2023年8月の本棚
8月に読んだマンガをまとめていきます。
【新】8月31日のロングサマー 1 / 伊藤一角(講談社)
高校2年生の鈴木くんと高木さんは「8月31日」を繰り返している。その原因を自分が夏休みにやり残した「彼女を作って童貞を捨てる」という目標かもしれないと考えた鈴木くんは、高木さんに”とある提案”をするが──。繰り返す「8月31日」の日々の中で二人だけの時間が流れるエンドレスエイトラブコメ。
夏休みループの設定自体は、もはや夏の定番と化していて真新しさは薄いけど、この設定が二人の関係を描く舞台装置として上手く機能していて面白い。80年代っぽいくっきりとした線や同じ構図で始まる各話の扉、「また次の8月31日につづく」という締め、どれも好きな感じです。
【新】The JOJO Lands 1 / 荒木飛呂彦(集英社)
ジョジョ9部は、ハワイ・オワフ島に暮らす15歳の少年ジョディオ・ジョースターが大富豪になるまでの物語。当然まだまだ全貌は謎だらけだけど、1巻からあの大人気漫画家も登場し、奇妙な冒険はいきなり盛り上がりを見せる…!!
今度の主人公はだいぶアウトローな奴が出てきたなと思ったけど、ジョルノや徐倫もこんな感じだったしいつもの感じか。これからの展開が楽しみです。
【新・完】ナッちゃんはテンションで水深が変わる / 中原ふみ(KADOKAWA)
女子高生のナッちゃんは、気持ちがアガると熱帯魚が、落ち込むと深海魚が周囲に現れる。ただそれが見えるのはナッちゃん自身と、仲良しのハルちゃんとアキちゃんだけ。そんな不思議で普通なナッちゃんが恋をした…!という一冊完結漫画。
一冊で終わるのはもったいないくらい素敵な作品でした。魚が現れることに対しては深くツッコまれないスタンスです。自分の周りに魚が泳いでいたらいいな〜確かに。次回作にも期待大!
舞ちゃんのお姉さん飼育ごはん。 1~4 / 秋津貴央(竹書房)
忙しい父と田舎で暮らす小学生の舞はある日、道端で生き倒れていた女性と出会う。実はお隣に引っ越してきたと言う一人暮らしの小説家女子高生だった彼女は、生活能力もコミュニケーション能力も乏しいダメ人間で──。世話焼き小学生とダメダメ女子高生の一風変わったグルメ漫画。
いわゆる「おねロリ」型のグルメ漫画。とにかく舞ちゃんがもうすこぶる可愛い。公式的には「バブみ」や「母性」の要素も含まれると謳っていますが、正直それらに関してはそこまで感じなかったです。
ひらやすみ 6 / 真造圭伍(小学館)
過労で倒れたヒロトも無事退院。改めてささやかな幸せを噛み締めながら、仕事を辞めたヒデキと一緒にゾンビ映画を撮ることを決意したり、こちらも日々の激務が祟り頸椎捻挫になってしまったよもぎさんとも急接近したりしなかったり。一方のなつみはというと、漫画制作のスランプからイライラが募り、ヒロトと衝突してしまう。
変わり続けなくたっていい。人生の全てに意味がなくたっていい。そうやって積み重ねた日々が、ふとした瞬間に自分を照らしてくれる。今回もたくさんの元気を貰いました。好きだ〜
真造圭伍先生のトークショーにも行ってきました。行けてよかった本当に。
スキップとローファー 9 / 高松美咲(講談社)
7月まで放送されていたアニメも無事大成功に終わり、勢いそのまま発売された第9巻。今回は美津未が仲良しグループのみんなを地元に招待する夏休みがメイン。
「意外とそんなふうに(みんなで集まって)遊べること もうあんまりないかもじゃん」これは本当にそう。
8巻が美津未視点だったのに対して、今回は志摩くん視点の描写が多く、「人として・友達として・恋人として」のどの「好き」が重要視されるべきなのか、を迎井と意見交換するシーンは興味深かった。もちろん最後の自分の気持ちの正体に気づくシーンが”全て”ですが。
志摩くんとの一件を経て、どこか気持ちが吹っ切れたような、本来の軽やかさを取り戻したような美津未と、モヤモヤを拭い切れず、拗れてもがいて転がる志摩くん。今後どう変化していくのかもう楽しみすぎる。
真春やふみ、山田、氏家くんのエピソードもあって大変ボリューミーな一冊でした。大満足!
