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2024年7月の本棚

7月に読んだマンガをまとめていきます。

※以下ネタバレあり
※Amazonリンクはアフィリエイトリンクではありません


ガールクラッシュ 8 / タヤマ碧(新潮社)

合同オーディション出場メンバー選出審査当日。圧倒的実力を持つヒョナやジウたち1班は、土台として柱として覚醒したミンチェのパフォーマンスも光り上々の評価。一方、胸の内を明かしたスアと自らの強運を説く天花たち2班は——。

選ばれる人間と選ばれない人間。持つものと待たざるもの。それらを分けるものが運なのだとしたら、スアさん、あなたはやっぱり幸運だよ。

それはそうと早く国内でも紙で刊行してください。後生なので。


【新】悪魔二世 1 / 志波由紀(KADOKAWA)

母を亡くし、叔父の家に引き取られることとなった主人公・菊光彼女の父は正真正銘の悪魔で、彼女はいわば「悪魔二世」。そんな少女の物語。

バイト先の店長に悪魔が憑いていたり、喫茶店で悪魔と一般人が契約を交わそうとしていたり、ねずみ講集団の裏に悪魔がいたり、「悪魔」という存在が日常のすぐ隣にあるという怪しい世界観

悪魔であり、人間である菊光の人生は今後どうなっていくのか、不穏だけどどこか抜け感のある雰囲気がクセになる作品でした。これかなりおすすめ。


【新】ひとひとがみ日々にちにち 1 / 古山フウ(小学館)

山奥の廃村で暮らす人の姿を持つ神々は、行商にやって来る物の怪たちや闇に蠢く怪しい影と関わりながら静かに細やかに生きていた。暗闇に生ける忘れ去られてしまいそうな日々を紡ぐ、優しくて不思議で少し寂しげな日常譚

めちゃ好き作品でした。サンデーうぇぶりはやっぱり相性が良いな~と思う今日この頃です。『蟲師』好きな方とかはビビッと来そう。長く続いてくれることを願っています。


みずぽろ 1~2 / 一色美穂・水口尚樹(小学館)

長野から転校してきた信濃と京都から転校してきた山城、身長デカめな二人の転校生コンビが未経験にも関わらず入ることとなったのは、”水中の格闘技”とも称される過酷なスポーツ・水球部

運動”だけ”は壊滅的にできない山城、山城のおかげでなんとなく地味な信濃、紅一点?の田沢さん、頼れるフレンドリーな先輩・芦原、フランスからの留学生先輩・エビアンなどなど、個性豊かなキャラクターたちによるテンポ良いスポーツコメディー。

浮くことすらできなかった山城が2巻ラストで感動の「浮き」も見せ、ここからまたスポーツものとしても面白くなっていきそうで期待大。1巻の表紙の雰囲気でスルーしてしまって申し訳ない。


【新】女装男子はスカートを脱ぎたい! 1 / しなぎれ(集英社)

男子が苦手な幼馴染・珠子(たまちゃん)のために女装する男子中学生・宇一郎(ういちゃん)。でもたまちゃんはういが実は男だととっくに分かっていて…という拗らせラブコメ。

犯人(犯人ではない)はたまちゃんですが、ういちゃんくんの健気な鈍感体質が現状のねじれ関係を生んでしまっています。もはや男だということも隠せてはいない。

女の子にちんこ生やすのは絶対に許さないけど、ちんこ生えてる男の子がちんこ生えてない女の子の格好をするのは許す。女装系の作品大丈夫な人は是非。


ドラゴン養ってください 2 / 牧瀬初雲・東裏友希(小学館)

大学生・村上の家で暮らすちょっと怠惰なドラゴン・イルセラ。働いたり、修行したり、一緒に映画を撮ったり、人情と竜情(?)が入り混じる日常ファンタジー。

特にこれといった明確な共生関係なく、ただただ日常を共にしている様が妙に落ち着きます。1巻以上にユルさが馴染んできた印象。フリマの回が特に好き。

町の小さな神社に祀られていた竜神様・嵐明らんめいちゃん(くん)も登場して、ドラゴン日常ものとして確固たる地位を確立しようという気概を感じます。


青野くんに触りたいから死にたい 12 / 椎名うみ(講談社)

