マガジンのカバー画像

#編集 #ライター 記事まとめ

1,627
編集、ライター、コンテンツ、メディアなどに関する記事をまとめていきます。
運営しているクリエイター

2019年12月の記事一覧

新しい1年の終わりに。

いよいよ2019年も終わりですね。平成から令和になったこの1年、自分にとっても「会社独立」という変化の大きな1年でした。 この数年は毎年飛ぶように過ぎていって、何をしていたかもあまり思い出せないのですが、さすがに今年は濃厚で記憶も鮮明な1年になりました。以下、だーっと振り返ってみます。 年明け早々に独立することにしたと家族に最終決断を伝え、始業日数日後には上司に退職の意志を伝え、そこからは毎日がドキドキの日々。徐々に色々な人に情報が漏れ伝わっていく中、いざデザート編集部の

読みやすい文章を書くコツ。私が気をつけている7つのポイント

今日はクリスマス。そんな巷の華々しさをよそに、うちの会社では編集のピークの時期を迎えている。 私は、会社では専門誌の編集を担当している。毎年この時期は提出された原稿を校正し、入稿できる状態まで仕上げていくため、忙しい。 「ライターさん」に原稿を依頼しているわけではないので、クオリティはさまざま。文章がそれほど得意ではない人も書いているし、かといって専門的な内容なので外注も難しい。 文章に正解はない。しかし、読まれる文章を考えると、気をつけるべきポイントはある。 私も自

光文社新書、noteはじめます。

note読者の皆様、初めまして。光文社新書編集部の三宅と申します。 簡単に自己紹介をしますと、1994年に光文社に入社。最初の配属は販売部でした。98年にカッパ・ブックス第一編集部、2001年に光文社新書編集部に異動し、14年から編集長を務めています。入社時の販売部から現在に至るまで、ずっとノンフィクションの書籍に携わっていることになります。 このたび、noteで光文社新書のページをはじめることになりました。 光文社新書は2001年10月17日の創刊で、今年(2019年

ブックデザインの魔法

本の装幀を考えるとき、僕はいつも悩みます。 イラストにするか。写真にするか。はたまた、文字だけで勝負するか。デザインを誰にお願いするか。 どうしよう。どうしよう。どうしよう。 と、なります。 装幀を考える、ということは、前提として「作家が書き上げた作品」が目の前にある、ということです。何か月、あるいは、何年もの時間をかけた作品を、僕ら編集者は預かります。それは重いものです。大切なものです。だから、どのアプローチが「本」としての魅力をいちばん伝えられるのかを、ひたすら考えます。

「コンテンツの価値を最大化」視点から「出版社ビジネスモデルの変遷」を図解してみる

大学で講義した内容を、自分自身の振り返り用に記した前の記事「編集者の仕事は「コンテンツの価値を最大化」:明治大学の講義で話したこと」が、想定していたよりも多くの方に読んでもらえ、コメントもいただけました。 その反応を見ることが、自分自身でも「この先の出版社のビジネスモデル」について、「コンテンツの価値を最大化」という視点から熟考する機会につながりました。 noteという場にアウトプットしたことで得られた考察です。ありがたいことです。 その考察もまた、ここに記してみたいと

メディアの話83 オーディブルで連載始めます。

アマゾン・オーディブルで12月11日から配信が開始された「柳瀬博一のリベラルアーツ入門」 第一弾のテーマは「進化論」です。 取り上げるテーマは以下の通り。 そう、あの「ファクトフルネス」も進化論的アプローチの本なのです。 そして、岸由二先生には、過去100年の理系教養書として最も重要な本と言われた「利己的な遺伝子」読み解きを徹底的に教わります。 さらに作家の橘玲さんには大ベストセラー「言ってはいけない」の底流に流れる進化論的な思考について伺います。 むちゃくちゃ面白いですし、

ライター冥利の、その意味を。

自分のなかにいつも、リストのようなものをつくっている。 この人の本を書きたい、あの人の本を出したい、というリストだ。日々変動するリストではあるものの、そこに入るメンバーはさほど多くない。ぼくの興味関心の狭さがそうさせるのか、あるいはそれぞれの本にかかるであろう時間や労力に見当がつくからか、だいたい片手の指で足りるくらいの「この人」や「あの人」が、リストに入っている。 長らく、その「経営者部門」で第1位を守っていた方がいた。いつかこの人の本をつくってみたい、この人のことばを

インタビューの教科書:『REAL SPORTS』編集長・岩本義弘さんに聞くインタビュー取材のいろは(徳重龍徳)

インタビューに正しい方法はあるのだろうか。 25歳から記事を書き始めて14年がたった。新聞、ウェブ、たまに雑誌。媒体は変われど取り組み続けてきたのがインタビューだ。 人の話を聞き、その内容を理解し、記事にする。話し聞くことは記者だけでなくコミュニケーションの基本だが、インタビューをする度、記事に起こす度に七転八倒する。 結果として良いインタビューと呼ばれた記事も、自信があったけれど読まれなかった記事もあった。インタビュイーに話しやすいと褒められたことも、取材後すぐにもっ

有料
500

文章力がなくても「いい文章」は書けるんじゃないか

「ライターが足りない」という話をよく聞く。 先週も聞いたばっかりだ。どうやら、ウェブメディアにおいてライターという職業は全体的に人手不足らしい。 その割に「ウェブライターになりたい!」というひとも同じくらいよく見るような気がする。 じゃあなんでそこがマッチングしないんだろう。そこにはたぶん、「ライター」という仕事に対する認識の差が大きいような気がする。 なので、「基本のk」ではあるんだけど、求められるウェブライター像について、そしていい文章ってどんなものなのかな?ってこと

編集者の仕事は「コンテンツの価値を最大化」:明治大学の講義で話したこと

今年も明治大学で講義をしてきました。 アンケートで9割が高評価、「とても良かった」が過半数、と嬉しい反応でした。 開始前は半数以下だった「編集者の仕事への興味」が約8割まで上がったのも嬉しかったです。 「編集者」の仕事内容はもちろん、求められる能力、その定義さえも変わっていくけれど、ますます面白い仕事になっていく、 ということを少しは伝えられたように感じられました。 一口に「編集者」といっても、その仕事は多岐に渡り、 かつ、世の中の変化と共に、大きく変貌している、とい