アニメのBlu-ray上下巻も買い揃えました。2期待ってます!
3月のライオン 17 / 羽海野チカ(白泉社)
約2年ぶりの新刊。島田研の弟分同士でありライバルでもある二階堂と零。奇策・ジャックラッセル戦法(?)を駆使する零に対してあくまで正攻法を貫く二階堂の対局の行方は…!?
一方のあかりさんは、寒空の三月町を幸せで包み込む炊き出しに奮闘。「こんな勝手に道端で飲食物を振る舞って大丈夫なのか?」という野暮な感想は置いておいて、あかりさんを中心に広がる笑顔の輪が大正義すぎた。単刀直入に言って結婚してください。
そして最後の島田さんの回。故郷を離れ、将棋以外の全てを手放しながら盤に向かう自分と、”軽さ”を持った将棋を指すようになった零。果たしてどちらが強いのか。
熱く激しく、暖かく柔らかく、静かに冷たく、1冊で3冊分くらいのエネルギーが籠っていてなかなかにハイカロリーな17巻でした。もう最高。
ぼっち・ざ・ろっく! 6 / はまじあき(芳文社)
インディーズとしてデビューが決まった結束バンドメンバーは順風満帆…というわけもなく、落第寸前のぼっち、ストーカーされる山田、クリスマスの自主企画ライブの出演者が集まらず苦労する虹夏ちゃん、進路について母親と揉めて家出する喜多ちゃん、と前途多難な第6巻。
もう完全にビッグタイトルとして軌道に乗っているので、貫禄すら感じる安定感。主要キャラの母親が人気になる流れは正直苦手なので、喜多母の良キャラっぷりがちょっと心配。山田曇らせ展開もっと期待。アニメの続報常に待機。
ぼっち・ざ・ろっく!アンソロジーコミック 2 / はまじあき他(芳文社)
めばち先生が寄稿されててビックリした。あと大豆田先生(はまじあき先生の実妹)やっぱり漫画うま〜(ジャンプラに掲載された読み切りも面白かったです)
微熱空間 5 / 蒼樹うめ(白泉社)
こちらも丁度2年ぶりの新刊。ある意味”一線を越えてしまった”亜麻音と直耶はもう止まらない…とまではいかなくとも、確実に関係は熱を帯びながら変化していく。そんな二人の間に割って入ることなど到底できず、自分の気持ちの行き場を失ってしまった郁乃が取った行動は──。
もうどうなるのが正解なのか全然わからんぜ。
【完】違国日記 11 / ヤマシタトモコ(祥伝社)
完結巻。詩的で哲学的で抒情的な作品でした。なんかもうずっと涙ぐみながら読んでいた気がする。最後の詩も良かった。
槙生ちゃんと朝の関係はもちろん、槇生ちゃんと笠町くんの関係がすごく好きだったな〜。まぁもう多くは語るまい(語れない)
映画も楽しみです。
【新】サバキスタン 1 / ビタリーテルレツキー・カティア・鈴木佑也
ロシアの歴史を土台に全3巻で描かれる「アンチ独裁グラフィック・ノベル」の第1巻(既に完結済み)。ロシア発のコミックを手に取るのは初めてだったので単純に新鮮だったし、現在の国際情勢からも読む価値は大いにあると感じました。でもそういうことを抜きにしてもサバーカ(犬)たちがポップで可愛い。
(「サバーカ」とはロシア語で「犬」、「スタン」は中央アジア地帯で「国」を表す言葉なので、直訳すると「犬の国」となるそうです。)
連載や出版についての詳しい経緯は担当編集・井上雄樹さんのnoteをチェック!