文化祭での儀式中、青野くんの過去を青野くんの母親の視点で追体験した優里は、目を覚ますと妊婦のように腹部が膨らんだ姿で舞台に立っていた。そして実体を手にした青野くん。断絶した世界の二人が交わり、触れ合う。

強い結びつきは避けるべきという憶測の下、深夜の公演で二人で踊るとか愛おしすぎる。しかし苦しい時間がいつまでも続かないように、幸せな時間もいつまでもは続かない。全ては優里の誕生日・2月26日に終わる。それまでの束の間の幸福。

印象的なシーンも多かったけど優里と優里姉・翠の訣別のシーンは痛くて痛くてどうにかなりそうだった。人は相手に自分の気持ちを押し付けたくて”打つ”。

自分の弱さを自覚したものだけが強くなれる。その弱さも強さも全て自分のもので、他人には分け与えられない。


引きこもり姫と毒舌騎士様 1~4 / 酒井ゆかり(白泉社)

引きこもりでコミュ障のお姫様と、姫に仕える外面は良いけど実は毒舌な騎士様によるドタバタラブコメ。こう言っちゃ何ですが、姫様が最初から”全て”を用意されているキャラクターで、少女漫画的ご都合要素満載でした。だが、これでいい。

そしてもう皆んな揃いも揃って顔が良い。読者層的にイケメンが多いのは勿論のこと、姫様が本当に可愛い。毎回の凝ったドレスデザイン等細かく造形されています。アニメ化希望!


弱虫ペダル 90 / 渡辺航(秋田書店)

祝90巻!インターハイついに開幕!

リザーバー(スタートまでにメンバーの誰かに不測の事態が起こった際、代わりに出る補欠選手)として準備をしていた杉元の前に降ってきた選択肢。それは、選抜選手、つまり総北を離れて他校の選手と合同で走るというものだった。

3年間、努力と準備を怠らなかった彼に許された夢の舞台を走る権利。「チャンスは備えあるものに訪れる」。熱い。しかし総北との接触は厳禁という茨の道でもある。これは後々の展開に大きな影響を及ぼすこととなる…はず(願望)


月出づる街の人々 3 / 酢豚ゆうき(双葉社)

モンスターたちの心温まるオムニバスの第3巻。

ドラキュラの弟の受験を心配する透明人間の姉。メドゥーサの友人の誕生日を祝うために頑張る、人付き合いが苦手なナーガ。身体を鍛えるミノタウロスと、それを見守るフランケン。チョコが苦手な狼男のために、バレンタインデーにクッキーを焼く透明人間。などなど、今回も穏やかで優しい一冊でした。

家族内でも種族がバラバラ(ランダム)なの、どんなDNAやねんって感じだけど、そういう軽さも作品の一味になっていて大好きです。ランダムだからこそ種族間の諍いとかがなく、フラットに触れ合えるのかもしれません。




【新】ワレワレハ 1 / 松枝穂積(講談社)

大学デビューをした主人公・鈴木ひかり。彼女が現状唯一仲良くなった田中コスモの正体は、なんと宇宙人だった…!二人の曖昧な友情は平行線を保ったまま、なんとなく続いていく。

この星では、わかりやすい価値が自分に付いていないと心と体がバラバラになって宇宙に放り出されてしまうような気分になる。でも我々には目に見えない価値だって沢山あって、そういうわかりにくい部分で案外繋がっているのかもしれない。

大学って、特に入りたての頃は「知り合い以上友達未満」みたいな人間関係が各所で構築されていて、独特だよなぁと思う。


【新】ギャルとツチノコ 1 / トミムタコタ(講談社)

『ギャルと恐竜』のトミムラコタ先生の新作。またしてもギャル。

ツチノコが大好きな男子・猫田くんはある日、本当にツチノコに遭遇。追いかけて行った先の教室で出会ったただのギャル・真崎純は、彼のツチノコ愛に気圧されて、自分がツチノコの変身した姿だとノリで嘘をつく…という勘違いラブコメ。

今回はギャルの造形がシンプルに良い。ストーリーに関してはまぁ可も不可もなくって感じでした。


【新】君がまた描きだす線 1 / 加藤羽入(祥伝社)

元声優(の卵)の漫画編集者、恋愛を描きたくない少女漫画家、ファンレターで繋がる作家と読者、男女の”らしさ”に違和感を持ち続けてきた自称宇宙人、SNSでバズってしまった新米漫画家。「漫画」という生き延び方を選んだ人たちの物語

