森田正明@能動ドットコム

30年以上テレビ番組、企業ビデオ制作の第一線で活躍する番組制作カメラマン、ディレクター…

森田正明@能動ドットコム

30年以上テレビ番組、企業ビデオ制作の第一線で活躍する番組制作カメラマン、ディレクター。 得意分野はドラマ、ドキュメンタリー。JICAドラマ制作専門家として 98年から番組制作スタッフの技術指導に尽力。 現場第一線、長年の経験を生かした指導、正確無比な技術と映像理論に定評。

最近の記事

掲載中断のお知らせ

私事で恐縮です。 しばらく休載いたします。 申し訳ございません。

    • 015 映像のカメラワークその1

      映像のカメラワークお知らせ:内容が専門的になるため今回より有料といたします。 無料部分は分かりやすく、有料部分は専門用語が多くなりますのでご了承ください。 Zoomその1映像のズームはレンズのズーム機能を使った動きのことを言います。 「ズームして見る=望遠で見る」と勘違いしている方も多いようですが、ズームはあくまで焦点距離を変更する途中の過程を言います。 広角から望遠に、望遠から広角にしている「動き」です。 前者はズームイン、後者はズームアウト。 単に「寄る」「引く」とい

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      • 014 じゃん?

        言葉の乱れは留まるところを知らず日本語どこへやら? 私は大宮生まれ、後に横浜だったので東京・埼玉県の旧武蔵の國いわゆる武州弁に乗っかった相模弁です。 この10年ほどで横浜から湘南にかけての方言「じゃん」が全国を席巻し、まるで標準語のようになりました。 テレビドラマから聞こえる「じゃん」がとんでもないところで使われていて(まっ、私も生粋の「じゃん」じゃないにしても40年以上使っているので)いやいや、そこで「じゃん」は使わないでしょと思うことが「じゃん」全体の3割ほどあります。

        • 013 WBとBBの回数

          WBとBBとグレースケールダイクロイックプリズムの話 左端の黒いギザギザがレンズが付くB4マウント。 中央のビスが2本ある部分がダイクロイックプリズム。 光は上、下、右の緑の基盤にあるCCD(C-MOS)に入る仕組み。 レンズを通った光はダイクロイックプリズムでRGB(赤緑青の光の三原色)に分けられ、直線方向にG、反射されB、Rに入ります。 下側のCCDを外してみました。 これが2/3インチの撮像素子でいわゆる3板式という放送用カメラの基本です。 ※古いので4:3のアスペ

          012 ビデオ酔い その2

          水平 4.水平が取れていない これは、写真の構図でも書いた通り、意図とミスを切り分ける必要があります。 微妙に水平がずれているのは何とも気持ち悪い=ビデオ酔い。 構図 5.構図が悪い 前述の通り、目線/意識線の使い方を間違えると目線や空間が詰まった構図になり、無意識な不安感を与えます。 空気も構図の一つと考えなければなりません。 人間の生活も構図の原則になっています。 特殊な場合を除き、人は地面に立っていて天井までは空間があります。 従って、頭上の空間のほうが空いて

          012 ビデオ酔い その2

          011 ビデオ酔い その1

          そもそも、こんな言葉があるのだろうか? という素朴な疑問さえありますが、 この10年くらい、良く見るので書いておこうかと。 前回原因を列挙しましたが、それを紐解きます。 意図と違う 1.カメラワークが視聴者の意図と違う ボールを投げる時、いちど後ろに腕を振り上げてから前に投げますよね。 カメラワークでは一番やってはいけない動作でして。 画面の4辺は同速同方向ルールがあるので、振り上げてはダメ(笑)。 視聴者は無意識でも結構そういうの気付くものです。 カメラが チョッ

          011 ビデオ酔い その1

          010 手ブレとビデオ酔い

          ビデオ酔い 「ビデオ酔い」 という言葉をご存じですか? 映像を見ているとまるで船酔いをしたように気持ち悪くなる。 その原因が手ブレだという都市伝説(笑) 実はビデオ酔いの原因はほぼ解明されています。 1.視聴者の意図と違うカメラワーク 2.ふにゃふにゃ動き 3.カメラが被写体の動きに追い付かない 4.水平が取れていない 5.構図が悪い 追加で最近出てきたのが 6.オートフォーカスが追い付かない なんか、これだけで3週分くらいいきそうな・・・ その前に・・・ 手ブレと

          010 手ブレとビデオ酔い

          009 人物撮影のサイズ

          静止画構図の仕上げ 仕上げの「人のサイズ」(1人の場合)です。 人物を正確に撮れることがカメラマンへの第一歩です。 流れが読めてディレクター的撮影ができると1人前。 ディレクター=指揮者 カメラマン=コンマス という関係が成り立てば一流の仲間入りかな? 人物サイズについては前もってお断りしておきます。 欧米ではもう少しラフな考え方をします。 LS~MS~US(ロングショット~ミディアムショット~アップショット) 程度の区分けで、 「その道の専門家に任せる」 というカ

