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教育評論家・研究家 石川幸夫の教育ブログ

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現在、教育評論家・研究家として活動を行い、弊会理事でもある石川幸夫先生による教育に特化したマガジンです。専門は、幼児教育および小学生教育で、胎教から、子育て、受験、学習など幅広く…
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#教育改革

教育界の構造的問題 縦割りの弊害

「制度よりも…」 教育改革の一つの柱でもある、6・3・3制の見直しが白紙に戻されるようです。すると、教育改革の方向は一気に一貫教育へと流れていくと予想されます。現在行われている一貫教育は 正式な制度ではありません。実際、小中一貫教育校が何校あるか正確な数は分かりませんが、文部科学省の調査では、09年度に「〇〇学園」といった組織は全国47自治体で111を数えます。13年4月現在で教育課程の特例制度を活用して6・3制の区切りを変えて実施しているのは、4・3・2制が127校、5・

明日の教育「独り言」

「覚える教育からの脱皮」 学校の行われる指導の中で今でも根強くある「暗記学習」。この考え方は、時代を経て「記憶」という言葉に置き換えられてきた。覚えることが良いことだと、まさしく記憶力を付けることが学習の基本に据えられていた。しかし、最近にこの指導に疑問を感じてきた。それは隣国からの情報からだった。私から見て、今の中国、韓国、北朝鮮の教育は、その中心に政治の力を感じる。幼い頃から、政治色の強い歴史の事柄を教え込まれる(記憶)。教育の中立性を考えると、決してあってはならない事

見捨てられていく子ども達

「教育改革の裏側」 1961(1380P)100.00  1971(1332P) 96.52 1980(1116P) 80.87 1992(1080P) 78.26 2002( 930P) 67.39 2011(1364P) 98.84 上にある数字から何を連想されるだろうか。最初にある数字はお解りの通り西暦何年かを表している。( )の中の数字は、小学校算数6年間分のページ数になる。一番右側の数字は、1961年を100%とした割合を示している。数字はウソをつかな

ご質問から

「音読指導について」 小学生1年生をお持ちの保護者の方から、「音読でひらがながすらすら読めないどうしたらいいか」というご質問がありました。既によくコメントをお書き頂く「森下」さんがお答えのように、音節指導が効果的だと思います。そこで、言語教育の指導を改めて考えて見ましょう。 言語教育は母国語を習得した2歳から指導を開始します。大切な事は、ご両親から愛情の籠もった美しい言葉の数々を受け、母国語を学ぶ事です。教育の基本はここから始まります。私は、幼児教育の中の言語教育を、幼児

始まる教育改革!「先を読む 先を見る」

「鉄は熱いうちに打て」 昨年暮れから教育関係のニュースが多くなってきた。本格的な教育改革を前に、最も敏感に反応をしているのは幼児を持つ保護者、もしくはこれから子どもをと考えるご夫婦かもしれない。これから5年をめどに教育システムが少しずつ、そして確実に変更されていくからだ。数年後には我が子が教育改革の中で学ぶ事になる。既に東大を頂点とした我が国の教育界は崩壊し、国際化、グローバル化の道を歩み始めている。それは、アメリカ・イギリスの大学進学を視野に、世界の頭脳が集結する教育環境

出来れば楽しい!

「指導力が問われる!」 文科省の発表によると、秋田県の不登校率が全国で最も最少であったという。以下記事より 「秋田県の不登校の小中学生は2012年度、全国最少の1000人当たり7.7人だったことが、文部科学省の問題行動調査で分かった。調査によると、不登校の小学生は前年比39人減の82人、中学生は43人減の515人。1000人当たりの不登校児童数は1.7人、不登校生徒数は18.3人で、ともに全国で最も少なかった。秋田市旭北小(児童313人)の伊藤栄二校長は、不登校が少ない要

学力をつけよう!

