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46.しあわせと思うこと、しあわせと思えることが大切なのよ!そして、勇気よ!
「人生に失うものなんて何もないわ!」
『人生は獲得のみであって失うものは何もない』
ジャーナリスト千葉淳子さんのお母さんの言葉です。
淳子さんは壮絶なガンとの闘いの末、亡くなりました。
闘病中に綴った「いのち」の記録は一冊の本になり、ベストセラーとなりました。
ある時、大切な娘を失った淳子さんの母、富貴子さんが、私にこんな手紙を見せてくれました。
「淳子、二十六才まで生きてくれてありがとう……。
淳子、二十六才まで育てさせてくれてありがとう……。
そして淳子、あなたを生ませていただけたことに感謝します。
わたしにあらゆることを教えてくれて、幸せをたくさんくれた淳子…。
もう一度生まれるときが来たなら、もう一度わたしの娘になってください。
もう一度、あなたの母になることを、わたしは望みます。
そして今度は、わたしの最期を見とどけてください。
今は、あなたの分まで明るく元気に、一年でも二年でも生き続けます。」
母娘は、日本─ニューヨークと離れ、何百通という手紙を交わし続けました。
「お母さんありがとう。わたしのお母さんでいてくれてありがとう。
何もできなかったけれど、二十六才まで生きました。
二十六年、生きられたことに感謝します。
ほんとうに生まれて良かった。
ほんとうに今まで生きられて良かった。
お母さん、この先の人生を一年でも二年でも長く生きてください。
わたしの分まであなたに生きてもらうことが、わたしの望みです。
もう一度生まれるときがあるならば、もう一度わたしの母になってください。
あなたの娘でありたい、それがわたしの願いです。
お母さん、ありがとう。母でいてくれてありがとう・・・・・。」
富貴子さんは淳子さんからの手紙に綴られた想いを慈しむように、そして笑顔で、幸せそうに語ってくれました。
人はモノを失くすと、失くしたモノばかりに目を向けてしまいます。また、無いものばかりを追い求めてしまいます。
しかし富貴子さんは、我が娘を失うという不幸にではなく、娘がいてくれたことをみつめました。二十六年間の娘のすべてに感謝する六〇歳近い母、富貴子さん。その想い出と共に、これからも幸せに生き続けると宣言されました。その真に強い姿が印象的でした。
富貴子さんは、「人生は獲得のみであって、失うものは何もない」と言い、これからの新しい人生を、もう一度淳子さんと生きる決心をしました。つまり、娘の成し得なかった先の二十七年、二十八年を娘と共に生き、娘の記録を世に伝える役目を果たそうと考えたのです。
わたしたちはとかく、あれが無い、これが無い。こうすれば良かった、ああすれば良かった。お金がなければ、お金があったなら。病気であれば、病気でなければ。事業が上手くいっていなければ、事業が上手くいっていれば。時間がなければ、時間があれば。相談する人がいなければ、相談する人がいれば・・・と、考えてしまいます。
そして、不幸を嘆き続けます。
失ったモノばかりに心を奪われてしまうのです。
しかし、得てきたものが必ずあるはずです。
私には、お金はないけど健康がある。私には才能はないけれど、努力することができる。私は美人ではないけれど、健康でいられる…というように、失ったものではなく、得たものを見つける努力も必要な気がします。
日々元気で無事に、まず生きていることが最大の獲得であることは間違いありませんね。人は考え方や思い方によって、人生観を変えていくことができるからです。
富貴子さんは、「わたしも淳子もとても幸せでした」と言い切きります。
つまり、幸福と思える心が幸福を生み、不幸と思う心が不幸を創りだしていくのです。
幸福は心の力。
幸せと思うこと、幸せと思えることが大切だと、富貴子さんはくり返し語っていました。「幸福に生きよう」と決断する勇気こそが、真に生きる力なのかもしれません。
『人間には誰もが幸福になる権利がある。人間には誰もが努力する権利がある』
富貴子さんは、淳子さんが遺したこの言葉を、娘と同じように病気で苦しむ人たちに差し上げながら、今を生きています。
アメリカの事業家で哲学者のロバート・ルイス・スティーブンは、千葉淳子さんの記録を読み、こんなコメントを残しました。
「決して絶望などしない。いつか必ず取りもどす。
誰もが日暮れまで、いかに辛くても、その荷を背負うことができる。
誰もが一日の間、いかに辛くても、仕事をすることができる。
誰もが日が沈むまで楽しく、忍耐強く、愛情をもって粋に生きることができる。そして、これこそ人生の真に意味することなのだ」
…… 合掌 ……
©Social YES Research Institute / CouCou
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「死への準備」千葉淳子(あつこ)著 文春文庫より。一度、読んで見ませんか?
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/58398556/picture_pc_692840fbd2910b31156d802ab818a685.jpg)
生前、淳子さんの母君、富貴子さんとお話しする機会がありました。淳子さんの死後、「母への手紙」という記録を一冊の本にして母と娘の手紙を公開しました。これは、淳子さんと富貴子さんの生きてきた証として記録された本でした。
人は、この世を去る者と、残される者に分かれていますが、残される者の悲しさや辛さよりも、去る者の悲しみの方がとても大きなものだと思いますが、この二人には感謝しか残されていませんでした。富貴子さんは私に向かい、悲しさを話すのではなくて、淳子さんの生まれた喜び、育てさせていただいた嬉しさ、成長する様を見守るという幸せと感謝の話しかありませんでした。まるで、この世を去ったばかりなのですが、ふたりの言葉は喜びの言葉しかありませんでした。
私はその話を聞き、本を読みました。すると、ふたりは一卵性双生児のように考え方は瓜二つ、いや、瓜ひとつのような錯覚を感じてしまいました。淳子さんの「死えの準備」は残された母への感謝のメッセージと、最後の最後までジャーナリストとしてのドキュメント記録として残された本のような気がしています。
私は母親である富貴子さんの幸せな言葉に思わず涙が出てしまいました。そう、人生はすべて、振り返れば、すべてが素晴らしく輝いているものなのですね。
「しあわせと思うこと、しあわせと思えることが大切なのよ!そして、勇気よ!」この言葉は今でも忘れられない大切な言葉の一つです。
coucouです。いつもありがとう。ごきげんよう!
今日も幸せにね!
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