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教育評論家・研究家 石川幸夫の教育ブログ

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現在、教育評論家・研究家として活動を行い、弊会理事でもある石川幸夫先生による教育に特化したマガジンです。専門は、幼児教育および小学生教育で、胎教から、子育て、受験、学習など幅広く…
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2023年2月の記事一覧

脳科学から学ぶ

「脳に悪い習慣」 私たち人間は、他の動物とは違い未熟な状態でこの世に出てきます。話すことも、見ることも、あることも出来ません。誕生後、産声が自発呼吸のスイッチを入れます。産声を発することで横隔膜が押し上げられ肺呼吸が始まります。そして、ここから脳が、その本能を活か成長を開始するのです。脳の本能とは、「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」(脳神経外科 林成之先生)の3つがあると言われています。 赤ちゃんは生きたいという本能から、泣いて授乳を訴えます。感覚器官も徐々に発達

影響を与える大人(独り言)

「W先生」 「学ぶ」、学生時代は半ば嫌々こなしてきたという思いがある。私は、中学の女性数学教師と相性が悪かった、えこひいきはする、できない生徒をバカにする、それ以上に無視をする。授業中順番に当てられるのだが、できないと思われる生徒は飛ばされる。こうして教師からクラスの中でレッテルを貼られる。公然と行われていた教師による「いじめ」だ。担任も同じようなものだった。問題ではないかと指摘すると、指摘した生徒が次なるターゲットになる。今も昔も変わらないいじめの構図が見えてくる。この話

指導とシステム(独り言)

基礎指導とは違った面を持つ高学年指導、私は、一部の学年の算数、数学指導を受け持たせて貰っている。授業では、吉備システムというデータベースを基本としたシステムから、指導する内容の問題を選択し指導している。算数、数学指導では、幼児から一貫したタイルを使用し、同時に分析総合法を基に授業を構成している。また、授業では以前ご紹介したチャレンジ500という計算練習のプリント、マス目くん等が大活躍する。中学生は、この夏期講習で、1次関数を課学んでいるが、グラフの指導はタイルで行う。タイルで

算数ができない

「暗記とイメージ」 足し算や引き算など、幼児期から学ぶ子どもの数は増加しています。ところが、小学生になって計算が出来なくなるのは何故でしょう。幼児教育を受けてきた子どもが、「幼児期にあれだけ計算の学習をしてきたのに、小学生に上がるとその効果はあまりない」と保護者の方からの嘆きの声をよく聞きます。様々な幼児教育を見ていると、知識偏重になりすぎていることに気付かされます。本来であれば、その先の学習に繋げることを大切にしなければいけないのですが、保護者から指導の成果を求められるこ

算数ができない

「引き算が苦手」 子ども達の苦手な計算に引き算があります。素過程と呼ばれる基礎計算は、加減乗除各100問ずつあります。計算は、0~9の数字の組み合わせが基本となっています。これは、加減乗除全てに共通しています。そして、足し算・引き算・かけ算・割り算と系統性を持って段階的に学習していきます。ただ、このように計算を分析して指導を行っている学習教室は少ないはずです。 算数の指導法は様々です。有名な「公文式」は皆さん良くご存じの指導法です。計算練習という点では、この公文式は大変優

感覚を鍛える

「便利さは必要ない!」 子どもの成長に関する教えに「便利さは敵」ということばがあります。その中で最も便利な「道具」があります。この「道具」はとっても便利なもので、どんなハイテク製品も適いません。そして、その範囲は驚くほど広く、時に成人しても十分使える優れものです。もう何だかお解りになりましたか。それは「母親」です。では、なぜ母親は子どもに対して過管理、過干渉となるのでしょうか。一番は「待つことが出来ない」でイライラするからではないでしょうか。その反動は、子ども達を取り巻く環

感覚を鍛える

「技能と能力」 良く言われる「頭でっかちな子」の特徴として、知識が豊富で知的能力に優れているのに対し、手先が不器用という形容があります。これは、人の全体を見た場合のアンバランスな状態を指しています。つまり、技能と能力、これは同じとして扱うことは出来ないということになります。技能を広範囲にとらえると「知覚教育」にたどり着きます。さらに、もう一つの側面である「感覚教育」があります。教育という視点から考えると、戦後から50年あまり、主に知能面に集中していました。知覚領域や感覚領域