【新】神田ごくら町職人ばなし 1 / 坂上暁仁(リイド社)
桶職人、刀鍛冶、紺屋、畳刺し、左官──圧倒的筆致で描かれる、江戸・神田の職人たちの匠の技と心意気の物語。
どの職人の話も読み応えがあったけど、刀鍛冶と紺屋の話が特にお気に入りです。「粋」すぎる。
【新】小さい僕の春 1 / 渥美駿(小学館)
現実主義者な低身長男子バレーボール部員・鈴木草太は、女子バレーボール部の同級生・東雲朝日が気になる。かたや高身長のエースで人気者の彼女、かたや低身長リベロでそこそこ頑張っている程度の自分。諦められない恋が始まる。
ラブコメのトレンドがだんだん「高木さん型」から「僕ヤバ型」に移り変わっていっているのかな〜とか思ったりしました。
【新】テンマクキネマ 1 / 附田祐斗・佐伯俊(集英社)
『食戟のソーマ』コンビの新作は、映画鑑賞を愛する優等生が”自称”脚本家の幽霊に取り憑かれ一緒に映画を撮る、という物語。
「映画制作」が題材だとどうしても地味目な描写も増えて、瞬間火力を求められるジャンプだと苦しい部分もあるのかな?と邪推したりもするけど、1巻は十分楽しめました。どんどん盛り上がってほしい。
【新】偽りのマリィゴールド 1 / サスケ(KADOKAWA)
亡くなった兄・薫の文通相手に会いに行った主人公の華。貧しい生活を兄妹で送っていた中、兄を誑かしていたのだとしたら…と一抹の殺意を持って向かったが、文通相手のりりは、盲目の令嬢だった。自分のことを薫と信じて疑わないりりを前にして、華は長い髪を断ち、薫として振る舞うことを決意する。
りりとの交流を通じて自分の存在がぐちゃぐちゃになっていく華。兄はどんな人だったのか、自分は一体誰なのか。続けば続くほどに自我が崩壊していくような展開でもうツラい。身バレするまではしんどそう。
【新】ヤニねこ 1 / にゃんにゃんファクトリー(講談社)
ヤニカスのクズ獣人・ヤニねこのどうしようもない日常を描いたきらら系の対極にあるようなゴミ漫画。
美人な猫獣人の見た目なのでなんとか見ていられるレベルだけど、中身はもう完全に”終わっている”。でも読んでいるとなかなかどうして面白く感じてしまう不思議。※だいぶ人は選ぶ作品なので注意は必要かもです。
【新】地雷忍者るるの失恋 1 / 西瓜士(講談社)
ホスト狂いの地雷系女子が忍者になってホストやその他悪党を成敗していく話。ちょっとストーリーが雑な感じではあった。出オチ感が強いというか。
【完】潮が舞い子が舞い 10 / 阿部共実(秋田書店)
海辺の街を舞台に描かれる高校生たちの群像劇、完結。最後の「収録話の中から印象に残ったセリフを抜粋していくやつ」をやりたいと思います。
●第100話:五十嵐「例えば推しが結婚してショックを受けちゃうのは 自分との結婚の可能性がなくなったからじゃない こんな孤独な世界で見つけた同志や仲間のような存在がいなくなってしまうことが辛いんだよ それはまるで共犯者がカタギに戻り自分だけが牢獄に取り残されたような孤独と同じように」●第101話:柚下「嫌だなー 柿境ちゃんや枇杷谷ちゃんのこと忘れたくないよ」柿境「えっ もうすでに私の存在思い出の領域に入ってるの!?」●第102話:大垣内「『汚いが嫌い』イコール『キレイが好き』という理論は!必ずしも成立しない別属性なんだよおおおおおおお」●第103話:水木「実はいろんな地味なものに世の中は支えられてるみたいな?」●第104話:狐塚「あなたの美味しそうな正義の心 私が食べてあげる」虎美「悪の女幹部だーいや悪の女幹部かーこれ」●第105話:斧生「もはや酒池肉林じゃん もはや酒池肉林って書いちゃってるし」●第106話:前島「あっ ちび右佐ちっちゃい鎖鎌持ってる」●第107話:火川「夜に私服女子を前にすると言葉ってこんなにも出ないもんなんだな」●第108話:円「俺が好きなのは人という生き物であって 集団という生き物は嫌いなんだよ」●第109話:犀賀「わかってるよ」●最終話:百々瀬「しかし空が青いな」バーグマン「聞こえてくるのは波の音だけですね」
多分続けようと思えばいくらでも続けられたけど、だからこそ完結させたんだろう。海が見える町で彼ら彼女らはこれからも学生生活を謳歌し、卒業して大人になっていく。読者としてそのほんの一瞬を切り取って見ていただけにすぎないけれど、これからも時々思い出すんだと思う。
そのうち聖地巡礼もしたいな〜
【完】ハガネとわかば 2 / 渡辺こよ・キザキ(双葉社)
機械の身体を持つ夫と人間の妻のイチャラブ体格差コメディ。わかばの体型が個人的に超ツボだったので2巻で完結しまってとても悲しい。
元は同人誌(R18)発の作品なので、そっち方面でおまけ的なものが出てくれることを願うばかりです。
【完】往生際の意味を知れ! 8 / 米代恭(小学館)
母親への復讐劇は慌ただしくもあっけなくも終わり、「出産」という日和自身が最初に提示した儀式によって物語は幕を閉じ…なかった!!