「漫画」に関するオムニバスっぽい形式?短編集的?作品。個人的に人生って「生き延びる」とか「闘い抜く」とかそんな仰々しいものではないと思っているのでちょっと冷めた目で読んでしまったけど、描きたいテーマは伝わってきました。

Build a chair / 加藤羽入(祥伝社)

前作の短編集。恋愛を描きたくない漫画の話とかは連載の方にも使われている感じですね。自分の椅子は自分で作ろう、かぁ… なんかやっぱりちょっとモヤる。


【新】まつり見聞録 / 緒川みのる(小学館)

全国の「祭り」を訪ねて回る考古学者のテオラ。彼女の目的とは。そして彼女が追う祭りの真相とは。祭りを巡る民俗SFドラマ

一冊完結。少し小難しい部分もあったけど、実に良いSFでした。祭りとか儀式とか、古来からずっと続いてきて、未来へとずっと続いていく存在そのものにどうしようもなく惹かれます。

絵も綺麗で今後も楽しみな作家さんにまた一人出会えました。高坂希太郎監督で短編アニメ化してほしい。


【新】喫茶ニュー魔王城 / 山本四角(KADOKAWA)

獣人系絵上手絵師として(勝手に)一目置いている山本四角先生の作品。

5年前の勇者と魔王の死闘の末、両成敗となった二人は実は生きていて今は冒険者が集う喫茶店を営んでいる、という異世界グルメファンタジー。

ちょっとストーリーの持っていき方が雑に感じたけど、緻密に描き込まれた圧倒的「筋肉」。こういう作者の性癖が全面に描かれている作品は好感が持てます。続くのかもしれない。

ビーストリングス / 山本四角(KADOKAWA)

過去作。英雄が社会に溶け込む構図は同じですね。こちらもこちらで獣人筋肉マシマシって感じでした。


【新】Void:No.9 -9番目のウツロ- 1~2 / シマ・シンヤ(KADOKAWA)

世界が滅んで300年、廃棄坑道に集められた9人のバイトたちのミッションは、遺物や鉱物といった金目の物の回収。集められた者たちの関係は?この仕事の意味は?

『ロスト・ラッド・ロンドン』『GLICTH -グリッチ-』に続くシマ・シンヤ先生の新作は「ポストアポカリプス限界バイトミステリー」。鬱屈さとスタイリッシュさの共存する雰囲気は今回も健在です。嬉しい2巻同時刊行。2巻の引きが気になるところです。


【新】異種交流会 / ハルタ編集部(KADOKAWA)

主にハルタ系列の連載作家陣による「人外」との交流をテーマにしたアンソロジー。樫木先生や九井先生目当てで買ったけどどれも面白かったなー。『気になってる人が男じゃなかった』の新井すみこ先生などもいて驚き。

九井先生はもう創作の技術が卓越されすぎていてこれで連載持てるレベル。内容的には丸山薫先生の【琥珀の鳥の夢】が一番好き。


【新】ラブ・バレット 1 / ineeアイニー(KADOKAWA)

恋心が芽生える前に亡くなった少女は、キューピッドとして下界の人々の恋を成就させ徳を積むと第二の人生を手にできる。そんな彼女たちの手には「弓」ではなく「銃」が!?超新星・inee先生による恋愛成就ガンアクション開幕!

画が超絶上手くてびっくりした。「恋のキューピッド」×「ガンバトル」という設定も新鮮で凄い。描かれる恋愛描写は切ないガールズラブな感じで、こちらも刺さる人に大いに刺さりそうです。


【完】嘘の子供 4 川村拓(スクウェア・エニックス)

もう一押し盛り上がりが欲しいところではあったけど、ハッピーエンドで完結。テーマ設定的に導入部分がピークだったので致し方なし。

「ゆず」の代わりではなく「すいか」として、これから家族で幸せに過ごしてほしいです。


氷の城壁 12 / 阿賀沢紅茶(集英社)

栗木さんと別れてから袋小路の自己嫌悪に陥るミナト、そんなミナトへ歩み寄るこゆん、すれ違い続けてきた二人は修学旅行で遂に結ばれ付き合うことに

やっとやっと、やっとです。やっぱり自分の気持ちに正直にならないと伝わるものも伝わらないからね、なんて読者目線だと何でも言えるわけですが。ともあれ良かった。美姫もヨータへの想いを自覚して、二人に続けるか。

