個人を守るために必要な支援と対策 第3章:多様性の進まない社会 ⑤

 次に“就労規則および社内規定の不変化”について考えてみたい。

 これは企業が各社別に定めている社内ルール等が書かれている書類だが、この部分があまり変わらないもしくは変わったとしても時代と逆行するなど新しい時代における就労の意義が反映されない現状や定期的な見直しが進まないことでハラスメントなどが発生しても、法定残業時間を過ぎたとしても異議を唱えることで社員を処分出来てしまうなど第三者の目が入らない事で自社の裁量権が強くなり過ぎる可能性が指摘される。

 例えば、就労規則の解雇規定や懲戒規定など本人の引き起こした事故や事件などに対して企業が被る社会的ダメージや企業ブランドの毀損など懲罰の重さを判断する項目を“会社にとって不採算な社員の追放”など目的外でかつ身勝手な理由で適用させるなど企業と個人の信頼関係・信用関係に亀裂が生じかねない行為を正当化してしまう、労働契約法上で定められている労働契約を一方的に変更もしくは自社利益への転換を試みるなど社員の不利益よりも企業の利益を優先するなど現在の日本の雇用環境において個人よりも企業が力を持ち、自らの存続のためなら個人に対して不当な権利濫用をしてでも潰しにかかるというスタンスが日本には定着している。

 その結果、企業において多様性を受け入れているが、きちんと社内で理解が進まず、孤立してしまうことや上司などの理解が得られずいくら自らの意見を話しても理不尽な対応をされるなど労働環境においても“多様性”が邪険にされてしまう現状は増加傾向にあると感じるし、このような人材を企業側が育てる事を拒否する懸念もある。

 これらの行為が個性の黙殺を引き起こし、組織への再就職が困難になることやこれらの行為が人材を減少させる要因になる事を理解している人は少ないだろう。

 私は社内規則の労働基準監督署への定期提出と不当解雇等の発生状況や不採用理由等の開示など企業側が採用活動を実施する際に“人材選択権”の乱用や“就職差別”・“人材差別”等の不法行為をしていないかをチェックする体制を構築する必要があると思う。

 なぜなら、現在はこれらの規則・規定の決定権は企業側に帰属されており、実際の裁量権も企業側とほとんどの権利を企業側が持っているため、企業側がこれらの規則が社員に開示されている内容と役職者等に開示されている内容が異なっている、労働契約を一方的に変更したとしても新たな契約書を社員である労働者側と交わさないなど企業内で行われている事を労働基準監督署等の監視機関が把握していないため、労働契約における紛争等のトラブルが発生した場合に企業側が言い逃れをする事が出来てしまう、労働者側である社員も変更されたことを知らないため、変更されたこと、違法行為をされたことを証明することが出来ないなど企業がこれらの規定をコントロールして会社全体や社員等に損害や行政処分等が被らないように守るようになる。

現在、小説とコラムを書いています。 コラムに関してもこれから完成している物を順次公開していく予定です。 自分の夢はこれまで書いてきた小説を実写化することです。まだまだ未熟ですが、頑張って書いていきますので、応援よろしくお願いいたします。