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子ども達の将来

「精神的疾患に関わる体罰の後遺症」

今年に入り、世の中では「虐待」「体罰」「いじめ」「自殺」「未成年の殺人」問題が大きく取り上げられました。この背景に何が考えられるのでしょうか。問題を起こした要因、昨日のCDC報告にあるように何らかの精神的疾患が原因ではないかと考えました。事件について共通点はないか。すると、幼児期から思春期に掛けての一つの体験がクローズアップされます。その一つと考えられるのが幼児期や思春期に受けた「虐待」「体罰」です。これは、幼児期からのものもあれば、成人してから受けるものもあり、年齢的には幅広く見られます。一般的に体罰:虐待には、相対する関係が存在します。そして、そこには、相手から逃げられないという構図が見えてきます。心を育む大切な時期、本来受けるべき愛情を受けることができず過ごした時、人の心には、記憶には何が残るのでしょうか。

現代社会では、好むと好まざるとに関わらず弱者:強者という関係が見え隠れします。例を挙げれば、指導者:選手、親:子、先生:生徒、先輩:後輩、上司:部下等、多くの二者関係が浮かんできます。そして、体罰や虐待はこの関係から生じています。まさしく、肉体的、精神的苦痛を与える側と与えられる側の力の差が生じています。これは、形を変えれば「いじめ」の構造になり、学校内では指導対象になりますが、かたや「体罰」「虐待」は、躾やスポーツの指導という名目で行われ、いじめ以上に陰湿な傾向を示します。勝利とか、レギュラーをかけた争いでは多くが隠蔽され行われることで表面化しにくい傾向を表しています。

私は、以前に食品公害について述べました。食品添加物による身体や脳についての影響についてでした。ここにもう一つの原因が加わります。それがこの「虐待」「体罰」です。
子どもの時に尻や体を叩かれるといった体罰を受けたことがある人は、そうでない人よりも成人後に気分障害や不安障害、依存症などの精神疾患で悩まされる可能性が高くなるとしたカナダの研究が、米小児科専門誌「ペディアトリクス(Pediatrics)」で発表しました。

子育てに悩みはつきもの、そこに離婚という状況に陥るだけで、親も子も大きな不安にさらされます。子育て中の親にも、発達過程にある子どもにも言えることは、「不」という文字を取り除くことにあります。不安、不快、不信、不安定、これ以外にも不機嫌、不眠、食欲不振等、数多くの「不」があります。

この{不}を取り除く努力が必要になります。それは当事者だけでなく、周囲の人々、環境がより重要になってきます。少子化だけの問題がクローズアップされていますが、子育て支援は、経済面だけでなく心のケアも含めた支援が必要です。その中には、幼児教室という存在もあるのではないでしょうか。

『報告書は医療関係者に、「精神疾患の影響をよりよく理解し、治療と介入戦略の必要性を伝えて、子どもたちの精神衛生を促進する」ための「早期の診断と適切な治療」を行うよう呼び掛けている。【翻訳編集】 AFPBB News』

2013/7/24


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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