98話~104話/131話まで収録なので、まだあと4巻分くらい出そうです。


ラーメン赤猫 8 / アンギャマン(集英社)

今月からアニメもスタートしたラーメン赤猫。今回もほっこりと満腹にさせてもらいました。年末年始に赤猫に残った文蔵、サブ、ジュエルがごろごろする回好き。

毎週アプリで読んでるはずなのに良い意味であまり記憶に残らないと言うか、何度でも新鮮な気持ちで味わえるのも良いところです。

多分ほぼ全編3DCGで若干チープだけど原作の良さはよく表現できてるし、30分が秒で過ぎる不思議。


ウィッチウォッチ 17 / 篠原健太(集英社)

対立していた黒魔女たちへの救済の話もありつつ、ミハルの進学、ケイ×ネムの進展と今後へと続いていくような展開も描かれる17巻。カンシだけいつも散々な目に遭っていて面白可哀そう。

意外とニコがちいちゃくなったままなかなか元に戻る気配がないけど、あとどれくらいこのままなんだろう。


逃げ上手の若君 16 / 松井優征(集英社)

「認めよう時行!我が最強の技を学んで死ねい!!」

今月からアニメもスタートした逃げ上手の若君。上洛を目指す時行・顕家らは青野原、現代の関ヶ原にて足利方土岐軍と激突。

序盤から登場しているにも関わらずずっと因縁の相手であり続けている小笠原貞宗の手本のような好敵手としての姿が本当に良い。

そして、北畠顕家の高潔さの裏側にある苦悩。揺るがない信念を持ちつつ、東夷たちを纏め上げるために柔軟に向き合う。今回描かれた顕家の掘り下げと時行との関係性は、巻末から始まる土岐頼遠との対決に繋がっていくんだろう。

時行様えっちすぎるだろ…


あかね噺 12 / 末永裕樹・馬上鷹将(集英社)

朝がおの二ツ目披露目の開口一番(前座)を任せられるあかね。先輩の晴れ舞台に花を添えつつ、自身の二ツ目昇進推薦獲得にも関わる大事な高座、その客席には父の姿もあり…。

いやー、あかねの落語家人生が順風満帆すぎる。それはもちろん良いことではあるけど、そろそろ何か大きな苦難にぶち当たってほしいところですね。歪んだ顔が見たいんだ(下衆感想)


魔々勇々 3 / 林快彦(集英社)

残念ながら打ち切りになってしまいました… モニカが可愛かったけど、マママの活躍とかは最後までないのかな?そもそもキッチリ描かれるのかどうか。来月出る4巻で惜しくも完結です。


ダンダダン 15 / 龍幸伸(集英社)

サンジェルマン伯爵接触とアイドルになりたかった委員長編。意図せず守護霊みたいな存在を獲得した委員長は今後もちょこちょこ絡んできたりするのかな?

相変わらず意味わからんくらいの描き込みだけど、顔の描き分けだけは致命的なので感動的なシーンで「え?」ってなってしまった。


ブルーアーカイブ 便利屋68業務日誌 3 / 野際かえで・ブルーアーカイブ(ブシロードクリエイティブ)

今回はカヨコにスポットが当たる回多し。8割くらいはイラスト集として楽しんでいます。


妄想先生 5 / ゆずチリ(新潮社)

真面目に不真面目な妄想癖持ち女教師・桃子先生を中心に描くエロコメ。保健体育の飛田先生好きです。


ブレス 5 / 園山ゆきの(講談社)

MMさんがメイクアップアーティストを志す過去が良かった。誰か一人、大切な一人のために夢を抱いてもいい。「メイクアップアーティストは脇役でいてこそ輝く職業」。登場人物たちそれぞれが主人公で脇役である今作の魅力を再確認した気がします。


矢野くんの普通の日々 8 / 田村結衣(講談社)

バレンタインで急接近しそうでしない羽柴と泉ちゃんは置いておいて、別のクラスから矢野くんに匹敵する怪我体質の新キャラ・寺井さんが登場。矢野くんと共感し合い、さらには吉田さんに告白するという急展開!?

