012 ビデオ酔い その2
水平
4.水平が取れていない
これは、写真の構図でも書いた通り、意図とミスを切り分ける必要があります。
微妙に水平がずれているのは何とも気持ち悪い=ビデオ酔い。
構図
5.構図が悪い
前述の通り、目線/意識線の使い方を間違えると目線や空間が詰まった構図になり、無意識な不安感を与えます。
空気も構図の一つと考えなければなりません。
人間の生活も構図の原則になっています。
特殊な場合を除き、人は地面に立っていて天井までは空間があります。
従って、頭上の空間のほうが空いているべきです。
逆に鳥や飛行機は空中が基本なので下側に空間をもってきます。
生活空間は構図を作る以前の絶対条件です。
SFだったり遊園地のアトラクションのように特殊な環境じゃなければふつうの生活から離れた構図は避けるべきです。
もちろん、あり得ない、気持ち悪い不安感を利用して「排他」「マイナス」「恐怖」などをイメージさせることもできます。
ただ原則は
意味の無い悪い構図=気持ち悪い
やはり特殊な理由が無い限り目線は空けるべきです。
二人が歩く
状況は一番上、二人で歩いてるフォローです。
ここで、
二人をそれぞれアップで撮りたい?
だけど良い構図にしようとするともう一人が微妙に入ってしまう。
じゃあ、反対側を空ければOKじゃないの?
というのが1~3で、良く見ますよね(笑)
右の流れの
1では白シャツが右にいるべき
2では青シャツが左にいるべき
とすれば青と白がどんどん入れ替わってるシチュエーションって何?
そういう脳内混乱を起こすと酔ってしまいます。
目線ではなく位置関係も大切。
そもそも寄っても高が知れてるから左のような2Sと周りの景色がわかるLSにすれば何ら問題ない、というよりはるかに親切で美しい。
これは似たような様々なシーンで起こることです。
視聴者に対し、
「視聴者のため時間を費やし、いろんなカットを撮影してます!」
ボクたちエライでしょ?って言い訳?宣伝?自己満足?
混乱を招くだけの無用なカットは押しつけがましいだけでなく迷惑ですよね。
ストーリー展開
最後にもう一つ。
構図は崩壊してるけど意味のある構図
女性は海に向かって海を見てるようだけど・・・
女性が気にしてる(意識線=空間が多い)のは
左ではビーチパラソル
右では自動車
従って次のカットはそれぞれ
左:ビーチパラソル
右:自動車
に関連するシーンにならないと話がトンチンカンになります。
「女性が海を見てる」にするなら女性の目線方向の空間を空けなければなりません。
映像は流れで見せていくものです。
当たりまえのカットが続かないとビデオ酔いです。
構図とカット繋がりは表裏一体です。
オートフォーカス
6.オートフォーカスも気を付けよう
昨今はハンディカメラの性能が高く、重いカメラが悲しくなります(笑)
中でもオートフォーカスの性能が上がり、カメラワークに集中できるようになるのは大きなメリットです。
しかし、欲しいところにフォーカスがこないことも多く、この辺は臨機応変に対応したいものです。
フォーカス迷いや合うまで遅いフォーカスにも注意です。
やはり、ズーム・フォーカス・アイリスはマニュアルには勝てません。
先日、今月初!でFUJINON HA-18を持ち出したのですが、やっぱ放送用B4レンズはメッチャ気持ちイイ。
クライアントの了解が取れればYouTubeに載せます。
ダメなら一部だけでも載せたいと思っています。
ビデオ酔いからバタバタといろいろ書いてきましたが、ここは書ききってないので後ほどディレクタールールの中で詳説したいと思います。
ディレクターでなくとも、
構図(表現)=意識線=会話軸=ストーリー展開
であることはカメラマンとしても理解しておく必要があります。
面倒な話が続いたので次はIntermissionその2(笑)
最後までお読みくださりありがとうございました。
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