なぜ手が動かないのに肩や肘の訓練をするのか??
お疲れ様です。セラピストの脳リハです。
本日は、「手を動かしたい」要望に対し、
なぜ肩や肘の訓練をするのか??
その疑問に対してお話ししたいと思います。
そもそも肩と肘の役割とは??
手を動かす為には、座位や立位といった姿勢保持の他に、以前紹介した「4つの機能」が必要とされています。
ここで言う肩関節と肘関節は、ものに対しての方向付けと距離感の調節を担っています。
よくよく考えれば、指先がいくら動いても、
対象物まで手が届かなければ、どうしよもないですよね。
上肢のリーチは手の把持と組み合わさることで機能します。
【各側面からみたリーチと把持の区分】
① 筋組織
リーチ : 中枢部
把持 : 抹消部
② 機能
リーチ : ターゲットへのでの移送
把持 : ターゲットへの手のジェーピング
③ 空間的特性
リーチ : 外部(位置/方向)
把持 : 内部(サイズ/形状)
④ 空間座標
リーチ : 自己中心
把持 : 非自己中心/自己中心
⑤ 視覚運動チャンネル
リーチ : 背内側頭頂-前頭皮質(背側-背側経路)
把持 : 背外側頂葉-前頭皮質(腹側-背側経路)
主にリーチの場面で肩と肘は使われて、指先は把持に使われています。
そこを視野に置くだけでも、肩や肘から訓練する意味がわかってくると思います。
研究では、手先から動かす練習をすると肩や肘の働きが出ると報告もある為、肩や肘もやりつつ、手先の運動も合わせて訓練することが大切だと思います。
まとめ
上肢のリーチは、手の把持と組み合わさることで機能します。
訓練の中で常に
『中枢(肩甲骨や肩関節)と末梢(手関節と手指)』の関係性を合わせて実施し、環境に適応させていくことが大切です。
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