3年生へと進級し、進路についても悩み始めるお年頃です。そして実写映画化決定&アニメ化企画進行中とのこと。実写映画はだいぶ痛そうだな〜…(二重の意味で)


あくまでクジャクの話です。 2 / 小出もと貴(講談社)

巻き込まれ系教師と首突っ込む系女子生徒の生物学ラブコメディー2巻。

相変わらず身も蓋もない生物学知識で男女を切っていく阿加埜の言動が痛快で面白い。この面白ぇ女の発するセリフはいちいち声に出して読みたくなる。

肝心の久慈先生との関係は進展しそうでしてないところがもどかしいけど、それがこのマンガのキモでもあるので。というか次巻では進展しそうなので。


しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~ 7 / 左藤真通・富士屋カツヒト・清水陽平(白泉社)

今回は「野球選手への誹謗中傷」。実績もありあまりファンの声を意識しないスラッガーと、ネット上の反応を気にしてしまう若手有望株の選手の二人、に対する誹謗中傷が看過できなくなった球団側が開示請求を要求するという流れ。

あくまで抑止力としての効果を期待する球団に対して若手選手は今後の自分の選手人生のことも考えて、一人の投稿者と面会することを望むが…

プロスポーツはファンありきの興行とは言え、度が過ぎた応援はお互いの身を滅ぼします。これはただの自分のポリシーですが、スポーツ観戦に身を入れすぎると日常生活に悪影響を及ぼすので程々の距離感で応援するのが吉です。

ドラマもやってるんですね〜(未視聴)


恋せよまやかし天使ども 3 / 卯月ココ(講談社)

完璧美少女・桂おとぎ完璧美男子・一刻。”裏の顔”を持つ完璧男女のラブストーリー。おとぎの直球告白で一気に動き出す二人の関係。やはり恋愛に駆け引きなど不要。次はいっこくの番だぜー!


ゆびさきと恋々 11 / 森下suu(講談社)

逸臣さんが海外へ興味を持つに至った経緯が描かれる11巻。正直「まぁそうだよな〜」という割と典型的な話だったので、わざわざ描かんでも…とは思ってしまった。私は逸臣さんのことが嫌いなのかもしれない(や、嫉妬ではない)


おとなりリトルウィッチ 2 / イトカツ(双葉社)

イギリスからやってきた見習い魔法使いのペネロペは日本の大学生・さくらの元で今日も密かに修行中。

どうやらペネロペは大魔導士の素質を持つ存在のよう。そんな彼女と出会い、関係を持ったさくらにも重大な何かがあるのかも、という展開。

とりあえず日常はのんびり続きます。ペネロペの姉も登場!メスガキっぽい。


星旅少年 1~4 / 坂月さかな(パイ インターナショナル)

ほとんどの住民が眠りについてしまった「まどろみの星」を旅し、残された文化を記録していくという星旅人・登録No.303が記す、静かな夜の記憶。

やっっっっと読みました。気づけば4巻も出てしまっていた。自分が超夜型なので絶対好きだと確信していたけど如何せん1冊が高かったので放ったらかしにしてしまってました…

3巻はSF色も強めで想像以上に重厚な物語だった。でも基本的には一人の夜に寄り添ってくれる、寂しさも楽しさも全部纏めて抱きしめてくれるような素敵な作品でした。

坂月さかな作品集 プラネタリウム・ゴースト・トラベル / 坂月さかな(パイ インターナショナル)

『星旅少年』ともリンクする短編集。こちらも良い読み味でした。


J⇔M ジェイエム 3 / 大武政夫(KADOKAWA)

ハードボイルド殺し屋と女子小学生の入れ替わりカオスコメディー。恵(J)の設定がどんどんモンスター化していき、J(恵)の存在が巷で噂の不審者と化していく。そこに無自覚なラブコメ展開と母親の歪んだ愛も混ざり合い、もうどうしようもない。


虎は龍をまだ喰べない。 肆 / 一七八ハチ( KADOKAWA)

碧童に迫る母親・深翠。直接的な描写ではないけど、交尾しやがった…やりやがったあいつらやりやがった…! 巻末おまけの現代パロで茶化されていたけど、ママ活どころの話じゃないエグい生態すぎる。雌の方が強い動物って多いと思うけど、こんな特殊なことするのは龍くらいなのでは…?