感覚を鍛える

「進化と退化」 人の進化は直立歩行からと言われています。それは4足歩行に比べ前足、つまり手が自由に使えるようになったからです。「創造する手」としての発達は、指先に集中する神経群からも理解出来ます。しかし、近年、手先指先を使うことが次第に減少し始めています。不器用な人の増加はそれを物語っています。男の子で流行っていたプラモデルは、面倒くさい、難しいと敬遠されるようになり、はめ込み式の形態が多くなりました。昨日も、手先指先に関する動詞を35種類ほどあげましたが、これから幾つのこ

感覚を鍛える

幼児教育には「もじ領域」つまり言語指導があります。この指導は教育の基礎であることは承知の事実です。「聞きことば」「話しことば」「文字の読み」「文字の書き」「単語」「文の構成」「文の読み」「ことばの記憶」その指導は幅が広く、ひらがなの読み書きができれば良いという訳にはいきません。 「もじ領域」に平行して「かず領域」の指導があります。ここでは思考力の中でも重要な抽象思考を指導します。言語と論理的思考、基礎教育の重要性をここからでも確認できます。基礎教育では「もじ」と「かず」領域

夢と希望(独り言)

「幼児教育の成果か!」 2週間にわたって行った白内障の手術も無事に終わり、一昨日退院した。まだ、視力は不安定だが、まるで霧が晴れたようにきれいな視界が飛び込んできた。しかし、やはり目の手術は恐ろしい。麻酔なのか、注射針が視界に入ってきたときは、思わず目をつむりたくなった? 消灯前、大きな眼帯姿の私はトイレに、途中曲がり角で警備員さんと出くわす。すると、警備員さんは、私の姿を見て叫び声を発した。私を幽霊と見間違えたのだろう。正直、申し訳ないことをしたが、笑いをこらえるのに必死

子ども達の将来

「精神的疾患に関わる体罰の後遺症」 米国で研究された 「 罰で精神疾患の可能性高まる、米研究2012年07月06日 15:06 発信地:米国」をお読み下さい。 『研究は、2004~05年にかけて全米20歳以上の米国人653人を対象に行われた、アルコールおよび関連障害にまつわる疫学的調査「National Epidemiologic Survey on Alcohol and Related Conditions」からのデータを用い、心理的問題と体罰の関連性について初めて調

子ども達の将来

「精神的疾患に関わる体罰の後遺症」 今年に入り、世の中では「虐待」「体罰」「いじめ」「自殺」「未成年の殺人」問題が大きく取り上げられました。この背景に何が考えられるのでしょうか。問題を起こした要因、昨日のCDC報告にあるように何らかの精神的疾患が原因ではないかと考えました。事件について共通点はないか。すると、幼児期から思春期に掛けての一つの体験がクローズアップされます。その一つと考えられるのが幼児期や思春期に受けた「虐待」「体罰」です。これは、幼児期からのものもあれば、成人

子ども達の将来

「精神的疾患に関わる体罰の後遺症」 多発する青少年犯罪、そして、人に対して向けられるべきでないことばを安易に使う子ども達。子ども達の将来を考えると不安なことだらけです。まずは、家庭から見直すべき事はないか、親は我が子に十分愛情を注いでいるか、改めて検証すべき課題を考えてみました。 私が教育活動を行っているのは、埼玉県草加市です。3分も歩くと東京の足立区という立地にあり、塾には東京・埼玉の両方から生徒が通ってきます。地域的には、都内で最も学力の低い地域であり、草加市も隣の八

考える時間(独り言)

「短絡的な社会」 日本社会に危機が訪れている。この一週間の間で、幾つもの殺人事件が立て続けに起きている。その犯行はまるで映画やドラマを見ているように悲惨で残酷なものだ。遺体処理の残虐性には、人としての理性や知性を感じることはできない。何故こうも先を急ぐのであろうか。犯罪を犯した者を罰しても、問題の解決には至らない。 今日は参議院選挙だ、しかし、政治家が御身大事の自己主張を繰り返し、国民に夢と希望を与える力が持てない以上、日本社会は救いようが無いのかも知れない。克己できない