最後の最後まで日和という女性に、市松くんだけでなく読者も振り回されて、振り回されたまま気がついたら終わっていた。最高のヒロインで最悪なラブコメを描いたらこうなった、みたいな話でした。感動したッ!
【完】地元のもみぢ2 / 葉野宗介(小学館)
商店街のガキンチョ二人の、クスッと笑えてちょっとホッコリする放課後ドタバタギャグコメディ。個人的にはとても好きだっただけに2巻で完結は寂しいけど最後まで面白かったです。
1話完結スタイルの中でしっかりと伏線が張られてそれがきちんと回収されてちゃんとオチるので各話の満足度が高くて楽しい。小ネタもクスッと来るものばかりだった。次回作も期待しております。
【完】くノ一ツバキの胸の内 9 / 山本崇一朗(小学館)
「男に会ってはいけない」という掟を根本から覆すような展開で無事完結。そもそも掟まわりの設定はものすごくふわっとしていたので、覆すことは容易かっただろうし。
最後のくノ一がなんか全員大集合するシーンは正直ちょっと熱かった。NARUTOみたいで。
【完】みなそこにて 3 / 冬虫カイコ(双葉社)
ここまでずっと生ぬるい空気感だったけど、最後は寂しくて冷たい感じだったな。エピローグは暖かかったけど。
あと終盤はなんか市川春子先生みを感じた。連載お疲れ様でした。
【完】空っぽの少女と虹のかけら 3 / 紀ノ目(マッグガーデン)
こちらも完結巻。最終的にぽよこがちゃんと光属性になってイケメンになってくれて良かった。
【新・完】志乃と恋 / 千種みのり(KADOKAWA)
X(Twitter)で人気のイラストレーター・千種みのりさんのオリキャラ二人の百合漫画。内気だけど感情豊かな志乃(タチ ※重要)とボーイッシュなサバサバ女子の恋(ネコ ※重要)の日常を堪能する作品。
当たり前と言えば当たり前ですがストーリーなんてものは存在しません。イチャコラするだけです。イラストレーターと漫画家は似ているようで別の職業なんだな、と改めて思った。
氷の城壁 3 / 阿賀沢紅茶(集英社)
さらりと読めるけど内容は結構重くなってくる3巻。現状勝手に振り回されているミナトと、家庭環境が似ていて波長が合うこゆんと陽太、二人の関係を応援する美姫。四角関係がこれからどんどん拗れていくのが楽しみです。
作中屈指の良キャラの月子も、もうここで登場してたんだったな〜 そういえば。
チェンソーマン 15 / 藤本タツキ(集英社)
「心が下に落ちるほど体は上に落ちる」落下の悪魔の精神攻撃に苦しむアサの前に現れるチェンソーマン。心の傷を抉られ塞ぎ込んでしまうアサを救う、チェンソーマンの下品で幼稚なヒーロー像。
当事者たちに関係なく「チェンソーマンを取り巻く環境」が変わっていく感じも面白い。最後のおまけ4コマも笑いました。
ぷにるはかわいいスライム 4 通常版・特装版 / まえだくん(小学館)
クリスマス回とスキー旅行回メインのかわいいぷにるのかわいい4巻。
この世界の神様が登場したり、ぷにるの欠片が注入されたことでルンルに自我が宿ったり。どれだけ風呂敷を広げてもギャグ漫画のノリで片付けられるので思う存分広げまくってほしいです。
株式会社マジルミエ 8 / 岩田雪花・青木裕(集英社)
京都での事件を経て、魔力規制緩和派の動きを注視するマジルミエ。新人魔法少女として入社するも、自分が思いもよらなかった方向に会社や社会全体が動いて行っていることに戸惑うカナ。それでも自分のできることを懸命にやり抜こうとする。
物語は確実によくない方向に進んでいっているけどマジルミエメンバーの結束力みたいなものは感じられて熱いです。
ウィッチウォッチ 12 / 篠原健太(集英社)
うろミラ関連の回(オフ会や二度目の本編出張掲載)や科学者&ロボット・フランちゃん登場回も良かったけど、やっぱり後半のニコとモリヒトの恋愛事情の進展が良かったです。素直に自分の気持ちに正直になるのが一番の魔法なんだよな()
生徒会にも穴はある! 4 / むちまろ(講談社)
