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あなたにとってのリモアカとは? ~コロナと今年の音楽活動の振り返り~

この記事は、「アカペラアドベントカレンダー2020」の16日目の記事です。
◆アカペラアドベントカレンダー2020 URL
https://media.acappeller.jp/feature/8105/

今年もあと少しですね。
皆さん、いかがお過ごしでしょうか?

ATSUSHI KOJIMA(こじこじ)です。

今年もアカペラアドベントカレンダーに、
参加させていただくことにしました!

自己紹介も踏まえて、昨年の記事を貼っておきます。
興味ある方は読んでみてください。
https://acappel.love/other/3056

まえがき

今年は、ほんとに、コロナ 一色でしたね~。。

私が携わっている劇場・ホールでは、全国的に2020年3月~8月まで、9割以上のイベントが中止という状況でした。小さいライブ会場は、言うまでもないかと思います。

大きなダメージを受けてしまいましたが、色々試行錯誤する中で、イベントにおける感染対策や、無観客ライブ配信など、新たな知識を得た1年だったように思います。回復するときを見据えて、今は色々準備をする期間だと信じ、前を向くしかないですね!

日本は芸術に興味を持っている人が、全体の2~3割といわれており、非常に関心が薄いというのが分かります。芸術は二の次になり予算も割かれていない、ミュージシャン・アーティスト、また芸術の業界に対しての支援体制など、コロナによって浮き彫りになったように感じています。


今年取り組んだリモートでのアカペラのお話!

さて、ここからはアカペラのお話!笑 

皆さんは遠隔で重ね合わせて演奏するアカペラ、「リモートアカペラ」をもう取り組まれましたか? (以降リモアカと省略) コロナでライブや練習等、実際に会って歌う機会がなくなってしまい、リモアカをされた方は多かったのではないでしょうか。

最初にアカペラーの皆様に質問をさせていただきます。

あなたにとってのリモアカとは何ですか?

正解の答えなどありませんが、自分の答えを考えながら、
長文になりますが、最後まで読んでいただければ幸いです。

お話したい2つのこと

私は随分前からリモアカをやってきた身ですが、コロナによってリモート演奏に火がついたおかげで、いつもより新しい経験や出会いが沢山あったように思っています。

今回は、この1年で取り組んだ、リモートでのアカペラ活動として、

・ リモートアカペラ動画コンテストへの参加
・ nanaでの出会いとボイパ即興コラボ

この2つのお話をピックアップして、ご紹介してみようと思います。

また、リモアカの制作過程や、実際にやってみての楽しさや難しさなども踏まえ、私なりの「行き着く答え」を、少しお話してみます。


① 「リモートアカペラ動画コンテストへの参加 」


1つ目の活動は、リモアカの動画コンテストに参加したことをご紹介。

・リモアカの大会 【Acappella Pleasure】とは

このコンテストは、「リモートアカペラ演奏動画を使った今だからできるアカペラコンテスト!」と題して、スタジオベースオントップ主催のもと、2020年6月~8月にかけて行われたリモートアカペラの大会です。予選期間ではYouTubeにて応募動画を公開し、高評価の多い動画上位10組が決勝に進出。決勝当日ではオンラインYouTube配信にて最新動画を放映、リアルタイム一般投票で各部門の勝者を決定するというものでした。今年は、第1回・第2回と開催をされています。
Acappella Pleasure 
Twitterアカウント @ac_pleasureAcappella
YouTubeチャンネル Acappella Pleasure

・所属バンド「NEO DREAMS」が決勝大会で、
ベストアレンジ賞 を受賞!

所属バンド「NEO DREAMS」でコンテストに参加し、決勝大会に進出することができました。決勝大会で用意し演奏した曲は、「YORUSHIKA MEDLEY」と名付けた、今注目を集めるヨルシカの人気曲を、8曲詰め込みアレンジした作品。決勝大会ではクオリティの高い作品が並ぶ中、見事、ベストアレンジ賞 をいただくことができました。これはバンド一同、本当に嬉しい出来事でした。

短期間で意見を出し合い、チームの皆で1つの音楽(作品)を作り上げれたこと、そして一緒に結果もついてきたことに、とても達成感があり、今後のそれぞれの音楽活動につなげれるものになったと思いました。

NEO DREAMS 
バンドプロフィール https://bit.ly/2Kp6Xvg
Twitter  @_NEODREAMS_     https://twitter.com/_NEODREAMS_