「教育改革の年に向けて」 本日から、私達、石川教育研究所は仕事を始めました。今年も宜しくお願い致します。 今年は教育改革の年だと言われています。世界的な教育の低年齢化は、我が国においても決して例外ではありませんでした。しかし、教育のグローバル化に押され、我が国の教育観がぶれるようでは困ります。また、私達、民間教育も重い責任を背負わされたと思っています。学力社会では、必ずと言って良いほど「学習について行けない子どもの達」を多く排出してしまいます。実際にはその範囲は広く、5段

教育改革

「保護者の意識」 新聞紙上を賑わすニュースの中で、教育に関する特集記事が目立つようになってきました。今までの6・3・3制を見直す特集記事や、英語指導に関するもの、大学入試と幅広く、これからの教育はどのようになるのか、ある意味予測不可能とも言えるほどにまで加熱しています。 教育改革の行方は、子ども達の、対教育環境への選択肢を広げるのですが、その恩恵を受ける子ども達は、実は少数であることを忘れてはいけません。学力の高い子は、予想される様々な選択肢の中から、自分にあった教育環境

幼児教育と英語教育

「何の為に?」 日本は、よくアメリカの51番目の州と呼ばれることがあります。それだけアメリカに従順であるということでしょうか。国際社会にでていく日本人は多く、当然日本社会もグローバリズムに飲み込まれています。それは、教育のあり方を根底から変える力を持っています。今、我が研究所のスタッフと話すのは、私たちの幼児教育のコンテンツを英語指導に活かすというものです。私たちの教育は、そのスタートを「胎教」からと設定しています。そして、以前お話をした幼児教育の第1期である胎教から1歳と

世界中で教育改革

「世界の趨勢 幼児教育」 教育改革の勢いは止まらない。OECDの学力調査は、各国に教育の大切さを再認識させているように思います。そして、それまでの教育のあり方を見直す絶好の調査となっています。お国が違えば、教育も指導法も違う。最近では「リテラシー」という新たな言葉が教育関連の書物に数多く出てくるようになりました。多くは「活用力」と訳され使われています。 我が国の教育は知識重視で進んできました。今でも「暗記」を奨励している教育機関があります。これは暗記=記憶力と直結した考え

若いときの苦労は買ってでもしろ!

「試される親力」 今進む教育改革は、子ども達の進学に大きな影響を与えることになります。上は大学の入試から、小学校入学の時期までと幅広い改革が思案されています。最近では珍しくなくなったが帰国留学。それも数週間の短期留学から、長期に渡るものまで、教育は知らぬ間にグローバル化されてきています。それだけ我が子が受ける教育に対する選択肢が増えてきているのです。いわゆるIT社会(実際はICT)は、多くの教育情報を提供しています。すると、当然のことですが、親も子も「迷い」が生じてきます。

戦争への不安「独り言」

「戦争への不安」 何を急に言い出すのかと思われたかも知れない。私の中で「不安」ということばが日増しに巨大化してくる。特定秘密保護法案が注目を浴び始めた頃、中国が我が国の領空にかかる部分を防空識別圏に設定した。また、ここに来て、教育に政治的介入が増加してきているように感じる。道徳教育の教科へ移行する考えや、学力テスト問題もそうだ。 「全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果公表について検討している文部科学省の専門家会議は15日、学校別成績について、一定の条件付きで教育

これからの受験

「教育に何を求めるのか」 教育改革は必然的に受験が変わることを意味しています。大学受験も高校受験も、そして中学や小学校受験も全て改革の対象となります。また、公立校も様々な形態の一貫教育を模索中しており、幾つもの形態ができつつあります。しかし、これらの原点を探れば答えはどれも一つです。学力アップです。ところが、この学力アップは、それまでの知識偏重ではありません。より思考力や創造性、決断力や応用力という幅広い能力が求められています。 こうした教育改革は、私たちの意識改革も同時

新たな競争社会に入るか?「独り言」

「教育改革がもたらす影響」 新たな教材開発、そして教育改革に向けた新カリキュラムの作成と教務作業に追われ、ブログ更新がどうしても遅れがちになる。これからの幼児教育のあり方も同時に模索し、ようやくそのイメージができあがってきた。これらの教育活動は、この先に現れてくる教育改革とその後の状態を予測して行わなければならない。想像力や先を読む力が必要になる。 知識偏重教育への批判は、新たな思考中心の学習形態を示唆している。ものを丸暗記しても、それが知性とはならない事は保護者の方々も