装具を外した歩行を目指すために
お疲れ様です。脳リハです。
本日は脳卒中後後遺症者向けの投稿です。
内容は…
「装具を外した歩行を目指す為に知っておきたいこと」について解説します。
歩行と装具
脳卒中後の後遺症により、麻痺側下肢の動かしにくさを感じる方は多く、歩行の獲得を目標に、退院後もトレーニングに取り組んでいると思います。
その中でも、入院中に装具は杖を購入し、退院後も同じ装具や杖を使っている方が多い思います。
同じ装具で繰り返し歩いても、なかなか歩行機能は改善せず、いくら経っても装具を卒業が出来ません。
装具を卒業する為に、まずは装具のメリットとデメリットを知った上でトレーニングを行う必要があります。では装具のメリットとデメリットとは何でしょうか?
解説していきます。
装具を使うメリット
装具にも様々な種類があり、それぞれに特性がありますが、大まかなメリットをあげていきます。
☑︎ バランスがとりやすい
☑︎ 足先が引っかかり難くなる
☑︎ 装具で補助している以外の関節が活動できる(麻痺側の使用頻度と活動up)
☑︎ 二次的合併症の予防(捻挫、足先の変形、足首の関節拘縮)
など…
歩行時のサポートをしてくれます。
一方でデメリットも存在します。
装具のデメリット
☑︎ 固定している関節の機能低下、筋力低下、筋短縮や萎縮の出現
☑︎ 足部内在筋の筋活動の抑制
☑︎ 効率的な歩行の制限
など…
装具を使い続ける事で、上記のような機能面の向上が見込めなくなる可能性もあります。
このデメリットを回避する為には…
☑︎ 足首の可動域を作る
☑︎ 足裏を柔らかくする
☑︎ 装具の無い状態で荷重をかける
この3つをトレーニングに加えることで、機能低下はある程度、軽減させることができます。
足首の可動域を作る
足首が硬い方は非常に多いです。
それを補う為には「立ち上がり」を見直しましょう。
立ち上がる時に、必ず足首への荷重が加わります。
この荷重を利用すれば足首の可動域は拡大します。
【起立or着座のポイント】
☑︎ 麻痺側下肢を半歩から一歩下げた状態で行う
☑︎ お尻から足裏に体重を移動させることを意識して立つ
☑︎ 爪先から踵に体重を移動させることを意識して座る
だけです。
また、下の記事にも記載されていますが…
麻痺側を一歩下げるだけで、この非対称が軽減し、麻痺側の活動を促せることが説明されています。
関節の可動域を拡大させるだけでなく、階段昇降よりも麻痺側を含めた筋活動が得られる為、起立訓練は効果的な訓練です。
足裏の柔軟性
足の裏は様々な感覚を受け取り、その情報をもとに機能的かつ効率的な歩行をもたらします。
しかし、装具を使うことで、足裏の皮膚や筋肉は固まり、情報を受け取り辛くなります。
そこで、足裏から情報を受け取りやすくする為に、足裏の皮膚や筋肉を緩める必要があります。
方法は「ゴルフボールコロコロ」です。
文字通り、足裏でゴルフボールを転がす動作です。
最初は転がすのも難しいので、座った姿勢で踏むところから行いましょう。
これも難しいようなら、足ツボなどを踏むだけでも効果的です。
麻痺側への荷重
最後は、麻痺側の経験値を上げることです。
脳卒中後は「動き難くなった関節や筋肉は使わず、動ける部分でどうにか動かす」と脳の中では自動でプログラムをします。
その為、装具を使用すると、その機能を使わないように脳がプログラムを作ってしまう為、無意識にその機能を使わない歩行が身につきます。
それを阻止する為にも、装具を外して荷重をかける事は重要です。
【荷重のポイント】
☑︎ 転倒予防の為に、掴まれる場所で行う
☑︎ 身体が左右前後に曲がっていないか確認
☑︎ 右足、左足と交互に荷重をかけて左右の違いを言葉に出しながら確認する
☑︎ 慣れてきたら「爪先と踵/親趾と小趾」と分けて荷重をかける
まとめ
この3つをトレーニングに組み込むだけで、装具によるデメリットを軽減する事ができます。
そこから装具外していくには、また別のトレーニングが必要になりますが、また次にお話しできればと思います!
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