第1章:現在の判断は正しいのか ③

ただ、このような行為を公機関が容認したことで当該企業の人手不足を誘発したとしてもこれは“自業自得”ではないかと一般的には思われるのだが、企業にとっては“私たちは問題のある行為や判断をしたことはない”という問題意識・認識の欠如、企業における社員の組織内立場の歪曲等が起こることで自らの判断や選択を正当化することにつながり、企業防衛や組織防衛に加えて、自己保身をすることで責任転嫁や他責の正当化が横行するおそれが出てくる。

 私はこのような行為を到底容認することは出来ないが、現状としては対応が後手になりやすい状況が慢性化しており、この事が個人の働き方や個人所得等に悪影響を及ぼすだけでなく、このような行為が個人のキャリアを傷つける事になるのだが、社会全体においてこのような認識があまりないように感じる。

 そのうえ、現在は企業から提出される離職届等の記載内容をきちんと精査していないことから、表向きは“一身上の都合”や“自己都合”などの文面だが、実際には“不当解雇”や“差別解雇”といった企業が違法行為によって社員を解雇しているケースも多く、対象者の中には有給休暇を消化できず、急に“解雇”を言い渡される、日割り計算で給与が支払われるなど法律上問題のある状態で社会に放り出されるというケースも多く、このような雇用トラブルや支払いトラブルなどが発生しても対応してもらえないことや法律上の“立証責任”が問われる領域も多い事から、仮に未払い額が高額であっても、これらの未払い額を証明できる書類や記録などを提出し、これらの支払いが行われていない事実を立証出来ない場合には支払われないという事も多い。

 このような状況にならないように労働基準監督署が過去に不当解雇や差別解雇が確認されている企業から離職届が提出された場合には事実を調査し、記載事項に虚偽がないかを調べた上で処理する事が求められる。

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