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📕ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本

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「読む」という行為がいかに効果的な英語学習法であるかを、口を酸っぱくして伝えている。効果的どころか、最善にして唯一の確かな方法だと信じている。

英語学習アプリをダウンロードするのも良いだろう。ネイティブスピーカーとのオンラインレッスンだって、素晴らしい手段だ。しっかり取り組めば役に立たないことなどない。しかし「読む」こと抜きに英語力を身に付けるのは難しい。

英語を読むために読むべき一冊の本がある。

ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本

この本は「最初の一冊の本をあなたが選び、読み始める」までの手伝いをさせていただく本です。この本を読んだからといって、すぐに英語ができるというものではありません。
だから薄い本です。これで十分なのです。
別に、いきなり英語を書いたり、難問を解いたりしようというわけではありません。憶えることはほんの少しで十分です。日本語でも、漢字を正確に書くのは大変ですが、読むだけなら比較的簡単です。どんな言葉でも、読むことは最初の一歩です。

本書より抜粋

数ある言語の中で世界で一番簡単な言語「英語」は、日本語を習うよりずっとやさしい。文法で覚える受験英語ではなく、英語そのものの仕組みを理解し使えるようになる新しいタイプの入門書。この本のマスコット「ビッグファットキャット」が熟練度にあわせてどこからでもナビゲーションしてくれる。何度も諦めかけていた人も今度こそ話せるようになる。

出版社の紹介文より

僕にとっては、a book of a lifetime(運命の一冊)と言っても過言ではない小さな本。書店の語学コーナーを巡っている時にたまたま出会い、最初の数ページを立ち読みしてるうちに、不意に落涙してしまった。最大の理解者であり、生涯の師と呼べる存在に出会ったような気持ちだった。

『はじめに』から『第一章』は、英語を身に付けた人なら誰もが心を揺さぶられ、また大きく頷かずにはいられないはず。もちろん、これからあらためて英語を学ぼうという人にとっても、説得力に満ちた力強い内容だ。

第二章以降で示される具体的な指南を読み進めていくと、「そうか!そうだったんだ!そういうことか!そうすれば良いのか!」と、そのうちえら呼吸も始まるんじゃないかという勢いで目からウロコが落ち続ける。

本書は「膨大にふくれ上がった英語のルールから、核となるわずかな部分を見つけ出すことに専念」しており、例外的な要素だけでなく、初歩的な文法知識でもあえて省略したりしている。だから、文法や必須単語の全てを詳しく学べるわけではない。それどころか、文法用語は一切使われていない。しかし、英語の世界に足を踏み入れ、実践の中で生きた英語を学ぶための、確かな道標となってくれる。

「英語力0」という言葉を時折目にする。過ぎた謙遜は、学習の妨げになる ー「英語なんて自分には無理」という自己暗示をかけてしまう ー 恐れがあるので、よした方がいい。学生時代にずっと英語のテストが0点でもないかぎり、そんなことはないはず。ぼんやりとしたわずかな英語の記憶と、向学心さえあれば、実力をつけていくことは十分に可能だ。そう訴えかけてくる本書のタイトル、「世界一簡単な英語の本」に嘘はない。

終始一貫、平易で温もりのある語りかけるような言葉で書かれているので、リラックスして読み進められるはず。初読時は、勉強と思わずに純粋に読み物として目を通すと良いだろう。

「これから本腰を入れて英語を学びたい人におすすめの学習法は」と問われたら、当然読書と答えるし、読み始める前に読むべき一冊として、間違いなく本書を紹介する。

ただし、著者ご本人が述べられた通り、これはあくまでも「最初の一歩までの道標」だ。これ一冊で全てが解決するというような誤解をしては、本末転倒だ。本書を読み、何を忘れ、何が不足しているのかを発見し、自分にふさわしい歩み方で、自分の足で歩きだすことが、そこに込められた願いだ。読者(英語学習者)自身が行間を埋めて行かねばならない。

本書、そして身の丈にあった辞書や文法書の3点が揃ったら、あとは authentic materials(英語圏で作られた英語圏の人々のためのコンテンツ)のリアルな英語の世界へ足を踏み入れていけると思う。その道すがら、さらに必要を感じたら、他の教材なりレッスンなりの力を借りたら良い。

2002年のベストセラーの一つだったそうだが、それ以来、『ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単 な英語の本』に手を出した人の中から「英語を溢れるまで貯める」(本書より引用)人が一体どのくらい出現しただろうか。英会話学校を渡り歩く人たち、次々と新しい会話本を買い求める人たち、新しい学習メソドに飛びつく人たちに、同じようにただいたずらに消費されてきた可能性は否定できない。それでも、これは「英語難民」の増産に歯止めをかけるための一冊だと明言できる。

著者の向山淳子先生はご高齢で教育の現場を離れられているご様子で、そのご子息であり共著者の向山貴彦先生は残念ながらすでに他界されている。この本に出会えた幸運に感謝を捧げたいという願いは、どうやら叶いそうにない。その代わりと言ってはなんだけれども、お二人がこの本に詰め込んだ思いや学習・指導技術を、僕なりにしっかりと受け取り、次世代につなげていきたい。


  • ★★★★★ 出会えたことに心底感謝の生涯ベスト級

  • ★★★★☆ 見逃さなく良かった心に残る逸品

  • ★★★☆☆ 手放しには褒めれないが捨てがたい魅力あり

  • ★★☆☆☆ 読み直したら良いとこも見つかるかもしれない

  • ★☆☆☆☆ なぜ書いた?

  • ☆☆☆☆☆ 後悔しかない



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