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おばあちゃんに「ガキみたいになったな」って言われた話

僕には高校生になってからお世話になっている美容室がある。

そこは元々父親の行きつけの美容室だ。

それまではどこにでもある1000円カットの美容室に通っていたが、高校生になってからは父親の紹介でその美容室に行くことになった。

だが、僕はオシャレというものに興味が持てず、自分の服すらも買いに行った事がないのでいつも「とりあえず眉よりも上くらいで」と言って髪を切ってもらっていた。

まぁ…それも最初だけの話で、最近は予約だけして何も言わずに切ってもらっている。

髪が伸びて気になり始めたのでいつも通り美容室に行ったある日、いつも髪を切ってくれている高田 純次似のおじちゃんに

「大学生になる前にもう一回髪切りにきぃや〜」

「今のうちに切っとかな、大学生になると高くなるからなー」

と言われたので

「あっ、はい、また切りに来ます、ありがとうございました」

とだけ言ってその日は帰った。

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1ヶ月後、元々短めに切ってもらっているので別に髪を切る必要性は感じなかったが、約束もしているのでその日もいつも通り美容室に行った。

美容室に入るといつもより客が多かったが気にせずに時間を潰していると自分の番が来た。

いつものように少しだけ他愛のない話をして、いつものように椅子に座った。

その日は少しだけ眠たかったので、眠らない程度に目を閉じていた。

最初はいつも通り髪を水で濡らしてハサミで切っていく。

ある程度髪をハサミで切ると、次にバリカンで髪を刈っていく。

その日のバリカンはいつもより少しだけ長い気がした…。


一段落して、自分の頭がどうなっているのか気になったので目を開けると"少し髪の長い坊主頭"になっていた。

正直、心の中では『えっ?ちょっと刈りすぎじゃない?』と思ったが相手はプロだ。"もしかしたらここから何かプロの技があるのかもしれない"と希望的観測を抱きつつ何も言わずにそのまま流れに身を任せた。



だが、現実は非常である。

いつも通り眉を整えて

いつも通り髪を洗い

いつも通り細かな微調整をして

いつも通り2500円を払い、その日の散髪は終わった。



家に帰り、仕事が休みで家にいた父親に頭を見せてみると

「短くなったな」

と一言だけつぶやかれた。

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次の日、僕はおばあちゃん家にいた。

別に、おばあちゃん家に来たからといって何か楽しいことや面白いことがある訳ではないが、大学が新潟県にあるので今住んでいる大阪から引っ越さなければならない。

そうなると頻繁に大阪に帰ってくる事は出来なくなる、だからそうなる前におばあちゃん家には"お菓子を食べに来た"という理由で定期的に通っている。

いつものようにお菓子を食べてダラダラしながら、まだ少し気になる頭を触っているとおばあちゃんに


「ガキみたいになったな」


って言われた。















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