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イタリアで超音波スクリーニングを行う。そして考えたこと。

公立病院に在籍する産婦人科医の元で、胎児の超音波スクリーニングを受けてきた。
別の担当してもらっている産婦人科医からは、19週から21週目にこの検査を行うように指示された。

公立病院で35ユーロで受診可能らしいが、私たちの場合は担当の産婦人科の指示でプライベートとして予約をし、約10倍の金額で検査を行った。

検査は待ち時間も無く無事に終わった。
胎児の内蔵や肢体のサイズや血液の流れを確認し、異常が無いか調べてもらった。
子供の顔が4Dエコーで確認できて、更に愛着が湧いた。
今は7センチほどらしいが、これほど小さい胎児の内部まで確認できるとは、本当にすごい時代だ。
あと30年ほどしたら、瞳の色まで把握できてしまいそうだ。
DNA鑑定も進んで、胎児の性格や、職業の適正までデータ化されたりもして…。

家に帰ってきてから少し冷静に考えて思ったことがある。

私たちはプライベートで予約をしたが、担当してくれた産婦人科医が公立病院に在籍しているため、公立病院にある機材で検査をしてもらった。
それならば、35ユーロで公立病院を通して検査したほうがよかったのではないか…?

これを婚約者に言うと、公立病院を通して予約すると誰が担当になるかわからないし、違う機材で検査される場合もあるから、紹介してもらった先生にプライベートで予約をしたほうが確実だと。

確かにその言い分は当たっている。35ユーロでいい機材で検査してもらえた人が偶然ラッキーだと思うしかないのだろうか。

どうも釈然としない…。

もちろん紹介してもらった先生だったため安心はできたし、公立だと2時間ぐらい待たされるのがザラらしいが、予約時間の2分前にはすでに診察室に入れていた。
お金を払って時間を稼いだと思えばいいのか…。

一応確定申告や会社の保険で一部の金額は帰って来るが、最初の支出が少ないことに越したことはない。
日本での金額も調べてみたが、やはり5000円のところが多く、35ユーロだったら打倒な値段である。

イタリアだと、プライベートで予約をすると国民保険が効かないため、倍もの値段を払うことになることがある。
プライベートの利点は何と言っても、時間がかからないことだ。
公立病院だとどうしても予約日が先になったり、現地で長時間待たされることになる。

このイタリアの医療システムがどうにかならないものかとよく不満を抱えてしまう。

しかし、いい面もある。

周りの話を聞くと、収入が無い人等は国民保険料を払う必要が無いらしい。
日本でも生活に困っている人に対する援助はあると思うが、イタリアで実家暮らしの職が無い人が払っていなかったりするため、日本より優しいのだと思う。
もし私が日本に一時帰国して日本の病院にかかったら、満額払う必要があるが、海外在住のイタリア人がイタリアに帰国して公立病院に行っても、保険でカバーされた以外の一部の負担金を払うだけでいいらしい。

また、こちらで救急車で運ばれて緊急病棟に滞在したとしても、お金を払うことは無いらしい。

サービスの提供に時間がかかったりするが、その分得することもあるのだと思った。

とりあえず今回お金のことは勉強代だったと思い、健康に子供が産まれてきてくれることを祈る。

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