・なぜコンテストに出場したのか、

NEO DREAMSは、メンバーの居住地が東京・千葉・岡山・香川と離れており、皆が集まって練習するのは、基本ライブ当日の数時間しかありません。それを穴埋めするために今まで、リモートアカペラ、多重録音などを駆使して練習を行ったり、曲の完成イメージを共有したりしてきました。直接メンバー全員が集まったのは、まだ1回のみ。時間にすると2時間しかありません。笑

昨年からメンバーの結婚・出産・転職などなど、環境がどんどん変化する中で、今回のコロナに直面しました。もういい大人なので、それぞれ色々ありますし、時間も限られてきます。笑  今後、より集まれないこと、またバンドの「今」を残しておきたいという思いもあり、リモートアカペラで新曲を取り組もうと模索していました。そこに、偶然このコンテストを見つけて参加してみようという話になりました。

・YORUSHIKA MEDLEY (ヨルシカメドレー)の
「音楽の構想」と「編曲アレンジ」について

アレンジは、私が中心になりバンドメンバーや他のアカペラ仲間と、沢山意見を出し合いながら完成に至りました。より客観的な意見がほしく、全国各地のアカペラサークル所属の方や、色々なミュージシャンにもご協力いただきました。関わっていただいた方、この場を借りて、改めて本当にありがとうございます。

■ 音楽の構想
まず、今回はカヴァーするアーティストを選ぶところからでしたが、話題性、他との被りを避けながら、今の時代にあったヨルシカを選びました。原曲を何十曲と聞き込み、SNSや音楽アプリなどの情報から、今何がよく歌われているのか調べ、人気の高い8曲を選曲しました。

ヨルシカの歌詞は深い意味をもっていて、とても繊細に作られているため、時間をかけてアレンジを取り組みました。曲や歌詞の読解、原曲の楽器編成、フレーズの抜粋、ストーリー性・各メンバーの声質に合わせたの曲の振り分け、曲順、転調など、構想するだけで1ヶ月ほど掛かったと思います。1曲なら2~3日でアレンジすることが多い私ですが、メドレーというのは相当大変だなと痛感しましたね。笑

■ 編曲アレンジ
基本的に、リモートでうまく歌えるように、また短時間で練習ができるよう、複雑なことはせず、なるべく簡単にアレンジしたつもりです。とはいうもの、アレンジって後々にこうしておけば良かったなーとか出てくるんですよね~笑 

アレンジの聞きどころは、、、えっと........
書けばキリがないのでやめておきますww

ただ、少しお話すると、メンバーの特徴のある声が活きるよう、5人がリードを回し、6人全員で歌唱する部分も作ったり、聞き手も歌い手も飽きさせないよう、見せ場は沢山盛り込みました。

正直リモアカだと、何重にもハーモニーを重ねることができますが、私の "こだわり" として、6声以上のパートは使ってないということ。それは、ライブ等で6人が揃ったとき、そのままのサウンドが再現されるようにしているからです。

ちなみに、今回のコンテストで、「Pentatonix みたい~!」とコメントをいただきましたが、バンド自体がPentatonixのカバーも演奏しているため、あえて寄せたアレンジにしている部分はあります。笑

NEO DREAMSの特徴として、コーラスの2ndが高めの男声、3rdが低めの女声となっていて、男女反転させ和音を組んでいることで、ハーモニーの鳴り方も特殊になっています。また、曲で使えるレンジ(音域)の幅が広いこと。特に低音域は、男声ベースはC1まで、3rd女声はE2まで最低音を出すことができます。男声女声共に重低音が揃っているバンドは、なかなか見ないのではないかと思っています。笑

・リモートアカペラ動画の制作過程

コンテストの作品は制作期間がタイトだったため、バンドメンバー内で、音源・映像・カット割・歌詞入れの制作を分担しました。

リモアカの制作過程は人それぞれかと思いますが、今回の場合、パート音源を作成し、それを聞きながら録音するというもので、録音機器はメンバーの自宅にある、コンデンサーやダイナミックマイク、スマホ本体、イヤホンマイク、レコーダー等、バラバラな環境で録音しています。集まった音源をMIX。映像は、あとから音源に合わせて撮影といった流れです。

音源編集は、GarageBand
映像編集は、FINAL CUT
歌詞入れなどは、他スマホアプリを使いました。

編集作業は、何のソフトを使うというより、正直センスが大事だなと思っている身なのですが、構想をしっかり考えて当て込む感じでやらないと失敗するなと思いました。笑 

リモアカは、歌唱技術もそうですが、それ以外に、歌える環境を整えられるか、レコーディングに慣れているか、また緻密なスケジュール管理やメンタルなど、色々問われるかと思います。

私は音源のMIXを担当しましたが、今まで色々と音源の編集作業はしてきたものの、製作期間が2週間ほどしかなく、結構労力と時間は使いましたね!笑

MIXは適当に触りながら独学でやっているので、まだまだ勉強中です。。アカペラのMIXはあまりお手本が出回っていないですし、音楽の方向性によってもやり方が変わるので、とても難しいですね。バンドメンバーでもよく意見交換をしました。

作業工程にまだまだ細かいことはありますが、いつも思った以上の内容を実現してくれるメンバーには、頭が上がらないですね。本当に感謝です!

