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マジメが取り柄は緩やかな破滅

(への輪舞曲(ロンド)」と書かなかった自分は偉い!)

「マジメが取り柄です。」
「よく人からマジメだね、と言われます!」
こういうひとは気をつけてください。
私もそうですが、そのマジメさは緩やかに自分を苦しめます。
まるで「真綿で首を締めるかのように…」

マジメな性格、とよく言われて生きてきました。
別にそのつもりもなければ、そうしようと思って生きてきたわけではありません。
でも気がつけばそう言われているのです。
いままで属していたコミュニティでは漏れなく言われてきましたし、
なんなら初対面でも言われてきました。

学校でも悪さはしませんでした。
(正しくは「出来ませんでした」ですね。)
警察のお世話になんかもちろん一度もありません。
誰かに怒られるようなことも人生で一度もないです。

その結果、どうでしょう。
怒られることに慣れておらず、
気がつけば、人に怒られないように気をつけるようになり、
何かからはみ出すこともできなくなりました。
勝手に他人から「こいつはマジメ」という期待を持たれ、
その通りに生きるようになりました。

その一方で、
自分勝手に振る舞うヤンキーやお調子者にすごく憧れるようになりました。
ああ、自分もあんな風に振舞われたらどんだけ気持ちがいいだろうに。
その願望と、周りから貼られた「マジメ」というラベルに苦悩します。
俗に言う「真面目コンプレックス」というやつですね。

「マジメ」という単語は
はたから見れば、プラスの形容詞に思えますが
当の本人(適応障害で休職している私)からすれば
もしかしたらマイナスの意味合いの方が強いのかもしれません。

マジメというのは
・ルールをきちんと守る
・ルールを逸脱しない
・他人の期待に応えないといけない(強迫観念)
という側面があります。

パッと見ればすごくいい人に映ります。
本人もラクです、最初は。
だって敷かれたルールだけを守ればいいんだから。

でもいつしか、そのルールを破って行動してくる人が出てきます。
学校だったり、職場だったり、近所づきあいだったり。
でもその時、「マジメ」な本人は
ルールの中で戦おうとします。
そして周りの目を気にして、期待に応えるよう
清廉潔白で戦います。
他人はルール無視で戦ってくるのに。
サッカーしているはずなのに、相手は手を自由に使ってくる感じでしょうか。
なにそれめっちゃズルいやん!!!!

と、ここではなりますが
渦中の本人はそのズルさに気がつかず、実直にルールの中だけで戦います。
だってルールから逸脱すると
他人を失望させて、怒られて、自分が傷つくから。

そう、「マジメ」は怒られ慣れていません。
怒られないように「マジメ」になったのか、
「マジメ」になったから怒られていないのか、
たまごニワトリ問題なのでここは割愛しますが、
でもそういうことです。

いずれにせよ
怒られて、他人から失望された経験のない「マジメ」は
その自身の「マジメ」さに苦しむのです。

「マジメ」というのは
その属性を持った相手からすれば良い形容詞でしょうが、
その属性を持った本人からすれば悪い形容詞でしょう。
だってその「マジメ」さにつけ込んでくる輩がいるんだから。

かく言う私もその「マジメ」さをメリットとして携えてきました。
その結果どうでしょう。
幸いにも(自覚症状として)他人から利用されることはありませんでしたが
その「マジメ」さに雁字搦めになってしまい、
勝手に自滅して病んでしまいました。

いまはその何十年と身につけてきた
「マジメ」という鎧を捨てる練習をしています。
これからの人生の目標は「ヘラヘラ生きること」です。(いや、マジで)
(でも、ヘラヘラ三銃士は嫌い。)

だから
「マジメ」を武器にしている人がいたら
少し考え直してください。
不真面目になれ、とは言いません。
尾崎を聞け、とも言いません。
ヘラヘラ三銃士を見ろ、とも言いません。

破れる範囲でルールを破る
少しくらいおイタをする
他人は他人の知らんがな精神

ここらへんを意識して
生きてみてください。
そうすると、少なくとも自滅して病む確率はぐっと減ると思います。

と、過去の自分への手紙風にしてみた。
ヘラヘラ生きられたら人生安泰なんだろうけどなー。

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