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のざわちかこ/古典を未来に
2024年8月20日 17:39
一条天皇と皇后定子と『枕草子』大河ドラマ「光る君へ」も、いよいよ後半に入ります。『枕草子』が誕生する場面、素敵でしたね。何度も録画を見直してしまいます。そして、皇后定子が亡くなった後に、光り輝いていた定子の姿(日記的章段と言われる部分)を書き継いだというのが、「光る君へ」が採用した解釈でした。鎌倉時代初期に書かれた最古の文芸評論『無名草子』も、「定子さまがすばらしく最も輝いていて、帝のご寵
2024年9月21日 08:25
ディベートを楽しむ女房たち「光る君へ」第35回、中宮彰子さまの前で、女房たちが『源氏物語』の源氏の君と若紫について、あれこれ論じ合っていました。平安時代も、現代の読書会のようなことをおこなっていて、その雰囲気が伝わってきます。『枕草子』79段には、『宇津保物語』に登場する、仲忠と涼の優劣を、中宮定子の前で女房たちが議論したと記されています。仲忠が、子どものころに母と木の洞(うつほ)で暮らし
2024年9月14日 21:18
大河ドラマ「光る君へ」は期待を上回る、おもしろさ。系図をみたら「光る君へ」の俳優の顔が浮かんでくるようになりました。平安時代が身近に感じられて、楽しい!さて、第34回を見ていると、まひろ(紫式部)の弟、惟規が「神の斎垣を越えるかも、俺」なんて言ってましたね。え、歌学書の、あのエピソードやるの?それじゃあ、去年(2023年)の6月に、惟規が蔵人になるところまで書いた、その続きを書きますっ
2024年7月6日 10:13
避らぬ別れ古文では、人が避けることができない別れ、つまり死別を「避らぬ別れ」と言うことがあります。「世の中に避らぬ別れの無くもがな」(この世の中で死による別れなど無くなってほしい)と詠んだのは、在原業平。仲良くけんかしていた、紫式部と藤原宣孝ですが[結婚(1)、結婚(2)]、二人が結婚した1年後(1000年)に娘[大弐三位]が誕生、その翌年(1001年)の4月25日に、宣孝が亡くなります。
2024年4月30日 14:24
京都歴史マニアックツアー2024 2024年4月25日に、平安時代の貴族の邸宅の跡を歩く《京都歴史マニアックツアー》を行いました。実際に歩いてみて再確認したこと、貴族の邸宅はやっぱり広い。 市街地を、ただただ妄想しながら歩く、こんなオタクの楽しみ、ひとりで行くしかないやん、と思っていたのですが、大河ドラマ『光る君へ』のおかげか、貴族の邸宅があったところを歩いてみたいと、月1回の古典講座のメ
2024年5月1日 14:17
京都歴史マニアックツアー、午後は一条大路コースです。 ▶午前の二条大路コースはこちらこれが一条大路コースの私家版地図。地下鉄今出川駅からスタートします。今出川通りにある⑥京都市考古資料館にも立ち寄りたいと思います。では、出発!①一条大路へ①とらやの角を曲がって、西に進みます。現在は京都御苑で途切れていますが、東の方、京都御苑の中にも一条大路は続いていました。平安時代、賀茂祭が近づ
2024年1月11日 14:45
ツンデレ紫式部「ツンデレ」。短大の授業で百人一首の周防内侍の歌を解説したときの学生のコメントに、「ツンデレな解釈がおもしろかった」とあって、ツンデレって何?と思ったのが、この言葉を意識したきっかけです。この説明によると、紫式部は「ツン多め」かな。紫式部と藤原宣孝との、結婚前のやりとりを読んでいきましょう。紫式部、はじめは自分の歌ばかり並べていますね。996年の秋、紫式部は国司となっ
2024年1月8日 10:49
紫式部に近づくには読者が自分自身にひきつけて自由に解釈できるのが、古典の魅力。古典は楽しくなくっちゃ。2024年の大河ドラマの主役が紫式部に決まって、続々と関連本が出版されています。えーっとこの本の広告では、紫式部の裏の顔は「マイナス思考で/激ネガティブな/コミュ障」この評価はわりと一般的だけど、ほんとにそう?だれかの解釈をまるごと受け入れるのはつまらない。可能なかぎり、生の資
2024年1月8日 20:40
紫式部悩みの相談室紫式部に近づきたい 女ともだち(1)では紫式部集1、2、6、7番の歌を読みました。紫式部と友達の和歌の贈答をさらに読んでいきましょう。*詞書と和歌を現代語に訳しました。和歌の現代語訳の上の▼は紫式部が詠んだ歌、▽は紫式部以外の人が詠んだ歌です。(八・九・一〇番)ーー都から遠く離れたところに、行こうか行くまいかと思い悩んでいる人が、山里から紅葉を折ってとどけてきた
2023年6月7日 21:42
紫式部の周りをぐるっと大ベストセラー作家、紫式部さんはどんな人?2024年の大河ドラマ「光る君へ」ではどのように描かれるのかな?平安時代が立体的に再現されるので、とても楽しみです。史実と違う!と怒り出す人もきっとあらわれるでしょうが、ほほう、アレをそう解釈しますかなどと思いながら観るのも楽しいはず。そこでいろいろなアレコレを、できるだけ紫式部に近い時代に書かれた本によって、紹介していこ