258.【SS】前前前前前前世
デジャヴという感覚に陥ったことがある人は多いのではないだろうか。
自分では知らないはずなのに、まるで一度体験したことあるかのように、一度見たことあるかのように感じる既視感のことである。
「デジャヴって、前世の記憶なんだよ」
つい信じてしまいそうになっていた子どもの頃。
そんなの、嘘に決まってるだろ。
そう思っていたのは、果たして何十年前のことだろう。
今となっては、それが真実に近いことを実感している。
思いを言語化できるぐらい大人になったときに自分で気がついたのだ。