          008 カメラワーク

          バレない 伝える映像として外せないのがポジションとアングルです。 最初に結論を書くと 「カメラワークがバレないように情報を視聴者に正確に伝える」 という映像の大原則があります。 憲法みたいなものかな(笑) 視聴者を映像に引きずり込む技術でもあります。 さて、テレビと映画(ドラマ)の大きな違いは何でしょう? 制作側からすれば、 テレビは公の情報を伝える媒体。 映画(ドラマ)は作り手の思いを伝える媒体。 と言えるかもしれませんが、ここでは視聴者の立場で考えます。

          007シンメトリー

          正方形と円 001で書いた正方形の話です。 正方形は上下左右の辺の長さが同じ。 これは「円」と同様と捉えます。 円の中心は真ん中でそこは画の重心でもあります。 円といえば日本人ならだれでも持っている「家紋」 衣装はもとより、武具や瓦にまで描かれ、古くは平安時代にまでさかのぼるというから日本人の美意識の高さには驚かされます。 ここで原則的に良く使われるものが「対称=シンメトリー」 海外では紋章(エンブレム)ですね。 ロゴや自動車のマークがわかりやすいかな。 美

          006 Intermission「5秒前!」

          基本のキですが難しい話が続いたので、とりとめのない話で休憩します。  ※今回は数字の「約」を省略 良くTV番組制作で 「5秒前、4、3・・・」 って聞くと思います。 なんで? 5秒前? 答えの前に、普通は2以降は声を出しません。 スタジオの反響音が残るので声は3まで、残りは指です。 残響といえばカチンコもフィルムと音のタイミング合わせに必要でしたが同録の今も使ってるところありますよね。 この手法はマルチカメラの際、大きく手を振って代用できますね。 戻します。 5歳

          006 Intermission「5秒前!」

          005 構図での「レンズ」あれこれ

          レンズの特性を知る  1.望遠と広角とズーム  2.開放値=被写界深度  3.フィルターやらなにやら ご存知の通り、レンズにはそれぞれ焦点距離というのがあって、何mmと表示されています。 人の目と同じような「遠近感」の40~60mmくらいを標準レンズと言います。 ちなみにズームは画角を変える動作のことです。 単に望遠側へは 「寄って」「寄り」「寄る」 広角側へは 「引いて」「引き」「引く」 などと言います。 ズームは 「AからBにズーム」 のような言葉を使います。 ※

          005 構図での「レンズ」あれこれ

          004「映像の広角」のさわり

          前回、 「広角 = 雑多」 みたいなまとめ方をしました。 そこで今回は、映像での引き(Long=LS)の画(え)も考えます。 良く、 「1カットの秒数は?」 という質問を受けます。 ここは別項詳説しますが、わかりやすい点として最初は、 画面に映っている部品の数 すなわち、 部品の数が多い(広角)ほど長時間、少ない(望遠)ほど短時間。 と解釈するのも悪くないでしょう。 部品が多ければ、理解する時間がかかる。 (タイトルが長いので読む時間がかかる) さて、 「長い時

          004「映像の広角」のさわり

          003 構図「画面の大きさと構図」

          今回は小休止でテレビの大きさと構図について考えてみます。 四半世紀前のアナログSD時代の4:3 CRT(ブラウン管)のころ、画質が悪いから、きちんと見せるためにドアップを多用するという暗黒時代?がありました。 今はスタジアムの客席にいる知り合いを見つけられますね。 SDからHDで画素数は約6倍、走査線やプログレッシブ化により実質さらに上。 4Kに至ってはもはやこれ以上を誰が望む?というところまできています。 カメラマンにとっては「幸か不幸か」引き画(Long Shot

          003 構図「画面の大きさと構図」

          002 ケツを大切に

          繰り返します。 なかなか伝わりませんが、 「シャッターを切る前にタイトルを決めなさい」 とずっと言い続けています。 さらに 「タイトルが決まらないならシャッターを切るな」 と言って、思いっきり「引かれ」続けています。 写真の世界では「トリミング」という言葉を耳にします。 もちろん、トリミング前提で構図を作ることもあります。 中央アルプス千畳敷から南アルプスを望む写真です。 左は 「夕暮れの駒ケ根の街の後ろにそびえる白峰(しらね)三山と右奥に富士山遠望」 というタイトル

          001「画面いっぱい」に

          構図(ご注意)四角形の構図です、丸やハートなどの変形画面等にはあてはまりません。 20世紀(歴史の話か!)終わり頃、テレビが4:3からワイドテレビの16:9にアスペクト比(縦横比)が変更になりました。 この時、横長対応へのカメラマン研修や教科書っぽいものは世に出ませんでした。 何ゆえ? 構図の大原則 最近はフィルム写真がチョットしたブームとも言えるのかな? そのフィルムは3:2、SNSは正方形?、コンデジは4:3、テレビは16:9・・・ アスペクト比がどうであろうとも

          001「画面いっぱい」に