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膝関節が伸ばせない原因と対策(Extension lag)
お疲れ様です。脳リハです。
本日は「伸びない膝関節」について追究をしていきます。
Extension Lagとは??
【Extension Lag(自動膝伸展不可)】
「膝関節の他動伸展可動域は保たれているが、自動運動での膝伸展可動域が他動運動時の可動域まで至らない現象」を指す。
つまり、
『他動では伸びるけど、自動では伸びない』
です。
臨床では「伸びない膝を伸ばせるようにアプローチする」を目的にしてしまい、
『根本的に何を解決したかったのか?』
が抜ける場合があります。
なぜ、膝関節を伸ばす動きが必要なのか、考えてみましょう。
Extension Lagが生じることで起きる問題点
結論は『膝関節の支持が作れない』です。
よく見られるのが麻痺側下肢の膝折れですね。
大腿四頭筋のブレーキが効かない為、急激に膝関節が曲がってしまう現象です。
この現象に対して、「機能的膝伸展機構」という代償機能があります。
これは足部が固定される荷重下で大臀筋、下腿三頭筋、ハムストリングスが働くことにより膝関節を後方へ引き伸展させます。
こう言った現象が起きると、立脚相だけでなく、遊脚相への繋がりにも影響をきたし、歩きにくくなっていきます。
想定できる問題がわかれば、次は「なぜその現象が起きるのか?」を知りましょう。
Extension Lagの原因
以下、原因です。
☑︎ 腫脹
☑︎ 痛み(神経抑制)
☑︎ 膝蓋下脂肪体の癒着
☑︎ 膝蓋上嚢の癒着
☑︎ 内側・外側膝蓋支体の癒着
☑︎ 膝蓋大腿靭帯の癒着
☑︎ 膝関節伸展制限
☑︎ 大腿四頭筋の筋力低下
有名なのが「内側広筋の筋力低下」ですが、
研究によると…
『内側広筋に麻酔をかけてもextension lagは出現しない』という論文もありますので、一概に「内側広筋を鍛えれば膝の支持機構が獲得できる」と決めつけるのは良くないかも知れません。
上記の原因を想定しながら、評価を進める必要があります。
仮説(麻痺で考えられる問題)
① 大腿四頭筋の筋力低下
長さ-張力の関係を考えた時、膝関節最大伸展位の中で大腿四頭筋が短縮位の中で十分に出力を発揮できない。
② 拮抗筋であるハムストリングの収縮、又は短縮
大腿四頭筋の活動に対して、ハムストリングをはじめとする大腿後面筋の筋群の緊張が高い。
③ 縫工筋/大腿筋膜張筋の過活動
膝関節屈筋群(縫工筋/大腿筋膜張筋)の代償によるが活動。
④ 膝蓋骨の可能性低下
内外側軟部組織の硬度バランスの影響。
通常、膝蓋骨が内側or外側に引っ張られることなく上方へ移動するが、内側広筋の短縮や外側構成体の詰まり(マルトラッキング)が生じることで完全伸展が困難。
など。
治療ポイント
1膝蓋骨の動きをしっかりモビライゼーションさせる
2大腿四頭筋の筋力強化を「短縮位」で行う(短縮位から縮まない人が多い)
3適切に収縮しているかどうか触診しながら行う
4OKCで確実に伸展可動域を確保する
この順序が大事です。
CKCで膝が伸びない理由はOKCで伸展していないからです。
動く可動範囲を作りながら、短縮位でしっかりと強化しましょう。
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