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【細部に宿る、作成者の想い】

ここ数年、webコマーシャルにはまっている。
その代表格と言えるのが

"TIFFANY BLUE × ゼクシィ"

のwebコマーシャルだ。
これは男性が女性へ婚約指輪を渡すまでの日常を背景に男女間の距離を絶妙に表現している。
毎年クリスマスシーズン辺りに公開されるはずのCMだが、今年は恐らくなかった。2017年から2019年までの3年間で3本あったが全て神作といえるだろう。

とにもかくにもこの記事を見ている今、こんなものは見ずにすぐさまYouTubeを開いてTiffany blue×ゼクシィと入力して頂きたい。そして見終わったらまたこのnoteに戻ってきて欲しい。今から熱く語る話を同じ熱量で読むことができるだろう。とりあえずいってらっしゃい。


見て頂いた方々、どうですか?どんな気持ちになりますか?僕は何か始めよう、大切なものは何なのかを考えさせられました。ではまず、僕がこの素晴らしい作品に出会った経緯を話させて頂きます。遡ること4年前の12月。当時高校3年生であった僕は塾の自習室で受験勉強真っ只中でした。とはいえそれほど高いレベルの進路を目指していたわけではなかったので休憩という名のサボりでスマホと睨めっこしている時間の方が長かったのを覚えています。その時にいつも通りYouTubeを開き、動画を見ようとすると冒頭に広告が流れました。いつもなら5秒でスキップするので早く5秒過ぎないかな?と考えていました。しかし、その時は何故か5秒経っても、10秒経っても、1分経ってもその広告を見ていました。そうです。それが今回お話ししているティファニーブルー×ゼクシィのweb広告だったのです。出演していたのは成田凌さんと杉咲花さん。「今度の休み、旅行とかどうかな?」と杉咲花さんが一言呟いてから始まる動画にどこか引き寄せられるものを感じ、見入ってしまいました。恐らくこれも制作者の何かしらの意図なのでしょう(考えすぎ)

レストランで夜中に働く彼氏と、日中OLとして働く彼女。彼らの時間は物理的にずれていました。長い間付き合ってきているのでそんな事はあまり気にせずに過ごしていたのですが、徐々に心の距離さえも離れて行くように「いつも一行だね」とメッセージのやり取りについて彼女が言ってしまったのです。それで何か感じたのか彼氏は仕事中にも関わらず走り出しTiffanyへ向かい、指輪を買うのです。そして夜勤明けの朝に出社する彼女を待ち指輪を渡す。そういったストーリーでしたね(簡略的にまとめました)
そして最後にこういった一文が添えられます

一生分の一歩を踏み出すあなたへ

プロポーズを後押しするのにこれほど素敵な言葉に出会った事はありません。そしてその後様々なシーンを駆使し、指輪を準備する描写を何度も映します。まるで次はあなたの番ですよと言わんばかりに。

この動画を見てすぐに僕もTiffanyへ走り出したい気分でしたが、よく考えると当時の僕には彼女もいなければ仕事もしてない。それどころか受験勉強中でした。とりあえずなんとなくフワフワした気持ちのまま勉強の時間へと戻った事を覚えています。

僕的にこの動画のお気に入りポイントを少しだけご紹介したいと思います。
まず、冒頭の入り方。杉咲花さんの一言から始められる事によりグッと視聴者を引き寄せた感じがします。そして次に、青空に白文字でティファニーブルーとカタカナで表示するのですがその際の空の色がティファニーブルーの綺麗な水色である事。細かいなぁと感じました。3つ目に成田凌さん演じる彼氏が仕事先で下っ端である描写を上手く表現できていると思います。ただの下っ端ではなく、愛されている下っ端という感じがたまりません。4つ目に杉咲花さん演じる彼女が職場の先輩とご飯に行くのですがその際に先輩から何年付き合ってるのかを尋ねられ、「6年です」と答えると「はぁ。それさぁ。付き合ってるって言わないから」と言われるのです。当時公開されていたページのコメント欄に先輩のその発言に対してアンチコメがあったのですが、プチ炎上する程のリアルな描写に僕は素晴らしいなと感じた事を覚えています。5つ目は先ほどもお話ししたように最後の【一生分の一歩を踏み出すあなたへ】という言葉です。この言葉に重みを持たすために作られた映像作品、広告といっても過言はないのではないかと思います。
そして最後にやはり、使われていた曲です。LANYのGood girls。これは本当に最高です。セツナポップと呼ばれる分野を作り出したアメリカ、ロサンゼルス出身のポップバンドですこの曲の好きなフレーズに"Good girls don't exist, but I expected more than this 良い女性はいない事なんて分かってるけどそれでも望んでしまう"というフレーズ。たまりませんねぇ。言い回しがカッコ良いのに言ってることはクソメンヘラみたいな感じが個人的に大好きです。

長々と書かせていただきましたが今回はTiffany blue×ゼクシィの初回作について話させて頂きました。次回は二作目のお話ができればなぁと思っています。ありがとうございました!


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