後半は草食動物たちの楽園的な場所を訪れる新展開。肉食動物と草食動物の対立展開も避けては通れない要素なのかもしれない。


いつか死ぬなら絵を売ってから 4 / ぱらり(秋田書店)

絵を”描く”人がいて、絵を”売る”人がいて、絵を”買う”人がいる。このラインが必ずしも一直線にならないのがアート業界。展示会を通してそのことを痛感した一希は、凪森千宏のアトリエに半ば引き抜きのような形で誘われる。

一希の預かり知らぬところで物語が動くので、主人公感が薄いけど、正直誰か一人が主人公って話でもないのが本作。透vs千宏みたいなところはある。


霧尾ファンクラブ 5 / 地球のお魚ぽんちゃん(実業之日本社)

若干シリアス展開が続いているようでずっとアホやってるような変な漫画。霧尾くんのメンタルが割と本気で心配である。…いやどういう感情?


生徒会にも穴はある! 7 / むちまろ(講談社)

裏カジノ部とかいう怪しげな部の調査に訪れた生徒会一行。会長(と梅)の脱衣麻雀回最高。会長が頑張ると盛り上がるので好き。有栖(会計)も好きだけど、大体たん(広報)とセットなのがネックなんだ…


少年のアビス 17 / 峰山りょう(集英社)

混沌と深淵が入り混じる最悪の闇漫画もいよいよ佳境。最初からずっと佳境みたいなところはあるけど、どう締め括られるのか楽しみです。母親もしぶといし、柴ちゃん先生も諦めが悪いし、ナギの闇もずっと深い。次巻完結。


ドッグスレッド 3 / 野田サトル(集英社)

今巻も修行編という感じ。熊出没からの炎上、校歌斉唱で大爆笑した。

ベースにあるのは泥臭い根性論だけど、時折見せるロウの繊細な美意識がアクセントとして光っているなぁと思う。このバランス感覚は流石の一言。各キャラの眉毛にも要注目です。


【推しの子】15 / 赤坂アカ・横槍メンゴ(集英社)

カミキのキャラクターブレブレじゃない?こんなもん?もうかなり興味が薄れているけど読んでいます。世間的にはこれがバカウケなのかぁ、という気持ち…『推し』というワード自体に安っぽさを感じてしまってよくない。


カモのネギには毒がある 加茂教授の人間経済学講義 8 / 甲斐谷忍・夏原武(集英社)

罰金制度の導入と徹底された規律整備の元、一見クリーンになったように見えた大学野球部の上下関係。そこでは暴力はなくなっても残酷な支配体制が依然蔓延していた… 「カモリズム」を提唱する天才経済学者・加茂教授が説く「他人に人生を握らせない」方法とは!?

今回も面白かった。もうずっと面白い。日本の大学制度は基本的に入りさえすればあとはどうにでもなる。今回取り上げているのは体育会系の学生たちですが、「知る→理解する→疑う→乗り越える」の学びサイクルはどんな人にも当てはまるスタンスでした。大学なんか前のめりすぎるくらい姿勢でないと勿体無いよねえ。肝に銘じよう。


バードランドの皿 2 / 勝田文(集英社)

謎のロン毛・アキオとケータリング事業を始めたサラ。二人の仕事はなかなか順調だったが、疎遠だったサラの母親からの依頼が入り…

1巻からファンタジー要素はあったものの、2巻ではよりオカルティックな方向に、しかも結構思いっ切りブッ飛んだので驚いた。これからどう転んでいくのか全然分からない。


スーパーの裏でヤニ吸うふたり 5

うーん、やっぱり山田さんが自身を田山さんと偽って佐々木さんと接しているシーンの殆どが幼稚で不誠実に思えてしまってよろしくない。佐々木さんも佐々木さんで無頓着で鈍感すぎる。

不器用な二人の初々しい関係と言えばそうだけど、二人とも良い大人だしなぁ… 1巻2巻くらいならまだしも5巻でこの調子だと厳しいかも… 一応新キャラの水産チーフ・川上さん(山田ガチ勢)が登場したりします。


スーパースターを唄って。 3 / 薄場圭(小学館)

大切な存在を喰ってでも、奪い取ってでも、溢れる声を抑え切れない。「リリー」が「リリー」になった日の物語。

なかなか言葉で魅力を伝えるのが難しい作品。読んで感じてほしい。


化け猫あんずちゃん / いましろたかし(講談社)

