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遠浅な私と、深海の彼と。

ノビ夫がしょぼくれて帰宅した。

漫画でうつむいて縦線を背負うカットがあったりするが、まさにそれ。
背後に陰を引き連れて、どんよりとしている。
おかえりに対し「ただいま…」と応える声も消え入りそうだ。

* * *

一体何が彼をこんな風にしてしまったのか?
私にとっても一大事である。
というのも、ノビ夫はめったなことでは落ち込まない。
そういう時もあるのかもしれないけど、周りに見せることは少ないはずだ。
こんな不穏なオーラを漂わせているのは、よほどの何かが起こったに違いないのである。
「何かあった?」とおそるおそる聞いてみる。
ぽつりぽつりと口を開くノビ夫。


簡単に書くと、思わぬことから失敗をしてしまったらしい。
その失敗はとても小さいことで、言わないとバレないレベルのもの。
そこで「黙っていようかな」と一度は考えたが、正直に過失を認め、謝罪してきた。と、こういうことらしい。

迷惑をかけた相手が怒っているの?と確認してみると、そうではないという。その失敗があったことで、何か不都合なことが起こるわけでもないらしい。

失敗→発覚→自ら暴露して謝罪→相手は何も気にしていない→状況に不都合もない

一体何が問題なのだろう?私には解決しているようにしか思えない。
なのでそもそもの根っこである、失敗してしまったことに対して落ち込んでいるのかと考えた。
「言わば事故みたいなものだし、再発を防ぐには本当に注意するしかないかねー」と対策を考える私。
でも、ノビ夫はしっくりきていなさそうだ。これもめずらしい現象である。

ノビ夫の特性として、私が何か違う方向のことを言い出した場合は、すぐに「それは違う」と訂正することができる。
しっくりこないけどそれを訂正できないあたり、ノビ夫が普段の能力を発揮できないほどのショックを受けたとわかるのだ。
これは私が何か言うところではなく、とりあえず黙って様子をみる局面だな。
そうしてしばらく時間を置いたあと、ゆっくりゆっくり、まとまった考えを話してくれた。

* * *

起こったことは仕方ないこと。これはわかる。
過失を相手に謝罪したこと。これは正しい。
相手が気にしていないこと。これには感謝。
再発防止の対策を練るのは必要なこと。
じゃあ自分が何にひっかかっているか。

「黙っていればバレないんじゃないか」
そう考えてしまった自分の人としての弱さに直面して、ショックを受けている

と、こういうことだった。

* * *

なるほど、と思うのと同時に素直にレベルが違うなと感じる。
同じ行動をしたとして、私なら
「認めて謝ったし、相手も怒ってない、ひとあんしん。」
「何も困ることもないし、あーよかった!解決!」
と、にこにこしていたに違いない。
浅そうなのに実は深いんじゃ?と思わせて結局浅い…という遠浅人間コンテストがあったら、私は間違いなく入賞であろう。
同じ海でも深海レベルのノビ夫を、思わず尊敬の眼差しで見てしまった。

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もし、みんながそれぞれ自分自身の質を高めようと意識したら、さまざまな不快な出来事は確実に減ると思う。そう考えると、自身に向き合うことの大切さを痛感する。

”自分のことしか考えない”
というのは、悪い意味で使用される場合が多い。しかしそれを”自分を高める”という次元に持っていけばどうだろう。


ひたすら自分に向き合うので「自分のことしか考えない」。
それは言いかえるとしたら、
「どんな場合でも、軸は自分自身だという責任と強さを持つ」という言い方が近い。


その状態になれば、
「自分のために在り、誰かのためではない。たまたま誰かのためになることはあるけど」という考えになるように思う。
ノビ夫がしようとしているのは
「正しい自分軸をつくり、その軸を強くしなやかなものにする」
ということなのだろう。
それは結局、まわりへの優しさになる。

* * *

1人では到底至れなかったこの気づき。
キッカケをもらったことに感謝して、私も自分軸をしっかりさせたい。
まず手始めに、遠浅人間コンテストからの卒業をめざしていこ。
レベルが違うとしても、同じ海なんだもん。
やってできないことは、きっとない。

お読みいただきありがとうございました!
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