痛みを読み解く：肩後方の痛みを考える「摩擦ストレス：腱板構成筋の筋力低下」
お疲れ様です。はらリハです。
本日は…
『肩後方の痛みの原因の1つである摩擦ストレス：腱板構成筋の筋力低下』について説明します。
痛みを誘発する動き
前回の記事では…
肩関節後方の疼痛は力学的ストレスから考えると「伸張ストレスと摩擦ストレス」に大分し、伸張ストレスの影響について解説しました。
前回の話をまとめると…
☑︎ 運動方向による摩擦ストレス
→肩関節屈曲伸展／内転外転／内旋外旋の動作時に出現
☑︎ 疼痛原因の仮説
広背筋の走行に伴う起こりやすい問題
・筋の走行が急激に変化する走行では機械的ストレスが生じやすく、広背筋は背面から上腕骨小結節稜に付着する筋であり、力学的にストレスが生じやすい構造のため、肩甲骨下角に引っかかりの頻度が多くなると摩擦ストレスが起きやすくなる。
・また、広背筋の伸張性低下は肩関節屈曲、外転、外旋運動の制限から、努力性の運動が出現し、無理な代償運動を繰り返すことで筋スパズムが引き起こします。
評価：触診／広背筋の伸張テスト
上記の摩擦ストレスは、なぜ起きるのか、腱板構成筋の筋力低下を視点に考えていきましょう。
腱板構成筋の筋力低下
腱板構成筋の筋力低下では、広背筋を含めたアウターマッスルの活動が高まることで広背筋のスパズムを招き、広背筋への伸張ストレスと、摩擦ストレスを増強する恐れがあります。
肩の運動に関与する筋は…
☑︎ 肩甲上腕関節の安定化に作用する筋
☑︎ 肩甲上腕関節の運動に作用する筋
☑︎ 肩甲胸郭関節の運動に作用する筋
に分けられています。
構築学的に安定性が低い肩甲上腕関節が運動するためには、安定化に作用する筋が収縮し、上腕骨頭を求心位に保持する役割が求められます。
これは「回旋筋腱板」が中心に補います。
回旋板筋腱の機能不全を起こすと、不安定性を固定化させるために、広背筋への伸張ストレスや摩擦ストレスが出現します。
◉ 回旋筋腱板
・棘上筋
・棘下筋
・小円筋
・肩甲下筋
治療ポイント
【治療ポイント】
腱板筋の筋力低下が生じる患者は、腱板筋の筋力訓練が必要です。
その際、強い負荷をかけるトレーニングでは、三角筋や大胸筋など張力の大きい筋で代償することが多いです。
そのため、負荷の強弱に注意し、稼働範囲を大きく動かすことが重要です。
おわりに
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