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紫式部に近づきたい

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いろいろな方向から紫式部と『源氏物語』に近づいてみます。ぜひ、ご一緒に。
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#葵祭

紫式部に近づきたい 平安時代の葵祭と賀茂斎院

紫式部に近づきたい 平安時代の葵祭と賀茂斎院

葵祭は賀茂祭

賀茂祭は、参加する人が葵を身につけるので、葵祭ともいいます。その起源は奈良時代ですが、平安時代に入ると、内親王の中から選ばれた賀茂斎院が祭に奉仕しました。平安時代の文学作品にも、賀茂祭の行列を見物する場面が描かれています。

紫式部や清少納言の時代の斎院は、村上天皇の皇女、選子内親王です。円融天皇から後一条天皇までの五代、50年余りの長きにわたって斎院をつとめたので、大斎院と呼ばれ

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絵で読む『源氏物語』これはどんな場面~源氏物語絵色紙帖 葵

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賀茂斎院の行列

 葵祭にかかわる賀茂斎院のおでましは三回。祭に先立つ賀茂川での御禊、祭の当日の上賀茂神社・下鴨神社への参拝、祭の翌日の斎院への還立(祭のかへさ)。その行列は、どれもが大勢のお供を連れたはなやかなものだったので、経路にあたる大路には、いつもたくさんの見物人が集まりました。

『源氏物語』葵巻の車争い

 『源氏物語』葵巻の車争いは、斎院の御禊の日に起きました。このときの斎院は、桐壺

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