公式略称まで最低な、お下品生徒会漫画。前巻ではちょっと個人的評価が下がったしまっていたけど、今巻はちゃんと面白かった。何が違うんだろうと考えた時に「他人を傷つけているかどうか」という点かな、と思った。
ネタだとしても投げやりに他者を下げるのシーンを見る・読むのってやっぱり全然面白くないので。生徒会メンバーで下品にワイワイやってくれていればいいのです。ちなみに一番好きなキャラは会計の照井さん。
R15+じゃダメですか? 4 / 谷口轟・裏谷なぎ(講談社)
映研の活動実績は結局作られないまま、キャンプ合宿で夏・秋・冬の三角関係だけが加速していく。夏休みも明け、部存続最後のチャンス(?)の文化祭で更なる展開へ──。
映画紹介要素は薄まった(毎回幕間ページで解説はある)けど、その分ラブコメの波動をビンビンに感じる展開。夏凪さんも秋音ちゃんも”ちゃんと”冬峰くんのことを好きになっていて良いですね。
アイドルマスターシンデレラガールズU149 16 / 廾之・バンダイナムコエンターテインメント(小学館)
アニメは終わっても怒涛の毎月新刊発売ラッシュが続く。今回はこずえちゃんメイン回と晴・ありすを中心としたサイン考案回。
今まで一人の時間が長かったこずえちゃんは、何かを”なくした”わけでもなく、新たな何かを”手にした”わけでもなく自然体で光る天才肌の子だと再認識。サイン回は普通に興味深い内容だった。
アオのハコ 11 / 三浦糀(集英社)
千夏と夢佳の話も一区切り。クリスマスも終わりお正月も終わり新しい一年が始まる。千夏先輩ももう結構ダダ漏れちゃってるのでニマニマです。ギュッてギュッて!!
一ノ瀬家の大罪 3 / タイザン5(集英社)
まるで夢の中の世界を体験しているようだ〜と思っていたら本当に夢だったという。ここまでが全部夢だったとなると、これからが本番となるのかな?意図的にだろうけど、物語がどんどん多重構造になっていって難解さは増している。
やっぱり完結しないうちは評価できないようなところもあるので、本誌よりある程度数字に対して寛容なジャンプラの方が連載形態は合ってそうな気もしますね。無事最後まで描き切ってほしい。
あかね噺 7 / 末永裕樹・馬上鷹将(集英社)
阿良川一門の前座最強決定戦的な錬成会で師匠たちへアピールすることを目指すあかね。
ここに来て父や父と関係の強い兄弟子とも関わりが描かれたり、一度敗北したライバルが強くなって帰ってきたり、HUNTER×HUNTERの「念」みたいなノリで「仁」が出てきたり、ジャンプ方式をしっかりと踏襲しながら物語は依然盛り上がりをみせております。(おとんが生きているということ度々忘れる)
海が走るエンドロール 5 / たらちねジョン(秋田書店)
無理が祟り体調を崩してしまったうみ子さん。この作品の特徴の「海」や「波」に比喩されるキャラクターの心理描写が、自分にとって正直あまり合っていないかも、と今回改めて感じた。1、2巻あたりは良かったけど若干くどくなってきたと言うか。
1巻で「映画を撮りたい」と気づいて、映画制作という海に出てみたはいいものの、寄せては返す波のように他人との関わりや自分の感情が絶えず動いていく。海の変化が目視はできなくても確かにあるのと同じように、うみ子さん自身の変化もすごく微小ながらも確かに起こっている。その過程をじっくりゆっくり楽しめるかどうかで作品全体の評価も変わってきそうだな、と。
スタジオカバナ 5 / 馬あぐり(KADOKAWA)
文化祭をきっかけにクラスにも馴染みだす優助のことを微笑ましく思う反面、他の女の子と関わる姿にモヤってしまうゆかり。自分の恋心に正直に、優助に告白を決意する。一方の優介もふたしたことでゆかりへの自分の感情を知る。もうゴールも近そうだけどラスボスの春雪さんが恐いです。
クジャクのダンス、誰が見た? 3 / 浅見理都(講談社)
何かが動いているけどその何かの正体が分からないまま読み進めている感じ。これはあれかもしれない。完結してから一気に読んだ方が面白いやつかもしれない。
