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ひとつの言葉では表現しきれない、"うそ"の形
物事を捉えるとき、ひとつの側面だけでは、対象の物がどんな形をしているのか分からない。
コップを真っ正面から見ると、四角かもしれない。
真上から見ると、まん丸かもしれない。
斜め上から見ると、液体が入っていることに気づくかもしれない。
どれも一つの面だけ見ていると全体としてどんな形をしているかは、分からない。
コップだけでなく、誰かの人柄や、誰かの行動もひとつの側面だけ見ても本質的なことは、分からないなと思う。
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最近お迎えした絵本、
「うそ」作 中川ひろたか×絵 ミロマチコ。
子どもも大人もうそをつく。
子どものうそは、すぐ分かる。
食べたくないオカズが出てきたとき。
何か後ろめたくて素直に言えないとき。
色々なときに、うそをつく。
クスッと笑ってしまうような場面もあれば、相手を傷つけてしまう場面もある。
相手がイヤだと思う"うそ"はつかないようにしてほしい。
"うそ"一つとっても、全部がダメなわけでは無い。
うそって、どんな"うそ"があるんだろう。
世の中にある"うそ"か"うそじゃない"のか分からない、色々なうそについて描かれている絵本。
舞台や映画に出てくるセットもうそ。
何かを描くとき、より美しく描くこともうそ。
「ぼくは うそばっかりついてます、これは ほんとう」というぼくの言葉は妙にしっくりくる。
読みながら、私もうそばっかりかもしれないと思う。
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"嘘つきは泥棒の始まり"という言葉がある。
でも"うそ"が全部いけないわけでは無くて、使い方を間違えてはいけないという話なのだと思う。
絵本に出てくる"ぼく"が弟がお皿を割ったことをお母さんに隠すためについた"うそ"は、やっぱり"うそだから駄目だ!"とは言えない。
背景には弟への優しさもある。
"うそ"といっても、"うそ"の形も千差万別。
沢山のうそについて知り、やっぱり使ってはいけないという場面での"うそ"について理解する。
色々な"うそ"について、子どもと一緒に大人も考えられる良い絵本との出会いだった。
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