・コンテストを通して感じたこと

YouTube配信という新しい企画のイベントを経験できたこと。
みんなで1つの作品を作り、バンドとして一体感が増したこと。
みんなで良い音楽ができ、結果がついてきたこと。

これに尽きます。

アカペラを長年やっていても、なかなか音楽的にどこを評価されているのか分からないことが多々ありましたが、これからも自分たちの音楽をやっていけばよいのだな。と、この大会が少し教えてくれたような気がします。

② 「nanaでの出会いとボイパ即興コラボ」

2つ目の活動は、nanaでの活動についてご紹介。

・音楽投稿アプリ nana とは

既にご存知な方は多いと思いますが、投稿されたサウンドに歌や演奏を重ねることで合唱やアカペラ、バンド演奏など、音楽コミュニケーションを楽しめるアプリです。  と、検索したら出てきました。笑

誰かのピアノやギターの伴奏に歌をのせたり、楽器のセッションなど、重ね録りが手軽にできる音楽アプリです。最近は、DTMなどのサウンドをアップする方も多いですし、ライブ配信が2019年から開始され、更に音楽などのコミュニケーションの幅が増えました。

・nanaでの活動 ボイパ即興コラボとは

nanaは、2014年に初投稿してますので、もう6年ぐらいの間、ちょこちょこ使っていましたが、2019年のライブ配信が始まってから、今やアプリを開かない日はないぐらいの頻度になっています。

配信をされてる方は、歌唱力のある歌で引き寄せる方が多数いるのはもちろん、ピアノ、ギターなどの楽器奏者、作詞作曲編曲される方など、色々な場所で音楽活動されている方とも、ふれあうことができます。

今までは自身のアカペラ音源をアップしたり、ドラムとして歌や楽器のサウンドにコラボするなどしていましたが、

昨年から、nanaの配信枠にお邪魔し、配信者の過去投稿のサウンドを流して、ボイパで即興コラボ(ドラムを入れる)活動をメインに動いておりました。基本、私は聞いたことない曲でも、ある程度合わすことができるので、それをnanaで活用できないかと思い始めたのがキッカケでした。

nanaアカウント 

・ボイパ即興コラボをやってみて

最初は嫌がられるかなと思っていましたが、お伺いを立てながら実際にやってみると、意外にも喜んで感動してくださる方が多かったです。これまでに何百人と即興コラボしましたが、9割以上の方には好印象だったのではないかと思います。

アカペラやその他アンサンブル経験が少ない方は、合わせてもらえるだけで嬉しかったり、ソロでやってる方が多いので、相手と何かを作る楽しさを求めてる方が多いことがわかりました。

・nanaを通してできた新たな出会い

nanaをやっている年層は、10代〜50代と幅広く、相手とコラボすることがメインの私としては、様々な音楽に触れることができるので、とても楽しい時間です。コロナによって、nanaユーザーは増えていると思います。

様々な出会いがあり、めちゃくちゃ歌や楽器が上手い人もいれば、そうでない人もいたり、プロミュージシャンもいれば、趣味で楽しくやってる人もいるので、そこも様々なnanaの音楽のあり方だと思っています。

活動していく中で、多くのアカペラーとも出会うこともできました。少数ではなく、何十人と。純粋にアカペラで音楽を楽しんでる姿がそこにはありました。
そして、改めて気づかされたことがあります。未経験でもアカペラをやってみたいと興味を思っている人が、世の中に沢山溢れているということ。また、歌が上手い人は自分で多重録音をして、アカペラをしているということでした。既にアカペラやっている人達は、なんでここにスポットを当ててあげないんだろうなぁと、とても思います。
私がアカペラサークルに所属せず、自分でメンバーを集めて活動してきたというのも多少影響しているのかもしれませんが、とても歯がゆい、もどかしい気持ちになってしまいました。

コロナ禍で外に出られなくても、こうやって新しいつながりを作ることができました。nanaをやらなければ、出会えなかったろう人たち。

今後もそういった仲間を大切にしたいです。

現在、nanaのライブ配信で出会った、アカペラ経験者や、アカペラに興味を持っている未経験者と一緒に、リモアカ企画をやっていきたいなと思い動いています。お誘いできていない方も沢山いますので、徐々にお声掛けできたらなと思っています。


みんなで共同して作る音楽を、アカペラで楽しみたいですね!

