「小学校の入学式で、校長や来賓の挨拶に飽きた新1年生が暴言を吐いた。」ということを伝えた。大阪で問題となっている小中髙の校内暴力行為・恐喝・虐め問題に対応する大阪市についての取材だった。ことばの乱れは幼児から始まる。それは、子育ての過程で親から覚える事が多いのだが、幼稚園や保育園で友達から影響を受けることも多い。いずれにせよ、ことばの乱れの源は家庭にある。ことばを使い、物事を考え、理解し、伝えるのだから、ことばの乱れはそのま

考える事が出来る為のことばを持て!

「言葉がけと読み聞かせ」 ことばの数と成績は比例する。私の教育論によく出てくる一節です。授業風景を思い描くと、授業を成立させているのが「ことば」であることが解ります。授業では、まず、挨拶から始まり、次に学習内容を伝え、説明に入ります。勿論、指示や質問、音読、黙読、演習などが織り込まれ授業が成立します。これら全てに「ことば・文字」が必要となります。時に、ことばは、空気と同じ存在になることがあります。意識せず使っている事が多いのです。昨日、私はテレビに生出演をしました。テレビ出

ことばの重み ことばと文化

「ことばは人格を表す」 文字が化けると書いて文化、たかが「文字」、たかが「ことば」なのですが様々な所に影響を及ぼします。書かれた文字は消えることがあります。また消すことも出来ます。ことばはどうでしょう。人の発することばは、発する人の表情、語気の強弱、身振り手振り等でことばに含まれる意味が変化します。ただ、ことばの中にも例外があります。「薄汚いことば」「人を罵ることば」は相手の心に向かいダイレクトに入り込んでいきます。こうしたことばを発する場合の表情は皆醜く同じです。人は、こ

ことばの教育「インプリンティング」

「話して聞かせる」 文科省の推し進める教育改革の骨子が次々と発表されている。学制の変更は昨日も申し上げた通り。教育委員会の改革も、各自治体主導の考え方がある。力には力という論理の集団的自衛権問題や、特定秘密保護法等と相まって、知らぬ間に軍事国家、警察国家のような様相を呈してきた気がする。教育者として、親として危機感を感じている。 退廃した社会、閉塞感の漂う社会、今問題視されている「居所不明児童」のように、犠牲になるのは常に社会の弱者達だ。選ばれた命としてこの世に誕生し、本

考える「独り言」

「言葉の重み」 テレビから安倍さんの持論を展開する画面が流れている。この人の発する「国民の安全」「国民の平和」「国民の幸せ」に、本来は人の心を捉えるはずの言葉なのだがとても違和感を感じる。それも毎回なのだ。安倍さんのこうした言葉本来の意味を伝えきれない要素に何があるのだろうか。人の「心」を伴うはずの言葉は空しく宙を舞うだけだ。それは、安倍さん自身が「軍事的平和主義」を前提にしているからではないだろうか。力は力で制するものという非人間的な考え方が根底にくすぶっている。先の大戦

基礎知識の獲得Ⅲ

「言葉を知る、言葉を使う」 英国の科学雑誌ネイチャーに掲載された科学論文が物議を醸し出しています。また、小保方さんの書かれた大学の論文まで他の論文からの引用があったとされています。この問題で、既に大学を卒業された方の中で、思い当たることはないでしょうか。特に英文による卒論は、ゴーストライターが実際に存在します。と言うより、日本の大学生に、英語論文が書けないという状態にあると言われています。書かれている内容は、殆どが他の論文の転用という話しもあります。実際、その論文を読む側に

言葉の力

「言葉の力」 森元総理の発言が物議を醸し出している。相変わらず、我が国のトップにいる方々の言動問題が後を絶たない。発した言葉のジャッジは、聞き手に委ねられる。誰に対した発言なのか、その表現を間違えると、特に重要なポストにいる方は大きな責任問題となる。しかし、それは、重要な位置にいるからこそ起こることだ。そして、それは、総じて人に対する傲慢さに起因することが多い。こうした発言を受けて、国会で質問に答えられた安倍総理は「個人の発言」と表現された。個人と公人との比較なのだろう。し

心の健康「独り言」

「心の成長を」 昨年暮れから頻繁に母の所へ行くようになった。正月も、この連休も母を訪ねた。もうすぐ93歳になる母がとうとう寝たきりになった。気丈な母は、人の面倒になる事を嫌う。妻が、母の好きな料理を食べやすいように作り母に届けてくれる。母は、私の名前より妻の名前を呼ぶ回数が多い。「○○さん、手間かけさせてもうしわけないねぇ」「○○さん何してるの?」「○○さん、遅くなるから早く帰って」、常に人を気遣う母は、沢山の感謝の言葉を口にする。それは、介護ヘルパーさんにも同じだ。私は、

共通することば

「繋がり」 今、密かに考えている新たな基礎教育の形があります。まだ、全てをお話しできませんが、都心から離れた郊外で、その新たな教室を考えています。今日は、その為、私どもの専門のスタッフと共に会食をしながら、語ってきました。実りのある会話は、心を清々しくさせ、自然に充電できます。教育について熱く語る、面白いもので、何故か自然と原点に戻らされるのです。すると、様々に言葉がシンクロしてきます。 教育は新たな側面を迎えています。教育現場では様々な問題を解決できず、半ば力でねじ伏せ

ことばのロジック

「あのね」お母さんは聞き上手に! 「思考力を高めるにはどうしたら良いですか」というご質問を多数受けました。以前は「集中力」についてよく聞かれました。良くお解りの通り、思考力も集中力どちらも簡単に高めることはできません。短期間では無理とお考え下さい。評価5の子ども、小学6年生でおよそ3万7千語の語彙数を持っています。対して、評価3の子どもは、1万6千語です。これだけでも集中力と思考力に差が生じます。評価6の子どもは月間あたり30~80冊の本を読みます。対する評価3の子どもは3

学ぶ

「必要なことばの獲得」 子ども達と会話してみると、彼らの表現方法に繊細さがなくなってきたように思います。繊細さだけでなく、元々曖昧な表現をする日本語ですが、更にその曖昧さを増しているように感じます。「やばい」、あまり良いことばとは言えないものですが、このことばにも場面を変えると、「凄く良い」という意味になったり、「これはまずい」という意味にもなり、ことばだけでは判断できない曖昧さを持っています。 最近、子ども達から相談を受けることが多くなりました。しかし、いざ話そうとして