訪問リハでの肺炎予防〜肺炎での入院を0に〜
本日も臨床BATONにお越しいただきありがとうございます。
117日目を担当します訪問看護ステーションで働く理学療法士のワーリーです。
前回は「見逃すな!訪問リハでの危険な腹痛」についてまとめました。
前回の記事は以下になります。
https://note.com/nougeblog/n/n4550b7b52e81
今回の記事では『訪問リハでの肺炎予防〜肺炎での入院を0に〜』についてまとめていきます。
はじめに
秋から冬の季節の変わり目になるとある疾患が増えると感じることはありませんか?
そう、それが肺炎です!
日本では死因別にみた死亡率では肺炎が第5位と2016年に比べて減少しています。これは医療・医学の水準が高まったことで減少したと考えられています。
しかし、肺炎になる対象者が減ったわけではありません。
(参考文献)厚生労働省.平成30年(2018)人口動態統計月報年計(概数)表
私が現在勤める訪問でもこの時期になると肺炎になり、入院してしまう方は少なくありません。
そこでなぜ肺炎になってしまうのか、どのようにして予防ができるのかを私自身が行なっている関わりを紹介しながらまとめていきます。
肺炎とは
肺胞および肺間質に生じる炎症.
原因には微生物(細菌やウィルスなど),化学物質や物理的,免疫学的要因とさまざま.
(引用文献)伊藤正男.医学大辞典 医学書院.2009.P2192
今回は季節の変わり目に影響する菌やウィルス、免疫による影響に着目し話を進めますね。
この時期になぜ肺炎となる方は増えるのか?
これには免疫力が関係してきます。
私たちが生活する空間には空気中だけでなく、手や衣服、口の中にまで多くの細菌やウィルスが浮遊・沈着しています。そのため食物や水分のみではなく、さまざまな細菌やウィルスが私たちの体には侵入してしまいます。
しかし、身体には免疫が備わっており、生体の防御機構として働きます。
冬の寒さや乾燥によって体内の水分が不足することは免疫力の低下に繋がります。夏に比べて冬には喉が渇きにくく、気づかないうちに水分不足に陥ってしまいます。また周辺環境が乾燥すると喉や鼻の粘膜も乾燥しやすくなるため、菌に対する防御反応が弱まってしまいます。
このような因子は冬の時期、特に高齢者であればどのような方にも当てはまるため、飲水を意識づけることや必要に応じて加湿器の提案が重要となってきます。また、暖房をつけることで換気をする機会が少ないことも注意が必要です。良ければ提案してみてください!
免疫力が高まる要素として適度な運動、食事(栄養)、睡眠などが一般的に挙げられるかと思います。高齢者になると免疫力は若年者に比べて低下しやすく、上記のような生活習慣を把握することから初めることも免疫力の把握、ひいては肺炎予防に繋がるかもしれません。
さらに悩むのが肺炎を繰り替えしてしまう方です。
肺炎を繰り返してしまう方はどのような対象者に多いのでしょうか?
訪問リハで多い肺炎になる対象者
入院される対象者に目を向けると要介護度が高く、活動性が低下し寝たきりを呈した対象者で多いのではないでしょうか?
皆さん臨床の中でこのような経験はありませんか?
上記のように寝ている対象者をギャッジアップにて離床しようとしました。
すると...
「ゴホッ」とむせこんでしまいました。
このような現象の繰り返しはもしかすると誤嚥性肺炎となる1つの原因かもしれません。
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