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【脚本】『暗殺者の抱擁』~2017初演ver~(弐)

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物語を書く際に、音楽にイメージをもらって書くということがままあります。私の場合は。
この作品は、間違いなくこの曲でしょう。

この文章を書いている今(2020年5月10日22時現在)、書斎の開けた窓の外から雨音が聞こえます。
香港返還の日が雨だったこと、そしてこのPor una Cabeza、暗殺者・・・断片的なイメージを繋げていって、この物語が出来上がったことを記憶しています。


#7

アンソニーのスタジオ。
マギーが一人で練習をしている。
椅子の背もたれを使って、脚のさばきを確認している。
それを撮影しているミシェル。

ミシェル 「待って、続けて」
マギー 「こんな地味な絵で、なんか・・・ごめんね」
ミシェル 「ううん。こんな練習もするんだね。ちょっとレアで嬉しいかも」
マギー 「ならいいけど・・・ペアダンスだから基本的には相手との練習にはなるんだけど、アドルノ・・・あ、こういう脚のアソビみたいなやつとかは一人でも練習できるから」
ミシェル 「そうなんだ」
マギー 「うん」
ミシェル 「でもいいなぁ」
マギー 「え?」
ミシェル 「踊ってるときのマギー、すごくきれい。羨ましい」
マギー 「そう・・・かな?」
ミシェル 「そうだよ!アタシ、ダンスとかダメだし、ていうか運動全般ダメだし、だからあんな風に踊れるあなたはやっぱり選ばれた人なんだと思うわ」
マギー 「・・・」

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