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#エッセイ 記事まとめ

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noteに投稿されたエッセイをまとめていきます。
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2019年4月の記事一覧

妻が救急車で運ばれたので、少子化対策について考えた

先週水曜日に妻が救急車で運ばれた(2年ぶり2度目)。 今回は腰を痛めただけで命に関わることではないから、落ち着いて救急車を呼べた。前回はまだ結婚前だったのだけど、119で自分の住所を告げるとき、気が動転して普通に住所を言い間違えた。緊急事態に弱い。 今回は何も言われてないのに救急隊員に財布、スマホ、着替え、靴などを袋にまとめて渡す余裕があった。慣れるのもどうかと思う。 妻は病院で麻酔を打たれて寝たきりになった。主治医の所見だと患部は椎間板で、ヘルニアかもとのこと。ただ、

ヘルシンキに来るつもりはなかった

 ヘルシンキに来るつもりはなかった。 「ご搭乗予定の飛行機は…………により…………できません」  途切れ途切れの空港アナウンスを、なんとか聞き取ろうとするも、雑踏、反響、乗客の怒声。わかったのはとにかく、「日本に帰る飛行機が出ない」ということだけだった。  二〇一四年十月十五日、日本航空とフィン・エアーの共同運航便。フランス首都パリのシャルル・ド・ゴール空港から、フィンランド首都ヘルシンキのヴァンター空港を経由して成田空港に帰る予定だった……のだが、なんらかの事情で、フィ

手帳に書いたから叶ったわけじゃない。

3年前に別の名前で本を出したことがある。 その時点ではライターではなく山小屋スタッフだ。出版業界のことも何もわからない。そんな私がどうやって出版に漕ぎつけたかというと、経緯は少し特殊だ。 そもそも私は5年前に長旅をし、帰国後にその体験を半年がかりで執筆した。 出版の当てがあったわけではない。書き上げたら出版社に持ち込みするつもりで書いた。 半年後に完成した原稿は、原稿用紙に換算すると1600枚に及んだ。京極夏彦かよ。今思うと、持ち込まれる編集者にとっては嫌な分量だろう

【リレー企画】優しい人はおそい

noteを拠点に活動している4名で、リレー記事を書くことになった。順繰りに異なるテーマを設定して、おのおのがそのテーマにまつわる記事を書く特別企画だ。私のテーマは「ともだち」について。 ▼参加予定者 非常に不服なテーマではあるが、考えてみようと思う。なにせ、自分には友達が存在しないので、考えるケーススタディというか対象がいないのだが、掘り起こしてみようと思う。 * ザリザリザリザリザリザリザリザリっと肌にしっとり馴染んで湿った寝床のシーツを滑って転んで片足で着地、見事

ちょっと一杯付き合ってくれ。wowakaさんが死んだんだ。

 初期衝動とか初めて受けた衝撃とか、そういうものはとにかくいつまでも忘れられなくて、何年たっても何十年たっても心の中に納まり続けていて、でもいわゆる家族期かなにかである日突然話題に出すことがなくなって、再び話題に出るのはその衝撃の源泉が潰えたときで、いつも僕は後悔する。  wowakaさんが死んだ。自分でも驚くくらいショックを受けている。思考がまとまらない、落ち着かない。ただでさえ仕事が手につかない人間なのにもうだめだ。なんもできん。とにかくなんとか頭の整理がしたくて今この

神山のことば

2019年2月のとある週末、若林恵は徳島県の神山町を訪ねた。地方創生の星と謳われ、国内外からの視察が絶えないと噂されるその町の取り組みをどう評価するのか。半信半疑で訪ねた町で見たのは、想像していたものとはまったく異なるものだった。3つの「ことば」の不在が、とくに若林の気をひいた。「地方創生」の困難と、その可能性を、神山はいかに語り、いかに語らなかったのか。若林によるエッセイを特別有料公開(愛飲するたばこ一箱の半額です)。 Text by Kei Wakabayashi,

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0403「めぐみのバスタオル」

飛行機に乗って東京に向かっているが、日付を飛び越えてしまうので、日記を二日分、いや、三日分書かなくてはならない。4/2ぶんはさっき書いた(先に公開した)から、4/3を書いて、着いたら4/4なので、4/4ぶんも書くのだろう。超面倒くさい。今から書くこれは4/3ぶんだ。 なんで自分はこんなに律儀に日記を書くのか。そしてこれはもはや日記というか1日1文章という苦行になっている。 実は、アメリカの西海岸から日本に飛行機で飛ぶのは8年ぶりくらいで、ちょっとウトウトして起きたらカムチ

自分を「美人だ」と思うか

少し前に、ドキドキしながら始めたnote。 最近、フォローして下さる方やマガジン購読の方が急に増えて、とても嬉しいです。 ありがとうございます。 こりゃあ、改めてご挨拶せねばと思ったしだい! 無料記事なので、どなた様も最後まで楽しんで行って下さい。 ◆ なぜ人は自分で自分を美しいと言わないのか私は「美人ですね」とか「きれいですね」と、言われることがあります。 えっ、それを自分で言うとか…… 恥ずかしくないのかとか、あつかましいとか思われそうで、怖くなります。

聞こえることが良いことで、聞こえないことは悪いこと、なわけがない

※この記事は投げ銭制なので、全文無料で読めます。 病院、病院、聾学校に病院と、次男の難聴がわかってから3ヶ月、本当にばたばたしていた。生まれる前からばたばたしていたから、もう1年近くばたばただ。書きたいことは山ほどあるんだけど、この間にあったいろいろをすっ飛ばして、難聴次男の検査結果の話を書きたい。 難聴と言っても原因はいろいろあって、それによって今後の対応も変わってくるらしい。具体的な聴力の検査、補聴器の装用とあわせて、原因の検査も行ってきた。 原因は遺伝性。先天

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