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2019/08/19 イタリア到着の日

2019/08/19 イタリア現地時間で18時過ぎ、ついにその地面が見えてきた。サマータイムなのでまだまだ煌々と日が照っていて全てが丸見えで、空からの訪問客にイタリア半島が顔を向けながら出迎えているようだ。

どうやら、アドリア海側からイタリアの国土を捉え、ブーツでいうところの太ももの後ろ、付け根少し下あたりからイタリア半島に切り込み、ゆっくりと大きな旋回をしながら反対側の海岸線、ブーツで言うとすねあたりに位置するローマを目指しているようだ。

「イタリアってこんなに細いんだったっけ?」と地図で想像するよりもアドリア海とティレニア海に挟まれた様子の半島、上空から眺めるイタリアは、しなやかな曲線を描く色気さえ感じるような美脚そのものであり、同時に、平坦な山々が連なり、その麓に広大に広がる平野には自然と上手く共存している家々が伺え、牧歌的な大地の力を感じる。日本のように痛々しく切り開かれすぎた港や土、大都市はあまり見受けられず、ゆったりと自然に抱かれて人々が暮らしているように見える。

19時過ぎ、ついにローマの地に着陸。

ずいぶん早めに降りる準備をしだした中国人たちの最後のおしゃべり大合奏を聴きながら、飛行機を降り、ゲートまでの少し蒸した透明な廊下を渡りながら、気持ちはイタリアモードにゆっくり変換。

念願の土地に着いた感慨もつかの間、荷物も無事に全て運ばれており、二人で大きなスーツケース4つをガタガタのアスファルトや歩道に惑わされ、地下鉄一駅分を牽き歩き、珍しく10日も前に予約した宿をまずは目指した。

事前に、こんなメッセージが来ていた。

Please note that for check-in after 13:00 we use an automatic system to check-in, when you arrive in front of the main entrance ring the bell "Sunny Guest House" and go to your right "Scala B" 4 floor. Push the reception door and it'll open, on the desk you will find an envelope with your name and the room keys. (SEE PICTURE ATTACHED)

どうやら、この時間宿主は不在なので自力で部屋にたどり着いてねということのようだ。
そういえば前回の旅もこういうケースがあって、その時は「もう帰る私帰る時間だし待てないからこうやって勝手に入ってね」的なちょい投げやりモードだったが、ここの宿主は写真付きでとても丁寧だ。これが今の主流なのだろうか。なんだかミッションのようでドキドキだ。

そのゲストハウスは典型的なローマ式の建物の4階にあるようで、大きなホテルと同じ塀の中にあるようだ。「ん?地図通りに来たけど、デカデカと○○ホテルと書いてあるけど、このホテルじゃないしな?」と少々不安を口にしながら鉄格子の門にたどり着くと、共用インターフォンが。

イタリアでは、大抵どこの建物でも入り口に大きな門か扉があり、その横にインターフォンがある。ずらっと並んだボタンの横に、家主や宿、オフィスの名前が書かれており、訪問者は用事のある名前を探し当て、用件を済ますのだ。たまに、思ってた名前と違うことがあるのでいつもこの瞬間には少し近況感が走る。好きな子の家の前に来て、ピンポンするあの感覚に少しばかり似ている。

ドキドキしながら一つ一つ名を確かめると、ちゃんと目指すSunny Guest Houseの文字が。やっと、見つけた。

探し当てたのボタンを嬉々として押すと、「ビー....ガシャン」という音と共に、重そうな鉄格子門の鍵が開いた。第一ミッションクリア。

懐かしい音に、一気にイタリアに来たことを実感した。

そして、目指す建物をなんとか探し当て、スケスケのレトロで手狭な木製エレベータにスーツケースに押されながら乗り、ガタガタ揺られ上昇。懐かしい揺れだ。

この少し足が浮く感覚に、またイタリアに来たことを実感した。

そして4階、重いドアを難儀しながらなんとか開け、フロントに自分の名前が書かれた封筒を発見。そこに、事前メッセージの通り、部屋の鍵が入っていた。


目指していた場所まで、いくつもの扉を戸惑いながら開けるこの感覚。

私は本当にイタリアに来たんだな。

旅が始まった。

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