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004「映像の広角」のさわり

前回、
「広角 = 雑多」
みたいなまとめ方をしました。 
そこで今回は、映像での引き(Long=LS)の画(え)も考えます。

良く、
「1カットの秒数は?」
という質問を受けます。
ここは別項詳説しますが、わかりやすい点として最初は、 

画面に映っている部品の数

すなわち、
部品の数が多い(広角)ほど長時間、少ない(望遠)ほど短時間。
と解釈するのも悪くないでしょう。

部品が多ければ、理解する時間がかかる。
(タイトルが長いので読む時間がかかる)

さて、
「長い時間見られる画」となれば、構図だけではなく動き・明るさ・フォーカス・被写界深度・音など美しいことが肝要です。
 
「毎週、冒頭は25秒間の画を3カット」
という40年続くNHK小さな旅があります。
アナログ時代は「Fixで3カット」という暗黙のお約束でしたが、今はグニャグニャ動くようになりました。

動かないイイ画を撮る時間がない?
時代が時代だから動かなくちゃ、なのか?
いずれにせよLS(ロングショット)は難しいのです。

一眼でビデオ

実は、デジタル一眼でビデオを撮る理由が2つ。
一つは歪曲(ディストーション = デフォルメ)を利用する魚眼など特殊なレンズを使えること。
もう一つが超広角レンズです。

現在使っている放送用のレンズは
FUJINON HA-18x7.6BER
で最広角が7.6mm=35㎜換算約30mmです。

デジタル一眼では18mmや対角線魚眼(15mm)を使っています。
400mmと500mmは大した差ではありません。
しかし、18mmと30mmは雲泥の差。
唯一の弱点である広角側を低価格な一眼でカバーできるのはありがたい。
近年は性能が上がったハンディカメラの出番も多い!

ショートズーム(約300万円)買えよ!は却下(笑)

広角のやっかいな問題

レンズを通った光の像は丸。
それを強引に四角い画面にするため角に向け引っ張ります。

Tokina ATX12-24mm   SIGMA 15mm FISHEYE

左は昼間、右は夜に撮影。
オブジェが夜に曲がってしまうのではなくレンズの違いです。
カメラはAPS-C、換算で左は18mm、右は22.5mmです。
右の写真の角を引っ張れば左の写真になりそうですよね。

メーカーの設計思想として直線を目指すか、角度を目指すかの違いです。
魚眼を楽しみたいなら問題はありませんが、直線主体で設計されたレンズだと・・・

人物撮影は少々やっかい

どうも「太った女性は男性に嫌われる」と思っている女性が大多数?
名立たる文豪たちは「肉置が良くなり魅力的に・・・」などと書いていますし、私も同感です。
 
話を戻します。
レンズの特性上、集合写真で端にいると横に広がります。
角に近ければさらに変形します。
正確に見せたいなら中央がベスト!
 
例えば、女優を撮る時、
構図としては、中央(日の丸)からは外したい。
すると「太って見える!」と怒られる。
 
現実的には広角でよほど端でなければそれなりに写ります。
 
なので、人を撮る時の対策としては
1.無用な広角を使わない
2.あまり端に配置しない
ということだけ覚えておけばOKです。

※中望遠より長い玉なら周辺の肥満化は無視できます。
しかし、あまり望遠だと背景なんぞ関係なく「どこで撮っても同じ」になり、それはそれで問題です。
「被写界深度が浅い = カッコイイ=プロっぽい」
というおかしな思想まではびこり難儀します。
背景のボケ具合も空気も構図のうち!
放送用レンズを使う大きな理由がこのボケ味のコントロールなんですが・・・

映像では
広角 = 部品(背景)が多い = 速度が速い
とも言えます。
次回このような数学的なことも少しだけ書きたいと思います。

元日の地震で被災された方、関係の方々に心よりお見舞い申し上げます。
最後までお読みくださりありがとうございます。

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