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【エッセイ】嘘と真実の違いはナニ?

ネットには「嘘」が溢れている。
自分の正体も現さず、
書き込むことが可能だ。

一見すると、リアルよりもネットのほうが「嘘」が圧倒的に多いと感じる。
しかし、事実はどうなのかわからない。

子どもの頃から「嘘をついてはいけない」と言われる。
しかし「嘘」というのはこういうモノ、
と直接教えられるわけではない。

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私が通っていた小学校は、
ゲーセンへ行くことが禁止だった。

それは当たり前だろう。
ゲーセンには誘惑が多い。
そして「オトナ」がたくさんいる。

現実に、小学生だけでゲーセンに行くのは、
ゲーセン側も禁止という事が多い。

「ゲーセンに行くんじゃないよ」と母は言った。
「うん」と私は返事をした。

その忠告を無視するかのように、
少しだけオトナの人と、
私は「ゲーセンに通っていた」

その空間は、とても刺激的で開放感があった。
そして異様なほど楽しかった。

少ないお小遣いで「プリクラ」を撮り、
クレーンゲームを眺めていたり、
たまに「知らないおじさん」がメダルをくれた。

その空間で一番楽しかったのは、
私より少し上の「高校生」と話をすることだった。
そこでは「オトナ」の話もした。

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ある時、学校で
「ゲーセンに行っている子がいる」
と問題になった。

何人かの友達が先生に呼び出され、
親との三者面談で注意をされていた。

私に限って言えば、
ゲーセンに行っていたことが「バレなかった」

何回もゲーセンに行っていたのに、
なぜバレなかったのかは分からないが、
とにかくバレなかったのだ。

先生に呼び出されることも、
母にその事を言われることも無かった。

もしかすると、
母は薄々感づいていたのかもしれないけれど。

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その後、母がこの世からいなくなり、
先生は小学校卒業以来会っていない。

母と先生は
私が「ゲーセンに行っていない」
と思い続けた。
そこには「嘘」は存在しない。

実際のところ
私は「ゲーセンに行っていた」
そこには「嘘」は存在する。

一つの物事が「嘘」なのか「真実」なのか。
その物事の見方や角度により異なる。

両方とも本当に曖昧だ。

そして「嘘」と「真実」は
決して「反対のモノではない」
とも感じる。

つづく。


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