ラーメン屋のおっちゃん良い人そうだったのに利用されて捨てられてしまって悲しい。
戦車椅子 -TANK CHAIR- 4 / やしろ学(講談社)
3巻で一応当初のストーリーはひと段落したこともあり、プロローグ的な物語(3年前)からスタートして3巻の終わりに繋がっていくような構成。凪は昔からめっちゃ強いので基本無双します。
弱虫ペダル 85 / 渡辺航(秋田書店)
インターハイ千葉県予選といつもの1000km合宿。段竹が6人目のメンバーになるはず(予想)だけど、ちょっと雲行き怪しいか。杉元はどうせ選ばれないのでまぁ段竹だとは思うが果たして。
サクラ、サク。 8 / 咲坂伊緒(集英社)
読者として陽希に同情せざるを得ない展開が続く。咲はもう少し自分勝手になった方が良いし、井竜は早く身を引いた方が良い。
ダンダダン 11 / 龍幸伸(集英社)
確かに読んでいるはずなのに全く内容が頭に入ってこなくてびっくりしちゃった。
おひとりさまホテル 2 / まろ・マキヒロチ(新潮社)
「おひとりさまで満喫できるホテル」がテーマとは言え、泊まるのはもちろん人間なので、その人間模様も掘り下げられていく。主人公は言わずもがなだけど同僚の女もだいぶキツい。そもそも20代のサラリーマンが週5で高級ホテルに泊まる生活って流石にフィクションすぎませんか。設計事務所とかならあるあるなのかな…
【既】クラゲの骨は青 1 / 追本(講談社)
高校2年生の七海遥花は、ある夏の日に隣の高校に通う工藤暁に告白される。話したこともなかった彼に「友達から」と押し切られる形で交流していくことになるが、二人の住む町のとある踏切では連日、不審死事件が起きていて──。
『光が死んだ夏』と『青野くんに触りたいから死にたい』を合わせたような雰囲気のホラー作品だった。不気味な「ナニカ」が侵食してくる恐怖よりネグレクトのリアルな恐怖の方が怖い。
【既】死後出版 1 / 田中現兎(少年画報社)
著者の死後にのみ作品を出版する奇特な出版社・死後出版。そこへやってくるのはプロアマ問わず様々な想いを持った人間たち。
『嘘つきユリコの栄光』の田中現兎先生の新作がもう出てたのを見落としていたので読みました。
【完】ネコと海の彼方 / 星期一回收日・陳巧蓉(KADOKAWA)
内気で一人ぼっちなシャオロンは、活発で人気者のカーウェイとふとしたキッカケで仲良くなり一緒に過ごすように。日本の漫画の影響で漫画を描くようになったカーウェイに誘われ世界が広がっていくシャオロンだったが、楽しい時間はいつまでも続かなかった──。忘れられない「あの頃」を想う、切ない友情の物語。
また素敵な台湾漫画と出会えた。キャラクターも可愛くて一冊完結で読みやすくておすすめです。
雑記
以上、8月に読んだマンガでした。
今月は後半に『スキップとローファー』『ぼっち・ざ・ろっく!』『3月のライオン』『ひらやすみ』『微熱空間』とボスラッシュが如く殿堂入り級作品が立て続けに出たので、サムネの10冊が「SSRがめっちゃ出たソシャゲの10連」みたいになってしまった。
この10冊の選定は毎月悩まされます。もはや挙げるまでもない殿堂入り作品をどうするか、新刊や完結作も載せたい、そもそも10冊もない/10冊じゃ収まりきらないetc. 去年までは3冊だったので枠は増えたけど、増えたら増えたでやっぱり悩むのです。
あと、書くことねェ〜って時に
「引用」で公式のあらすじを載せる元も子もないやつに手を出してしまった。まぁ一番安定で分かりやすいしいっか。
また、今月は別趣味で大きな出費(当社比)があったこともあり、お財布事情がいつもに増して厳しくなりました。また少し購入作品を整理した方がいいかもしれない。
そんな感じで、残暑厳しい9月も頑張っていきましょ~
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