第1章:現在の判断は正しいのか ⑧-1

このケースは昨今の取引関係の改善などが進んでいることで問題が明るみに出るということは考えにくいという認識を大多数は持っているのだが、実際にはこのような問題が潜在的かつ無意識のうちに発生しているということが多い。


 そのため、企業の序列や相関関係によっては逆らえない関係になっていることで下請けなどの下位企業が十分に利益を確保出来ないおそれや取引停止や契約終了などを恐れて踏み込んだ交渉を決断しにくい環境下にあるというおそれもある。


 そのうえ、これらの影響が組織内にも波及することで問題の余波が大きくなってしまうという可能性もあるのだ。


 現在は企業の多くが職種別に賃上げ要素を含んだ選択肢を用意していることから、一見すると待遇改善や労働環境改善につながっているように感じる場面も多い。


 しかし、実際には勤続年数によって昇給率が異なっているケースや上司よりも部下の昇給率が高いことで組織内における逆転現象が起きているということもあるため、全体的な待遇改善が進んでいるかといわれると判断が難しいというのが現状だろう。


 企業も“若手の確保が急務である”と感じている企業も多く、若い世代の人材を確保しようとするのだが、企業が求める人材を確保出来ないことで本来は起こらない問題が発生しているということも考えられるのだ。


 特に人材流動性の高い業種や職種に関しては1度問題が解決したとしても、解決後に再び連鎖的に問題が発生するおそれがあることから、他の業種や職種に比べると多角的な選択肢や多角的な育成方針を検討するなど本人と企業の意向が大きく乖離しないように本人に合った選択を出来る環境を整備することが望ましいのだが、現状から考えた場合にこのような選択肢を用意出来る余裕がない状態に企業側が追い込まれているおそれもあるため、実際の状況を改善するためには“即戦力”や“業界経験者”など通常の人材に比べて育成の簡略化および短期化を図れる人材を確保したいという心理になることが多いのだろう。


 そのうえ、これらの人材を確保することで企業としても育成期間を短縮出来るため、早い段階で業務量改善や営業利益の増益などを見込めるようになり、この変化が待遇改善につながることが多いのだが、この流れを作ることは容易ではないため、企業としても早い段階で次のステップに進んでいくことを望んでいるケースが多いのだが、現状を考えた場合にこの事が裏目に出てしまう可能性やこれらの選択肢が組織内で機能しなくなってしまうことで新たな問題が発生する可能性が出てくるなどこれらのモデルケースを作り上げるには企業の状態にもよって必要な期間が異なっているのだ。


 私はこのモデルを社会全体で定着させるためには“企業間格差の最小化”や“企業間取引状況および状態の見直し”・“取引上の利益率設定の最適化”など組織内の改善および改革と組織外の改善および改革、相互関係性の見直しと関係性のあり方を全体で確認することが必要だと思う。


 その理由として、現在は企業間の格差が大きくなっていることや企業規模が以前に比べるとバランスがとれていないため、ふとしたことで企業の置かれている状況が悪化するなどこれまで取引していた企業が翌月には倒産していた、リストラ等を行った影響で業務量の制限などがかかり、これまで通りの供給量を確保出来なくなったなど問題発生のきっかけとなり得る部分の改善を進めないと企業の利益確保が困難になることや取引出来なくなったことで取引先の企業に損害が発生してしまうおそれがあるなど難しい問題を抱えてしまうおそれがある。


 そのうえ、今は以前とは異なった崩れ方をする企業が増えていることから、この部分をどのように適正化するのか、人材を確保したい企業にとってはどのように売上を伸ばしていくのかを企業ごとに考えていく事が求められる事から、未経験者であっても経験者であっても本人が持っている意見を聴取しながら経営戦略を立てていくことで、多角的な経営方針が出来ることから、多様性を重視する職場などでは柔軟な対応が出来るようになるのだ。

現在、小説とコラムを書いています。 コラムに関してもこれから完成している物を順次公開していく予定です。 自分の夢はこれまで書いてきた小説を実写化することです。まだまだ未熟ですが、頑張って書いていきますので、応援よろしくお願いいたします。