見出し画像

育休を機に「食トレンド」を発信。noteを起点に、仲間と一緒にお月見文化を育む渥美まいこさんの魅力

noteで活躍するクリエイターを紹介する #noteクリエイターファイル 。今回は、食のトレンドを追うマーケター渥美まいこさんにお話を聞きました。

エスニック料理、タピオカ、チョコミント……食のトレンドを追いかけて、独自の視点で社会の変化や消費行動を分析・発信する渥美まいこさん。

本業では、クックパッドが運営する、食のマーケティングの動向やトレンドを届けるメディア「FoodClip」の編集長を務めています。

その傍、noteでも、目まぐるしく変化する食のトレンドを一緒に追いかけて思考するサークル「食トレンド研究会」を運営。そしてこの秋、「#新しいお月見」と題して、noteでつながった仲間と一緒にお月見の文化を広げるプロジェクトを始動しました。

育休中に“自分の色を塗っていたんだ”と言えるように

最所あさみさんが女性誌を分析した記事に感銘を受け、noteの存在を知ったという渥美さん。その後、自身がnoteを始めたのは、妊娠をして、育休中にキャリアが途絶えてしまうことに悶々としていた頃でした。

「noteを初めて見たとき、すごくシンプルで、自分の熱量を投下させるに値する場所だなあと思いました。よく“育休中はブランク”って言われますけど、そんな世の中の考え方も変えていきたくて。まずは私自身が、会社を離れるその期間に“自分の色を塗っていたんだ”と言えることをやろうと思って、noteを始めました。目的は、これまで仕事の中で身につけてきたマーケティングの視点が鈍らないように、トレーニングをすること。っていうと優等生っぽいんですが(笑)」

画像4

自らが気になった食のトレンドに関して、これまで会社で使っていた専門的なデータには頼らず、インターネットで公開されている情報を元に、独自の視点で仮説を立てて検証。渥美さんはnoteの更新を続けていました。

「初めは反応がなくても書き続けていたら、東洋経済オンラインさんや読売オンラインさんから寄稿の依頼をいただいて。ラジオにも出演させてもらいました。noteのSEOが強いおかげで、“タピオカ なぜ 流行”とかで検索すると私のnoteがトップに来るんですね。noteを始めるきっかけになった最所あさみさんや、ずっと憧れていた阿古真理さんに対談に誘っていただくこともあって。noteのおかげで、本当にいい機会に恵まれました」

職場復帰後、広告領域のプランナーをしていた渥美さんのもとに、これから立ち上げるオウンドメディアの編集長への打診がありました。

「キャリアチェンジをしたいと思っていたわけではないんですが、noteで発信していたこともあり、社内で声がかかりました。復職後、会社の中だけでは気づかなかった新しい視点で提案ができるようになったのは、育休中にnoteを書いていたからだと思っています。インプットとアウトプットのサイクルができたので、復職後も定期的にnoteを書きたくなるんですよね」

noteを書き続けていたら心が健やかになった

渥美さんにとってnoteは、育児に追われる日々の気分転換にもなったと振り返ります。

「産後は、これまで仕事も含め自分のために使えていた生活とは打って変わって、24時間子どもに奉仕する暮らし&慣れないこと100連発!って感じで。私の人生は一時停止かなと思うときもありました(笑)。そんな中、隙間時間にnoteをのぞいて、スキやPVが伸びいていると嬉しくて。コメントもすごく励みになりました。母親としてではなく、私個人としても前進できている気持ちになれてモヤモヤが消えていったんです。そんな実体験から育休中、noteに支えられたなあと思うので、妊娠してキャリアに不安を持っている友人や後輩には、キャンパスノートとnoteを用意することをおすすめしています。書き出すだけで、いい気分転換になるので」

とはいえ、赤子を育てながら、トレンドを追って、調査をして、執筆をするのはなかなか大変なはず。渥美さんはどんなスタイルでnoteを更新していたのでしょうか。

「目の前の息子との時間を一番大事にしたかったので、noteを書くのは、子どもが寝てからと決めていました。日常の中で常にネタは探していて。たとえば、定期的にコンビニに行って、変わったものや美味しそうなものをチェックしたり、全体の棚の雰囲気を見たり。ある程度定点観測をしているものがあるので、その変化の中にネタを見つけます。仮説を立てて隙間時間に調べて、リードが浮かんだら、2時間くらいで一気に書き上げる感じですね」

専門領域のマーケティングは仕事の中でやっているものの、当初は文章を書くことには苦手意識を持っていたそう。

「会社で文章を書くこともあったんですが、まとまりがなくて。noteを始めるときは、水野仁輔さんの“なぜ〜?”から始めるフレームを真似ました。おかげで以前よりはスラスラ書けるようになりましたね」

画像4

また、noteを書くだけでなく、他のクリエイターのnoteを読んで交流する過程で、心にも変化があったと言います。

「noteを始めてから、心が健やかになった気がします。アルカリ性だったり酸性だったりした心が今は”中性”というか、とてもフラットなんです。素直に誰かを褒めたり応援したり、嬉しい気持ちや悲しい気持ちに共感したり。30代になったこと、母になったこともあるかもしれませんが、健やかに人と関わるお手本を、スキをはじめnoteのさまざまなアクションやnoteで出会った仲間たちの姿から学んだんだと思います」

noteを起点に、仲間と一緒に文化を育む

noteでつながった仲間たちと一緒に始めた #新しいお月見プロジェクト 。きっかけは、渥美さんのTwitterでした。

「このツイートから数日後、noteで出会った人たちとbar bossaに行ったときに、お月見の話で盛り上がったんです。みんなでお月見をリデザインしていこうって。何も決まってないうちにnoteを書いたら、共感してくれた人たちが“お月見仲間”になってくれました」

集まった仲間たちとDMでやりとりをしながら、9月22日をお月見の日として、その日に向けてnote上で「#お月見コンテスト」を開催。60本以上の投稿でネット上で盛り上がりを見せたのちに迎えた当日、bar bossaを会場に「新しいお月見会2020」が開かれました。

「もう本当に楽しくて!コンテストやイベントに参加してくださった方にも喜んでもらえて、恐縮しつつも嬉しかったですね。私はプライベートで自分から何かをやるタイプでは全くないんですが、集まってくれたプロフェッショナルたちに支えられました。お月見はライフワークになりそうです」

画像4

熱量高く語る渥美さんの目はすでに、来年のお月見を見据えています。

「今回、note上でいろんな人のお月見に対する視点や想いが集まって。カルチャーってそういうところから生まれるんだと思うんです。今の暮らしに溶け込んだ新しいお月見というカルチャーをnoteを起点につくっていきたいですね。いろんな人を巻き込みながら、私はその全体の動きをウォッチする番人になろうかなと思っています」

noteを起点に、食のトレンドを追いかけるにとどまらず、トレンドをつくって食文化を育もうとしている渥美さん。彼女がウォッチしている食文化を、ぜひ、覗いてみてください。

■noteクリエイターファイル
渥美まいこ

食トレンドを追いかけながら社会変化・消費行動を考察中。フォローしているだけで「最新の食トレンド&背景」がわかるアカウントを目指してます。時々抽象的なことも語る。普段は食×マーケティングメディアFoodClip(http://foodclip.cookpad.com)の編集長。
note:@atsumimaiko
Twitter:@atsumi_maiko

text by 徳 瑠里香 photo by 平野太一





みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!