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【随筆】午後の散歩

 風になびくススキの穂が、西陽に反射してきらきらと光っている。夕暮れというには少し早い午後の川沿いの道を、僕は一人で歩く。
 頬に感じる風は少し冷たく、陽の光は暖かい。目を閉じて、それらの感覚に意識を添わせると、自分という存在の輪郭が溶け出していくような、不思議な気持ちになってくる。ただふわふわと揺蕩いながら道を行く、日曜日の午後のこと。
 


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