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#全文公開 記事まとめ

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自身の著書を、一部もしくはすべて公開しているnoteをまとめています。
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#全文公開

『プア・ジャパン 気がつけば「貧困大国」』 全文公開:第1章の1

『プア・ジャパン 気がつけば「貧困大国」』 (朝日新書)が9月13日に刊行されました。 これは、第1章の1の全文公開です。 第1章 気がつけば、「プア・ジャパン」1 オーケストラもiPhoneも高くて手が出ない 外国オーケストラの公演には、もう行けない  外国オーケストラの来日コストが上昇している※。  大編成のオーケストラの場合、100人以上の人と楽器が移動する。円安が進み、航空運賃などが高騰しているため、経費が1億円以上増えているという。  このため、あるコンサートで

『プア・ジャパン 気がつけば「貧困大国」』 全文公開:第1章の2

『プア・ジャパン 気がつけば「貧困大国」』 (朝日新書)が9月13日に刊行されました。 これは、第1章の2の全文公開です。 2 ビッグマックもラーメンも、外国では高い アメリカのビッグマックの値段は、日本の2倍  外国製のものの価格が高くなっているとは、暫く前から言われていたことだ。  最もよく知られているのは、英誌『エコノミスト』が発表する「 ビッグマック指数」だろう。これは、「ビッグマック価格がアメリカと等しくなる為替レート」に比べて、現実の為替レートがどれだけ安くな

『プア・ジャパン 気がつけば「貧困大国」』 全文公開:第1章の5

『プア・ジャパン 気がつけば「貧困大国」』 (朝日新書)が9月13日に刊行されました。 これは、第1章の5の全文公開です。 5  外国人旅行客の急増は、「プア・ジャパン」の象徴    大きな変化は10年前に 日本は島国なので、以上のような統計の数字を示されても、これまではそれを実感できなかった。  2022年には、 iPhoneのような国際的商品が大幅に値上がりしたので、日本が貧しくなっていることを痛感させられた。また、急激な円安によって、外国人労働者が 日本離れを始めた

『プア・ジャパン 気がつけば「貧困大国」』 全文公開:第1章の4

『プア・ジャパン 気がつけば「貧困大国」』 (朝日新書)が9月13日に刊行されました。 これは、第1章の4の全文公開です。 4 貿易できるか? 自国生産できるか? 製品や労働力が国境を越えられれば価格が均一化する  前節の議論を複雑にするのは、 貿易可能性と 自国生産可能性の問題だ。  まず、 貿易可能性について考えよう。前節では、製品が貿易されないことを仮定した。仮に貿易が可能なら、日本と外国の価格差は縮小する。  もし、出来上がったビッグマックやラーメンを瞬時にアメリ

『プア・ジャパン 気がつけば「貧困大国」』 全文公開:第1章の3

『プア・ジャパン 気がつけば「貧困大国」』 (朝日新書)が9月13日に刊行されました。 これは、第1章の3の全文公開です。 3 「値段の 安い日本」が問題なのでなく、「賃金が低い日本」が問題 日本の賃金が低いから安く作れる  ビッグマックやラーメンの価格が外国で高く、日本で安くなるのは、なぜだろうか?その基本的な原因は、 日本の 賃金が低いことにある。そう考えられる理由を以下に説明しよう。   日本の賃金が低いことは、次の2つの意味で、日本のビッグマックやラーメン価格を引

『プア・ジャパン 気がつけば「貧困大国」』 全文公開:はじめに

『プア・ジャパン 気がつけば「貧困大国」』 (朝日新書)が9月13日に刊行されました。 これは、はじめにの全文公開です。 はじめに  補助金や 円安でなく、人材の育成をついにここまで衰退した日本  日本の貧しさが、さまざまなところで目につくようになった。 アベノミクスと 大規模金融緩和が行なわれたこの10年間の日本の凋落ぶりは、目を覆わんばかりだ。  1人当たりGDPでみると、2012年には日本はアメリカとほぼ同水準だった。しかし、現在では約3分の1になってしまった。200

書籍「こどもの夢中を推したい」 #全文公開の切り抜き

書籍「こどもの夢中を推したい」が2023年7月4日にfreee出版より発売されます。発売前の6月13日から予約開始にあたって、書籍の「全文まとめ」を公開します。本を買うまでもないけど、中身に少しは興味があるなって人向け。全文公開だと読むの面倒だけど、10分もあればざっと読めちゃうYouTubeの切り抜き動画みたいな「全文公開の切り抜き」です。 この本は、ツペラツペラさん、atama+、探究学舎など7組の教育系の人との対談本。 中学受験?海外移住?AI教育?など、正解がわから

