みぞぐちさとう

気持ちと言葉の掃き溜め。 随筆的なものと創作と。

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最近の記事

お正月の帰省後の雑感

 喉が痛い。実家から帰って来てからずっと。実家の空気は身体に合わないらしい。生まれてから高校を出るまで、ほとんどずっと、あの家で暮らしてきたのに。古い家らしく、その空気は少し埃っぽく、愛犬の振りまくフケと毛と愛嬌が舞っていた。  私の住む北陸は、身体からカビが生えるかと思う程に湿気が多い。水の中を歩いているかのような、重く濃い空気。それと真反対なのが実家のある中部高地だ。生きているだけで干乾びていくようなカラカラの空気。さわやかで軽やかな風、懐かしく恋しく、忌々しい、故郷の空

    • 僕は僕を愛する人を愛す ただ、それだけ

      • 真面目に生きようと思って、真っ当な生活をするとつまらないけれど、普通からはみ出すのもやっぱり怖い。人生はいつも二律背反。

        • 自分は自分、ですよね

           好きな人が好きなものを好きにならなくてもいい。自分が好きなものを好きでいてもらう必要もない。そんな当たり前のことを受け入れるのに、こんなに時間がかかってしまった。正確には、まだ受け入れられていないけれど、それを受け入れようと意識することが、できるようになった。  私は私で、貴方は貴方。当たり前なことを当たり前に。今日も自分に言い聞かせながら、真っ暗な闇の中を一歩一歩、進み続ける。

        お正月の帰省後の雑感

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        記事

          真っ暗な道に走り出したくなる午後8時

          真っ暗な道に走り出したくなる午後8時

          梢の夏が、どうも恋しい あんなに木枯らしが吹くのを 待ちわびたのに

          梢の夏が、どうも恋しい あんなに木枯らしが吹くのを 待ちわびたのに

          【お知らせ】これまで書いてきた文章をマガジンに纏め直しました

           書いてきた文章が溜まってきたので、タイトルの通り、新しくマガジンに纏め直しました。お気に入りのものをピックアップしてあります。  【随筆】【創作】【現代詩】【超短文】の4ジャンルに分けました。今後もし私の文章を見てくださる方がいるとすれば、参考にしていただけたらと思います。以下リンクです。 【随筆】 【創作】 【現代詩】【超短文】

          【お知らせ】これまで書いてきた文章をマガジンに纏め直しました

          大切な家族がいても 親しい友達がいても 愛する恋人がいても 辛い悲しい苦しい寂しい 育ててしまった影は消えない

          大切な家族がいても 親しい友達がいても 愛する恋人がいても 辛い悲しい苦しい寂しい 育ててしまった影は消えない

          【随筆】虹

           曇り空と、青空と。私のいるところは影で、向こうは光。見上げた空に虹の橋がかかっている。虹を見ると何故か心がすっと軽くなる。虹は不思議だ。虹を発見すると、明るく前向きになれるような、そんな気がする。虹の七色は何処までも透き通っていて、濁らない。だからだろうか、私も素直になりたくなる。今日くらいは美しいものを美しいと思い、好きなものを好きだと言おう。捻くれ曲がって、後ろ向きな私も。

          辛い悲しい苦しい寂しいときほど筆は進む

          辛い悲しい苦しい寂しいときほど筆は進む

          まだ冬の始まりだけど、もう桜がみたい ヒーターの効いた部屋の窓から、青空を望む午後

          まだ冬の始まりだけど、もう桜がみたい ヒーターの効いた部屋の窓から、青空を望む午後

          【現代詩】寂しさが忍び寄ってくる夜に

          寂しさが忍び寄ってくる夜は、独りで飯を食おう 寂しさが忍び寄ってくる夜は、独りで本を読もう 寂しさが忍び寄ってくる夜は、独りで歌を歌おう 寂しさが忍び寄ってくる夜に、誰かと過ごすのは 何故か寂しいから 寂しさが忍び寄ってくる夜は、独りで笑おう 寂しさが忍び寄ってくる夜は、独りで泣こう 寂しさが忍び寄ってくる夜は、独りで眠ろう 寂しさが忍び寄ってくる夜に、誰かと過ごすのは 何故か悲しいから 寂しさが忍び寄ってくる夜は、独りがいい

          【現代詩】寂しさが忍び寄ってくる夜に

          僕は誤魔化して生きている 自分というものを 何処までも

          僕は誤魔化して生きている 自分というものを 何処までも

          家から出なければいけない時に始まるテレビ番組程、気になる不思議。

          家から出なければいけない時に始まるテレビ番組程、気になる不思議。

          【創作】黒鹿毛の君

           瞳の色は黒か茶か、その様は水を湛えた静謐な泉。馬場の砂と青空を映した君の瞳は美しい。歩みを進めるたび、天鵞絨の皮毛は光を反射し、筋肉が複雑な陰影を作り出す。私はラチに近付き、君に声をかけようとするけれど、その姿の美しさに言葉を失う。と、少し離れた先でラチ沿いの草を食んでいた君が、すっとこちらに首を振り、私の方を向いた。  ブヒィィィ、ブヒィィィ、とその姿に似つかわしくない不細工な声をあげたかと思うと、跳ねる様に駈歩に移り、君はこちら向かって走ってくる。その様が面白くて、笑

          【創作】黒鹿毛の君

          自分を喩えようもなく醜く思う時もあれば、良いように感じる時もあるだろう。結局気持ちの問題と考えると、全てが阿呆らしい。

          自分を喩えようもなく醜く思う時もあれば、良いように感じる時もあるだろう。結局気持ちの問題と考えると、全てが阿呆らしい。