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26.どうやら、人の言葉って、わたしの人生を左右するようです。

「こんなことしかできませんが…」
 
最近の喫茶店は大手が主流を占めていて昔ながらの個人店が少なくなりました。
しかし先日訪ねた、この町には大手の喫茶店などありませんでしたが、昔ながらの小さな喫茶店を見つけ入いりました。どうやらこの店は若い夫婦で営業しているようでした。
私は熱いコーヒーを注文しました。やや時間がかかりましたが、テーブルにコーヒーが置かれたとき、
「この焼き菓子はいかがですか?今、わたしが焼いたばかりです。少し食べてみてくださいね…」
 と、一瞬、親しげに笑顔で話しかけられオヤジ(私)は驚きました!
「ありがとう…」。
一時間ばかりで立ち去ろうとし、レジで精算し、350円のコーヒー代を支払いました。すると、レシートと一緒に焼き菓子が小さなビニールに何個か入っており、お土産としてもらいました。
私は、「何か今日は記念日ですか?」と質問すると、
「いえ。いつの日かまた寄っていただきたい…。こんなことしかできませんが…」と笑顔でいいます。
 私は、きっと、またこの店に来てしまうだろうなと思ってしまいました。

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「こんばんは…」「ありがとう!」

仕事の帰り、夜道を歩いていたら、前から小学生三・四年生ぐらいの女の子二人が見ず知らずの私に向かって、
「こんばんは!」「お気をつけて!」といいました。
私は驚き、なぜか慌てて「こ、こ、こんばんは!」と答えました。
私はその子たちの後ろ姿を見ましたが、親らしき人たちは回りにはいません…。

私はこのときに、なんともいいようのない罪悪感と感動を覚えました。
彼女たちは、こうしなさいと親や先生か誰かに教わったのでしょうか?
すると、私の後ろを歩いていた人たちにも、二人は同じように声をかけているのです、
「こんばんは!」「お気をつけて!」と挨拶していました。。
後ろを歩いていた女性は、笑顔で「こんばんは!」「ありがとう!」と自然に返していました。

この二人の子たちはこうして多くの人に何かしら影響を与えているのかもしれませんね。

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「おお!元気そうじゃん!」

最近、体調が悪い。まあ十年以上の持病だからやむ得ないことです。
久しぶりに会った女性が私の姿を見て、「調子悪いんじゃあない!」「無理しすぎだよ!」「大丈夫?」などと心配をして声をかけてくれました。
鏡を見てもたしかに少しやつれているような気がしました。
まあ、心配してくれているのだから感謝しなければいけないのですが、もう年だし、気が重くなって来ました。

 その後、友人と久しぶりに会いました。その男性は私を見て、
「おお!元気そうじゃん!」「なんか顔色がいいなあ!」
なんだか、その言葉を聞いて嬉しくなり、その友人の顔を見ていたら元気が出てきた気がしました。


どうやら、人の言葉は私の人生に何かしら作用するようです。

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「山のあなた」

山のあなたの空遠く  「幸」住むと人のいふ。
噫、われひとゝ尋めゆきて、
涙さしぐみ、かえりきぬ。
山のあなたになお遠く  「幸」住むと人のいふ。

この頃、カアル・ブッセ(上田敏訳)の言葉を想いだします.。
山の彼方 (あなた)を空遠く、越えたかなたに幸せがあるという。
ああ、わたしはそれを求めつつ人生を生きてきた。
しかし、わたしは涙を浮かべ帰って来る。それでも山の彼方 (あなた)の遠くには幸せがあるんだと人は言う…。

この詩は私にとってあまりにも悲しく、あまりにも儚く聞こえてしまうのはなぜでしょう?
辛さの中にだって幸せはあるものだし、幸せの中にだって辛さはあるものだよ、と心地のよいリズムをこの詩は与えてくれます。
この詩は小学校国語の教科書と、三遊亭円歌 (当時、歌奴)の自作落語「授業中がヒットして歌奴が一躍人気者になったことを覚えています。

幸せって何だろう?「山のあなた」はそう語りかけているのでしょうか。
幸せって幸せな人には幸せはあまり感じられるものではなく、幸せは幸せでない人だけに幸せを与えてくれるような気がします。


だって、「辛い」という文字に一本線を入れるだけで「幸せ」になるからです。

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ごきげんよう!coucouです。いつも読んでくれてありがとう!感謝しています。


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