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#エッセイ 記事まとめ

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noteに投稿されたエッセイをまとめていきます。
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2020年3月の記事一覧

今までで一番いいお金の使い方はカウンセリングだった

カウセリングを受けて、私の強烈な「誰かに認めて欲しい」という欲求は「何かすごいことをしてそれを認められたい」ではなくて、「弱さや過去の辛いことを引きずっている自分のことも、友人として、パートナーとして認めて欲しい、ただ生きてて良いことを認めて欲しい」だと理解することになりました。 ずっとそんなこともわからなかったんです。 ☆ 「えっ、もっと早くに行っておけばよかったよ……」 というのが正直なところです、カウンセリング。 結論から言うと、無駄に怒らなくなり、心が楽です

遠距離恋愛も近距離恋愛も大切なことはきっと同じ

久しぶりに恋愛のことを書きたいと思う。

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南極大陸でキャンプして、落ちることのない日を眺める

旅が好きだが、人見知りなので現地人とすぐに仲良くなったり、熱い友情が芽生えたりすることは少ない。親しくなったかと思えばだいたい騙されたりぼったくられたり、失意のまま帰国することも多い。 そういうものにちょっと疲れて、たまには人と接さない場所に行こうと思った。この地球上で唯一、一般人の住むことのない大陸。南極大陸だ。 そんなわけで、2020年1月に南極に訪れた。 南極までの行程や世界一荒れる海、息を飲む景色については文藝春秋digitalに書いた。また南極海に飛び込む「ポ

私たちの名前

日本を紹介するようなイベントに出かけた。例年、見物するだけだったけれど、今回は書道の筆を持ち、墨を使って、来たお客さんたちの名前をカタカナで書いてあげるというサービスのお手伝いだ。事前の練習も指導もない。 三十年間、筆を触っていない私の手は、思うようには動かず、少しは感じよく書けるはずだと思ったのは、私の思い込みに過ぎなかった。 「ハロー。私の名前はジャックです」 「ジャックね」 目の前に現れるお客さんたちは、子供も大人も、みんな結構ワクワクしている。自分の名前が、自分の読め

「先生がオメガを倒したら宿題やってきてやるよ」と生徒が言ったので、わたしはゲームライターになった

(四半世紀前の思い出。間違い、勘違いがいくつかあります。修正しようと努力しましたが、次第につじつま合わせに必死になり、書き上げた時の情熱を自ら消してしまいかねないと気づきました。なので10年以上も迷って、やっとついに書き上げることができたままの文を残しておきます。) 大学生時代、塾講師のバイトをしていた。理由は金。岩手県で「現役東北大学生が勉強を教えます」とぶん回せば仕事がたくさん来た。家庭教師もしていたが、すぐに塾一本に絞った。希少性を高めるため、不便なところを狙った。動

11 酔っぱらいの夢が叶った日(その1)

酔っぱらいとして生まれたからには、死ぬまでに一度は体験してみたい。これをしないうちは肝臓ガンになるわけにはいかない。そういう夢があった。もったいぶらず率直に書くと「アジアの屋台で飲むこと」だ。国はどこでもいい。ベトナム、韓国、タイ、シンガポール、インドなんかもいい。 日本では、たとえば福岡県の中洲に屋台がズラリと並ぶ一角がある。いちどだけ行ったことがあるが、なんとも心浮き立つ場所だった。あるいは、大阪の京橋にも立ち飲みの屋台が並んでいるところがある。関西パワー溢れるエネルギ

九谷焼の産地より、はじめまして。

noteはじめました。初めまして、緒方康浩と申します。 江戸時代から350年以上続く伝統工芸・九谷焼の産地である石川県小松市にて、昨年5月に開業した九谷焼の複合型文化施設「九谷セラミック・ラボラトリー(CERABO KUTANI)」の事業企画と運用や、九谷焼のブランディング案件等に携わっています。 緒方康浩(おがた やすひろ) 産地のキュレーター|九谷焼と北陸グルメの新米水先案内人 1989年4月鹿児島県鹿児島市生まれ、千葉県柏市育ち。「場・産業・地域の”関係人口”を増

【柳下さん死なないで】最終回:「君が書くものにはすべて意味がある」

柳下さんと出会って3年が経った。 その間にわたしに起こった変化はいくつかある。 1つ目は文章を書くのが仕事になったこと、2つ目は7キロほど体重が落ちたこと、3つ目は4冊の本が世に出たこと。 総じて見ればつまり「めちゃくちゃ書くようになった」ということだと思う。 34年間生きてきて、この3年間がもっとも文章を書き、結果としてもっとも読まれた日々だった。 それは幸福なことなのかと聞かれると、正直よくわからない。 書けないことや〆切へのストレスは大変なものだし、逃げたい・解放さ