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私達のオリンピック

2021年東京オリンピック&パラリンピック。

世界はかなり盛り上がりだったみたいだけど、ここバリ島では(私の周りでは)、そもそもオリンピックの存在を知らない人の方が多かった。
(家にテレビがなく、新聞も読まなかったら、まぁそりゃそうだよね)

アツく一生懸命オリンピックの魅力を語ったら(別に私オリンピックファンじゃないけど)、「へぇ…。同じ10代なのに世界を目指して毎日スポーツに打ち込めるなんていいなぁ。家や田んぼのことはやらなくていいの?自分に熱中できるなんて羨ましいなぁ」と言われた。

皮肉でも嫌味でも冷めてるわけでもなく、話してくれた子の純粋&素直な気持ちだったと思う。

人間は、どんな家族がいるか、どれだけお金を持っているかで、できることもできないことも、残酷に変わってく。置かれている状況は、人や家族や国によって全然違う。

「人生は自分次第」「文句言ってる人は努力不足」なんてよく言われるけど、努力なんかでどうにかなるんだったら、とっくにどうにかなってるよね、と思うことが、ここにはよくある。

-----今年東京オリンピックは開催されたけど、日本の子ども達の部活動や市民のアウトドアスポーツの大会は、軒並み中止になった1年だったと聞いた、涙。

スポーツにおいて、発表の場や大会が絶対なわけじゃない。そもそも、スポーツなんかやらなくたって人間死にはしない。

でもさ、やっぱりスポーツっていいよね。

スポーツがあるから、学校やへ行こうと思えたり、週末を楽しみに仕事を頑張れたりする。
心が折れそうになった時の居場所にもなったり、スポーツがあるから生きて頑張れる人はたくさんいる。

日常の中に楽しめる場があり、目標に向かって懸命になったり、そのがんばりを自分で感じたり。
それらを仲間と共有して、喜び合える場や機会って、子ども達にとって(いや、大人達にとっても)すごくすごく大事だなぁと思うのです。

(もちろんスポーツに限った話でなく、これはアートでも音楽でも何でも)

私の日本の両親は、毎晩「どっちが電気を消すか」を本気で競って、寝る前に必ずじゃんけんをし、毎晩全力で一喜一憂する60代、笑。

物心ついた時から今でも変わらず、人数が集まれば、すぐ腕相撲大会したり、バドミントントーナメントが開催されるような家族の元で育った。

今月なんて、パラリンピックに影響を受け、良子ちゃん(母)が手作りボッチャ球を作り、家族みんなでボッチャ大会を開催したと連絡をもらった。

学生時代、両親からテストや勉強で褒められた記憶が私は一度もないんだけど(これは私の頭が悪かったせいでしょうか)、スポーツに関しては、いつだって自分のことかのように、共に喜んだり悔しがってくれたことをよく覚えてる。

そんな家族の影響もあって、スポーツは、下手でもセンスなくても何でも、とにかく「めちゃくちゃに楽しいもの」「とにかく本気でやるもの」と思ってる私。

そしてそんな私に対し、「スポーツって勝ち負けじゃないから、闘わないくらいの方がいいよ。わざと一回戦で負けて、トーナメントを観戦してたって楽しいんだから。人生と同じだよ」とか言う、我が旦那アリフ。

だから、サーフィンを一緒にしても、あっという間に休憩する。大きな波がきたら我先に逃げる(絶対乗ろうとチャレンジはしない)。波がどんなに最高でも、サーフトリップ中だとしても、「朝もう入ったし、オレは午後はのんびりするよ」とか言ってピーナッツを幸せそうにポリポリ食べる。

石垣島でカヌー&シュノーケリングに行ったって「寒い」とか行ってすぐ上がっちゃうし、ヨガ好きになった今でも「早起きレッスンは絶対パス」と睡眠を優先させる。

張り合いに欠けまくります、笑。

-------でも、アリフに限らず、インドネシアのみんなは全体的にスポーツにかける熱量が小さめな気がする。

これは国民性だからなのか、勝ち負けにこだわらない文化故になのか、もしくはスポーツを通した楽しい経験がまだみんなにあまりないからなのか…。

(バリ島には学校の部活動みたいなものはないし、アウトドアスポーツイベントなんかも、日本に比べるとまだまだ少ないし一般的じゃないからかも)

サッカーやバレーボールで遊んでても、誰も点数つけようとしない。チーム戦も個人戦もなく、何やってるんだか分からないことも多々。
何となく順番に自分の番がやってきて、打ち返し蹴り返し、楽しいからそれでいい、みたいな遊び方をよくしてる。

ま、そうなんだけどね。
楽しければそれ以上はないんだけどさ。

でもさ、小さくてもいいから、全身全霊でぶつかって、魂が震えたり、心と身体が喜ぶ場をみんなと作ったり共有したくない?と、つい熱血魂になってしまうウザめな私。

みんなとオリンピックの話をしてからは、そんなことをより強く思うようになり、機会がある度に、小さなスポーツ大会を開催するようになった。

ルールが分かってない人もまだまだいるし、大会というか、やっぱりただの遊びに近いんだけど。

でも、みんなが全力を出して走り回り、思いっきり喜んだり悔し涙を流したり、スポーツを通して新しい友達ができたりしてる。

アリフも「別に俺はいいよ」とかクールぶってたくせに、気付いたら子ども達に混ざって張り切りまくり、珍しく「くっそー」とか全力で悔しがったりしてw

子ども達の間では一部自主練まで始まったりして、みんながイキイキしてる気がして、もう何か嬉しくて嬉しくて、結局、何より誰より私が1番楽しませてもらってる毎日。

めちゃくちゃ平和です。

-----4年後のオリンピックが開催される頃、バリ島はどんな島になってるんだろう。ここのみんなはどんな大人になってるんだろう。

みんなと観戦が楽しめるようになってたりするのかな。応援に一緒にアツくなったりしちゃうのかな。そう考えると、4年後や未来がすごくすごく楽しみだなぁ。

まずはみんなでオリンピックが見れるように、私は4年内にはテレビを買おう。そうしよう。

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