【マンガで学ぶ】飲食店を起業したい人はラーメン発見伝を読むべき
先日、下記のセミナーの打ち合わせのため、岐阜の喫茶星時さんと関市のカフェアダチさんと食事をしていました。
その際、「舟戸さんはどんな漫画を読みますか?」と尋ねられ、わたしの大好きな『ラーメン発見伝』をおすすめさせていただきました。
※Kindle電子書籍で1~2巻無料です
すると、すごくお気に召していただいたようで、続編の『ラーメン才遊記』、最新シリーズの『ラーメン再遊記』までご購入いただいたと聞いて、おすすめしてよかったなと。
漫画の感想を語るなかで、「これは飲食店を開業する人にぜひ読んでほしいマンガですよね」なんて話をしていました。
というより、「飲食店をやってきた人なら"あるある"と共感することが多いマンガ」といったほうが正確かもしれません。
ラーメン発見伝ってどんな漫画?
ラーメン発見伝は、サラリーマンの主人公がラーメン屋台をやりながら、ラーメン事業者や客(あえてお客様とは言いません)などに触れていき、自分のラーメン店開業を目指す物語。
そのなかには、ネットで大人気のキャラクター「芹沢さん(通称ラーメンハゲ)」もおり、1人でメインヒロインから師匠からラスボスまでをこなす最強の人気キャラクターになっています。
ラーメンハゲの好きなところを話していると、それだけで1記事書けそうなので、いったん横においておくとして…。
本題は、なぜこのマンガを飲食店を開業されたい方に読んでほしいか?です。
ラーメン発見伝を読むと、コンセプトが分かる
ラーメン発見伝を読んでも別に飲食店経営のことが分かったりはしません。
少なくともこのシリーズでは、原価をガッツリ計算した数字が出てくるなんてことはありませんし、具体的にこんなノウハウをすれば集客ができる~なんて話もありません。
でも、特に飲食店オーナーだからこそ抱える経営上のトラブル、客とのトラブルなどの事例がたくさん出てきます。
1巻からすでに
「理想のラーメンを掲げていたけど、利益を追求する中で手抜きラーメンを作ってしまった店主」
「オープンしてすぐに客から言われた感想を取り入れてしまい、特徴のないラーメンを作るようになってしまった店主」
「高齢化によって思うように体が動かなくなってしまった店主を技術の力で解決する」
といった内容で、完全に"ラーメン経営者"が中心のストーリーになっています。
ラーメン発見伝は特に主人公が「ラーメン店を開業するまで」がストーリーの主軸なので、「ラーメンやラーメン屋に対する想い」の部分がメインのお話が多めです。
開業前に自分のお店のコンセプトが答えられないオーナーは多い
…で、いよいよ「なぜこのマンガを読んでほしいか?」なんですが、わたしがカフェ開業サポートに携わっているとき、「どんなカフェを作りたいですか?」といった質問をよくしていました。
そんなもの答えられて当たり前!と思われますか?
でも、私の体感で言えば
「どんなものを提供したいか」
「どんなお客様に来てほしいか」
「どんな場所にお店を構えたいか」
「いくらぐらいの単価か」
などをよどみなく答えられる人はほんの2~3割程度です。
飲食店、特にカフェはそうかもしれませんが、"漠然とカフェ開業をすること"がゴールになっていて、"その先"を想像していない人は少なくありません。
でも、まさにそんな人に読んでほしいマンガが『ラーメン発見伝』なのです。
このマンガを読んだからといって、飲食店経営ができるわけではありません。
それに、このマンガからあなたの飲食店のイメージが明確になる!…ということもそうないでしょう。
でも、このマンガのセリフやシチュエーションに対して、現役飲食店オーナーなら感じることが1つはあるのも事実です。
お店のコンセプトを練るときに、なんの参考にもならないということはないはず。
これから飲食店開業を考える方はぜひ一度お手にとってみてはいかがでしょうか?
その後の続編シリーズ
シリーズ2作目。主人公が入れ替わり「創作ラーメンの天才だが、料理以外のことは何も知らない」女性が主人公になる。
ラーメンコンサル会社が舞台ということもあって、ラーメンの味づくりなども「ただ美味しい」ことだけでなく、立地や需要など、飲食店経営のなかでの位置づけが焦点になってくる。
※Kindle電子書籍で1~2巻無料です
最新作で、まだ現在連載中。主人公が大人気の芹沢になり、創作ラーメンやラーメン経営というよりも「普遍的なラーメン」を探すことがテーマに。
飲食店を経営して何年もたったころに読むと味わい深い…かも?
※Kindle電子書籍で1巻無料です
ラーメン発見伝以外で読んでほしいマンガ
ラーメン発見伝が「飲食店オーナーを志す人」に読んでほしいマンガだとしたら、「飲食店スタッフ」に読んでほしいのが『バーテンダー』。
バーを舞台に、さまざまなお客様との触れ合い、「サービスの本質」について触れていくマンガです。
※Kindle電子書籍で1巻無料です
飲食店は今、人件費の高騰や人材不足により「高単価で極端に属人性が高いお店」と「低単価で属人性が低いお店」にそれぞれ二極化しています。
個人の飲食店は、間違いなく「高単価で極端に属人性が高いお店」に今後はシフトしていきます。
そんな時代を迎えるにあたって飲食にかかわる人にぜひ読んでほしいマンガです。
ちなみに、こちらもカフェ・アダチさんにおすすめしたところ、レビューブログまで書かれていました。
バーは飲食店のなかでも、極端に属人性の高いジャンルだと思います。
これをそのままほかの業態に取り入れることはできませんが、少なくとも”サービス"について考えるときにはきっと役に立つ本だと思います。
ちなみに、もし漫画バーテンダーを気に入ったら、同じ作者の方が書かれた『バーテンダーの流儀』もおすすめですよ。
名古屋市千種区でコーヒーセミナー運営、コーヒー豆・器具の卸売り、直営カフェを運営するnote合同会社の公式コラムです。