・nanaでヒットしてる曲は流行の最先端!?

今年流行った、香水、夜に駆ける などを知ったのは、ブレイクする半年以上前でしたし、ボカロ系のAdoや、本格派といわれる藤井風など、デビュー前にnanaをキッカケにして知ることができました。

他にも音楽アプリは多数あるかと思いますが、確実に音楽の最先端の情報が溢れる場所だと思っています。

・nanaは自分の音楽領域を広げられる

ボイパ即興コラボをしていると、普段自分では聞かないジャンルの、新しい曲や知らない曲を多く知ることができます。最近は音楽の流行りのスパンが早いので、追いつくのも大変ですが、時代と共に変化を遂げている楽曲と歌声に触れることができるのは、とても勉強になります。
コラボ活動によって、ボイパの音色作りや、アンサンブル力、音楽知識など、相当プラスになっていると感じています。

・nanaの活動を通して感じたこと

ボイパ即興コラボを通じて、多くの出会いとつながりができ、また幅広い音楽に触れることで、自分のレベルアップになったと感じました。

そして、nanaには、ちゃんと「歌」を歌っている人が多いこと。歌詞を伝えたり、自分の声を推したり、魅せる歌い手が多いこと。そんな人たちの多くが、アカペラをやってみたいと思っていること。

これは、アカペラだけやっていては分からない、本当に大切なことだと思っています。

リモートでのアカペラを通して思うこと (リモート or リアル)

最近、演奏は「リアルが良い」「リモートが良い」と平行線な話をしたり、「リモートでのやり方がわからないし、環境も整ってないからできない」とか「リアルでのライブで仲間とハモる方が楽しいんだ」など、そういった話をしてる方が多い気がしています。

人それぞれのアカペラや音楽の楽しみ方があるというのは百も承知ですが、リモートをやるから見えてくるもの、そして、リアルにもつなげれるものがあると思っています。

私にとってのリモアカとは何か

あくまで、私の意見ですが、
ただの音楽活動の通過点でしかない。
これが私の答えです。

同じ考えの人が、どれだけいるかわかりません。
でも、リモートがあるから、リアルにつなげれる時代ではないのでしょうか?

リモートでもリアルでも関係ない!
良い音楽を作り込み、自分たちの音楽を相手に届ける!
自分たちも向上したり、仲間と一体感を楽しめる!
沢山のつながりが増える!
それが手軽に視聴できる!

アプリや機材など簡単に入手でき、プロもアマチュアも皆が同じ土俵に立てる今、やるやらないでなく、色々な道を歩ける選択肢が見えたということです。

まとめ 〜 皆さんの答えは決まりましたか? 〜

ここまで私の今年の活動について、大きく2つのお話をしましたが、いかがでしたでしょうか? これは私の個人的な意見ですが、リモートでアカペラをやっているから経験できたこと、得れたものがとても多いと思っています。

コロナによって、「アカペラや音楽をする人がいなくなってしまうのでは?」とか、「全体的にアカペラ業界自体が衰退していくのでは?」とか、危機感を持っているような話もよく耳にします。

ですが、まずそれを話題に出し考えること自体が、危機感だと私は感じています。

リモートかリアルかという論争も増えましたが、身体全体と空間で感じる、生の音楽には勝てません。それは日頃から沢山音楽の場にいるので、日々身に沁みて分かることです。

また、そういった話をしているのも、アカペラ以外はあまり聞きません。少なくとも自分のアカペラバンドや音楽仲間には、それを口に出す人はいません。なぜなら、音楽は消えることはないからです。

コロナによって、リアルでのライブなどは対策や制限など、これからも厳しい状況が続くでしょう。

それとはうまく付き合いつつ、日々「新しいアカペラの種」を見つけながら、可能性を探っていくことが、今後のアカペラライフを作るのではないかと考えています!

おしまい。

以上で、今回の記事はここまでにしたいと思います! こういった活動や考え方があるんだなーぐらいで、 頭の片隅に置いていただければ嬉しいですし、 少しでも皆さんのアカペラと音楽ライフにプラスになれば幸いです! 

読んでいただき、ありがとうございました!

アカペラアドベントカレンダー2020

アカペラアドベントカレンダー2020の記事一覧は、
下記よりチェックできます! 

https://media.acappeller.jp/feature/8105/

是非、他の記事も沢山読みまくっちゃってください!!

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