2006〜2007年にボンボンで連載されていた作品。今月、なぜか時を経てアニメ映画が公開されたので、その予習として原作を読みました。

なぜか寿命を過ぎても死なないどころか、二足歩行で喋るようになった化け猫のあんずちゃんが南伊豆の寺に棲み着いて働きもせずにフラフラして「にゃっはっは」と笑う、というだけの漫画。本当にそれだけ。妖怪とかの類が出てきたりもするけど、本当に出てくるだけ。特に何も起こらない。それが堪らなく良かった。

コミックDAYSでは続編も短期連載中。人生何があるかわからんもんだなぁ。

映画には原作に一切出てこない女の子が出てきます。でもこれがなかなか良かった。「ロトスコープ」という実写をアニメにトレースする手法で制作されていて、キャラが動くだけで得も言われぬ感動がありました。


急がなくてもよいことを / ひうち棚(KADOKAWA)

2022年に出ていた随筆漫画。当時、なんかいいな~と思いながらもなんとなく放置してしまっていた一冊を2年越しに購入。

2009年から2021年まで、毎日少しずつ丁寧に描いてきた随筆マンガ作品を一冊に。恥ずかしくもある「昔」の記憶、いろいろある「今」の情景、そしてまだ見ぬ「未来」への願いの詰まった作品集は、たっぷり250ページの分厚い単行本になりました。それでも、人の人生を、毎日を描ききるには充分な枚数ではないのかもしれません。ですがきっと、忘れていた大事な時間や大切な人たちのことを、思い出すことはできます。美しい線で光が描かれ、コマとコマの間に流れ始める時間は、私たちの人生の記憶と穏やかに重なります。家のどこかにある、忘れていたアルバムの写真を眺めるように、ゆっくり少しずつ、楽しんで読んでいただきたい一冊ができました。

紹介文より引用

時間の経つスピードはみるみる速くなるように感じます。時よ止まれとは思わないけど、出来るだけゆっくり、じっくり進んでほしい。


長く短い夏 / 井上まい(オパールCOMICS)

『大丈夫倶楽部』の井上まい先生の短編作。祖父母を亡くした中学校教員・行野いくの。彼はその日以来、部屋の物を処分するのだが、空っぽになった部屋に新しい物が一つ、また一つと知らぬ間に増えていく。訝しむ行野の前に突如現れた謎の女性・夏目。とある夏、秘密基地で紡がれる淡いホラーロマンス。

だいぶ強引な導入のように思えたけど、二人の過去や秘密が明かされて読み終わる頃にはどっぷりと作品に浸っていました。人には人の不可侵領域。


漫画誌キーホルダー / スケラッコ 奥田亜紀子 カシワイ 黒木雅巳 花原史樹(POTATO PRESS)

執筆陣が良くて通販で購入。マンガはお守りみたいな存在です。




雑記(井上まい先生トークショー)

以上、7月に読んだマンガまとめでした。

『ガールクラッシュ』は本当に良かった。まだまだ盛り上がってほしいです。ところで、巻数も溜まってきたところですしアニメ化決定からの紙版刊行決定で手を打ちませんか?新潮社様。

『悪魔二世』『ひとひとがみ日々』は今の季節にピッタリなしょっと寒気のするような作品でした。どちらも新刊チェックには入ってなかった伏兵たち。

そして『みずぽろ』。これも実に良かった。水球はしんどそうですが、普通にプール入りたい。

さて、今月末は大阪で開催された『大丈夫倶楽部』3巻刊行記念 井上まい先生のトークショー&サイン会に行ってきました。漫画家のイベントってそうそう行かないので貴重な体験。

こういうイベントってその作品や作家さんを好きな人しかその空間にいないので、空気がとても柔らかくて居心地が良い。溶けそうになる。

改めて不思議な吸引力のあるマンガだな〜と思った一日でした。現在、無料公開もやっているそうなので、読んで熱い夏を”大丈夫”に過ごしましょう。


イベント後にXで繋がっている方と初めてサシ飲みをしたのですが、これも楽しかった。共通項があると初対面でも結構普通に話せるんだと実感した次第です。

毎日、あっちぃですが体調にだけは気をつけながらマンガを読みましょう。

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