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最低限のファッションからお洒落になりたい男性オタクは読んで


「最近オタクでもお洒落な人が増えてきている」
最近知人に言われ、そうか、と思った一言だ。

頭にバンダナ、シルバーの四角いフレームの眼鏡、チェックのシャツ、明るい水色のストレートデニム、スニーカー、リュック。
そんな時代はとっくの昔に終焉を迎えている。もはやそれはコーディネートではなくコスプレだ。
流石にそんな服装はしないが、なんだか自分が遅れている気がする、隣を歩く人の事を考えたい。

これはそんな迷えるマニアたちへの指南書だ。
トレンド」という側面からお洒落とは何か、読み解いていこう。

彼らが脱出したい「今」とは?

お洒落なファッションは何か、と考える前に確認すべき事がある。それは彼らの「現状」だ。
そこで、周囲でセンスは決して破滅的ではないが「服がよくわからない」と思っていそうな人々の、よくある服装をイラスト化してみる。

(「あ〜」と思ってもらえただろうか)
アイテム的に言ってみると左側はパーカー、幅広なミリタリーパンツ。右側はスタジアムジャンパー、セーター、平均的な太さのジーンズ。

「あれ?アイテム的には大きな問題は無くないか?むしろそれらを禁止されては使える物が無くなる!」
そう思った貴方、正しい。実はこれらのファッション、アイテムの組み合わせに問題はあまり無い。
大きな問題は「色合わせ」である。

ではここで、アイテムは全く変えず、時代を意識した色合わせに変えてみる。

全く線画は変えていない。変えたのは色のみ。


一気に「なんかあんまり感」が解消されたのが、比較してみるとよくわかると思う。
では何を意識したのか、掟は次の通りだ。


寒、暖、どちらか選んでくすませろ

コロナが流行し出してから、色合わせのトレンドにある特徴が見られるようになった。

1.全身を寒色、暖色、のどれかで統一する。
2.カラードブラック、カラードグレーを取り入れる。

ちょっと専門的な話をしていこう。

1.全身を寒色、暖色、のどれかで統一する。


色にはそれを構成する三大要素がある。
そのうちの1つが「色相」だ。
それは赤、青、黄といった、色み、色合いのこと。
虹の色を思い浮かべてもらうといいかもしれない。
以下のように色を順に並べた環を色彩環と言う。

https://www.dic-color.com/knowledge/pccs.htmlより

書いてある通り
赤〜黄を暖色(人が暖かみを感じる色)
緑青〜青を寒色(人が冷たさを感じる色)
黄緑、緑、紫を中性色(どちらにも感じない色)

と言う。

近年のコーディネートでは暖色+緑、寒色+紫のどちらかで固めるとお洒落に見えやすい傾向があると感じる。
実際に色で表現するとこんな感じだ。

※図1↓

2.カラードブラック、カラードグレーを取り入れる

カラードブラック、グレーって何?って思った方、ちょっと待ってね。

とりあえず図1の色のままだと、あまりにも派手すぎて日常使いは難しいので弄る必要がある。
なのでここで色の三大要素の残り2つ、「明度と彩度」の話になる。

明度
色の明るさの度合いのこと。明度を上げると色は白に、明度を下げると色は黒に近づく。

先程の図1の明度を弄ったのが以下のもの。



彩度
色の鮮やかさの度合いのこと。彩度を上げると色は鮮やかさに近づき、彩度を下げると色は無彩色(白、灰色、黒)に近づく。

図1の彩度を弄ったのが以下のもの。


人は景気が悪いと鮮やかで派手な色を避け、控えめな落ち着いた色を着るようになる。
バブルの時代はとにかく派手な色合いが好まれたのが思い出される。
つまりこのコロナ時代の秋冬は、色を落ち着かせるのが今っぽくなる秘訣だが、ただ全てを適当に落ち着つかせればいいというわけではない。
明度を極端に下げ、黒に近づいたカラードブラックや彩度を極端に下げ、グレーに近づいたカラードグレーを取り入れるのが今期の肝だ。

明度彩度共に下げたそれらももちろんあるが、複雑な話になるのでここでは避ける。

何処からがカラード〜になるのかの判断が難しい人は、とにかく第一印象はグレーや黒なんだけど、よく見たら色が入ってる感じがする色を積極的に使って欲しい。


右も左もわからない初心者は、全身に使用する色は2〜3色で、その中で「カラードグレー、ブラック+白、黒、グレー」になるようにするのが良い。
いや、もうちょいわかるよっていう方は、全身に3〜4色使用し、全身をカラードグレーブラックで固めたり、モノクロコーデでカラードグレーブラックを差し色に入れるとレベルアップする。

ここで最初にあげたカラードコーディネートをもう一度見てみよう。

左から
・暖色統一(黄っぽいグレー+緑っぽいグレー)
・寒色統一(青っぽいグレー+黒)
・暖色統一(緑っぽい黒+赤っぽいグレー+黒)
・寒色統一(黒+青っぽい黒+青っぽいグレー)

となっており、今回の掟に沿っているのがわかると思う。

レベルをどんどん上げていってみよう。

左から
・黒っぽい赤を手首と裾に追加。パンツについているポケットを取り除き、トレンドに寄せる。

・前を開ける。下にプリントロンTを着て寒色系の差し色をプラス。パンツをリップストップナイロン製にし、ミリタリー要素を再構築。

・差し色にビビッドなオレンジをプラス(これは感覚)

・フリー演技。オールブラック+ネネンカラーアクセントのウィンター配色。上下をナイロン系のセットアップに変更。アウターにデザイン性をアドリブで追加。ニット帽を小物で追加。スポーティーストリートカジュアルのミックススタイル。

色が制御できるようになれば、次はレイヤード(重ね着)や差し色に挑戦する、トレンドのアイテムを取り入れる。それができればテイストミックス(スポーツ着っぽいのと普段着っぽいのを混ぜる等)、小物に手を出すなど、どこまでもいける。

色調整以上のことは感覚的な事が含まれてくるし、パターンが無限大なのでnote化は厳しい。
雑誌や芸能人、店頭のマネキンを見る等が必要になってくる。

ファッションは考える事が多いが、感覚的にコーデができるようになるといつまでも遊べる。



だからオタクの君、早く沼ってくれ。

ファッションオタクも楽しいぞ。

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