(全文公開)メディアの進化とクリエイターエコノミー 〜世界を変える「個」の力

0. はじめにインターネットの登場後、情報流通のあり方が大きく変わった。2000年代後半以降のSNSやスマートフォンの普及に伴って、それまで世の中に声を届ける手段を持たなかった個人が気軽に発信できるようになり、情報発信の民主化が進んだ。現在では個人が情報発信のみならず、十分なマネタイズ手段を得るようになったことで自らの発信や創作物から生計を立てることが可能になり、クリエイターエコノミーと呼ばれる経済圏が注目を集めている。 私は、これらの現在まで続く情報流通の変化のトレンドの

『2040年の日本』全文公開 はじめに

『2040年の日本』 (幻冬舎新書)が1月20日に刊行されました。 これは、はじめにの全文公開です。 はじめに:なぜ未来を考えるのか  未来は、いまと同じではない  仮にあなたが40歳であるとしよう。20年後には60歳になり、家族も歳をとる。子供たちは仕事に就いているだろう。  他方で、自分がいまと同じ職場でいまと同じように働いているわけではないだろうとも、漠然と考えている。また、自分や配偶者の健康状態が、いまと同じではないかもしれないとも考えているだろう。  このように

加藤シゲアキ『できることならスティードで』好きなエッセイベスト5発表!

 加藤シゲアキ『できることならスティードで』文庫版発売を記念して、2022年11月にTwitter上で『あなたの好きなスティードのエッセイはどれか教えてキャンペーン』を実施いたしました。旅をテーマにしたエッセイ集である本作収録エッセイ15編のうちお好きなエッセイのタイトルを、専用ハッシュタグと共に投稿していただく(任意でご感想も添えて)という参加方法でした。  文庫の発売からひと月経たないうちの実施でしたが、予想以上に多くの方にご参加いただきました。どの1編にするか〆切ギリ

【先読み! サイン本プレゼント企画】12月刊行『ドラゴン、火をはくのはやめて!』全文公開!

2022年12月刊『ドラゴン、火をはくのはやめて!』(さく:上野与志/え:ヒョーゴノスケ)を刊行に先立ち、全文公開いたします。 長年子どもを見つめつづけてきた「わんぱくだん」シリーズの作家・上野与志さんと、人気イラストレーター・ヒョーゴノスケさんがタッグを組み、こんなに美しい絵本ができました。子どもたちの勇気が胸を打つ物語をどうぞお楽しみください。 本作を読んで、レビューを寄せてくださった方には、抽選で10名の方にサイン本をプレゼントいたします!(応募締切:2022年11

【はじめに全文公開】 認知症のある方「ご本人が見ている世界」を、実際に見られるように。

『認知症世界の歩き方』筧裕介(ライツ社) 2021/9/15発売 約100名の「認知症のある方ご本人」へのインタビューを行い、その「語り」を専門家が分析。そして、「認知症のある方が実際に見ている世界」を視覚表現のプロであるデザイナーたちが「スケッチと旅行記の形式」で直感的にわかるようにした途方もない苦労作が、ライツ社より出版されます。 この本の存在と、その制作に込めた思いを、まずはひとりでも多くの人に届けたいと思い「はじめに」を無料で全文公開いたします。興味を持っていただ

認知症のある方が、大切なモノやお金が「盗まれた」と思ってしまう理由

認知症のある方の心と身体には、どんな問題が起きているのでしょうか? いざこういうことを調べてみても、見つかる情報は、どれも医療従事者や介護者視点で説明したものばかり。肝心の「ご本人」の視点から、その気持ちや困りごとがまとめられた情報が、ほとんど見つからないのです。 この大切な情報を、多くの人に伝えたいと思い、書籍『認知症世界の歩き方』から1話ずつ、全文公開いたします。興味を持っていただけましたら、お近くの書店やAmazonでお買い求めいただけるとうれしいです。 思い出のタ

トイレットペーパーを何度も買ってきてしまう理由_「目」と「記憶」には、 驚くほど密接な関係がある

認知症のある方の心と身体には、どんな問題が起きているのでしょうか? いざこういうことを調べてみても、見つかる情報は、どれも医療従事者や介護者視点で説明したものばかり。肝心の「ご本人」の視点から、その気持ちや困りごとがまとめられた情報が、ほとんど見つからないのです。 この大切な情報を、多くの人に伝えたいと思い、書籍『認知症世界の歩き方』から1話ずつ、全文公開いたします。興味を持っていただけましたら、お近くの書店やAmazonでお買い求めいただけるとうれしいです。 霧に消える