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243.コミック、漫画レンタルの仕組みと著作権。CDやDVDと同じだね~

1.大手の貸本屋さん著作権料払って下さい
   著作者には「貸与権」が認められている


 
「大手の貸本屋さん、著作権料払って下さい。」文化庁は、2003年(平成15年)9月30日、音楽CDや映画ビデオに認められている著作者の「貸与権」を小説や漫画本などの出版物にも認める方針を決めた。

これまで零細貸本屋を保護するための、書籍や雑誌は対象外だったが、大手レンタル店の参入などで大量の貸本が流れ、著作権侵害の懸念も強まっていた。

文化庁は時期通常国会に著作権法の改正案を提出する方針で、大手レンタル店は早ければ2005年から、作家や漫画家への著作権料の支払いを義務付けられることになる。

貸与権とは、著作権法が定める著作者の権利。邦画ビデオの場合、レンタル店は映画会社や脚本家らへの著作権料を上乗せして、市販品の三〜四倍の価格でメーカーから買い取っている。

音楽CDも作者や演奏家、CD会社などに貸与権があり、文化庁によると、レンタル店から年間約百億円の許諾料が支払われているという。
ただし、書籍と雑誌については、零細貸本業者が出版文化発展の一翼を担ってきたことなどを配慮していたため、貸与権の適用外とされていた。

しかし、今日では、新古書店やビデオ・CDレンタルの大手業者が、この貸与業に参入。こうした店の乱立を懸念した漫画家の組織「二十一世紀のコミック作家の著作権を考える会」が貸与権の獲得に乗り出していた。また、八月には、作家や出版者などの関係十五団体が「貸与権連絡協議会」を発足。

レンタルブック店は、ビデオレンタル店との併設が多く、漫画を中心に、ベストセラーの新刊本などを扱う。
同協議会の調べによると、「現在全国に二百店ほどだが、さらに成長する可能性がある」と恐れている。

ちなみに海外にはこの出版物の「貸与権」というものはない。
しかし、そのため問題も数多く発生している。

韓国では、そのため八千のレンタルブック店が急成長し、漫画の販売部数はピークの十分の一にまで激減し、廃業に追い込まれた漫画家も多くいるという。

それでは、小さな貸本屋さんもなくなってしまうのだろうか。決して儲かっているとは思えない町場のかたすみにある小さな本屋。
しかし、貸与権連絡協議会は、既存の零細貸本業者には、この貸与権を行使しない方針だという。

大手レンタル業者は「ルールができれば従うしかないが、著作権料が高いとレンタル料にはね返ってしまう。消費者が納得する条件を設定して欲しい」と主張。
今後は、著作権料や発刊後の貸し出し禁止期間の長さなど、関係者間のルールづくりが焦点となる。

同協議会では「国民の理解の得られる条件を検討する」としている。
さて、それでは無料貸出ししている図書館はどうなるのだろう。
図書館も新刊の雑誌やベストセラー本などのコーナーはいつも人だかりでいっぱい。
一方、公共図書館も同様に、ベストセラー本の大量貸出しなどで、著作権侵害の実態が指摘されていて、作家からは「公共貸与権」を求める声も高まっている。

しかし、著作権料を国や地方自治体などが負担することになると、財源などの問題が生じてしまうため、今後の検討課題となっている。
 
 
 
 




2.(マルシーマーク)って何?やっぱり©マークは必要
  著作権を示す新しい記号づくりが進んでいる


 
著作権を示すⒸマークに代わる新たな記号作りが進んでいる。
Ⓒマーク(一般的には「マルシーマーク」と呼ばれている ) にはどんな意味があるのだろう。

マルシーマークはホームページだけではなく、日常生活においても注意してみるとわかる。楽譜や漫画の片隅やビデオ、CD、ゲームソフト他と、同様の表示がされている。

このように意外となじみのあるマークで、Ⓒが「copyright」の省略形だということはすぐにわかるはずです。copyrightは日本語で「著作権・版権」を意味します。

文化庁では、
「このⒸマークは著作物に明記しなければいけないという決りはありません。著作物というのは作られた瞬間に著作権が発生します。つまり創作した時点で自動的に権利は発生します。Ⓒ2003などの表記があろうがなかろうが、第三者に侵害行為を受けることは違法で、©の有無は関係なく、権利は守られるのです。」

しかし、これは国内だけの問題で、今や一瞬にして全世界に著作物はインターネットを利用すれば簡単に送信できてしまう時代。国内だけの著作物というものはもうほとんどが存在しないといってもいいだろう。

「Ⓒマークは、日本も批淮している万国著作権条約の第三条で定められていて、翻訳された出版物など、複数の国が著作権にかかわる場合に表記することになっています。」

と文化庁は答える。

やはり、Ⓒマークは必要じゃあないか。
インターネットのホームページを含めて、今や世界中から情報をアクセスできる時代。

Ⓒマークを入れておかなければ、誰が著作者なのか、いつ、どこの国でつくられたものなのかが一切わからない。

Ⓒマーク表示というのは(一)「Ⓒ」マーク、(二)著作権者名、(三)最初の発行年を一体として表示しなければなりません。実際にホームページ上に表示されているほとんどのマルシーマークはこの三要素が含まれた表示になっています。

また、アメリカは1889年にベルヌ条約に正式加盟したのと同時に国内法を改正し、マルシーマーク等の著作権表示を任意なものとした。

ただ、ベルヌ条約加盟以降に発行された著作物について、著作権表示のない場合には、侵害者が善意無過失を立証すれば、「善意侵害」として著作権侵害について責任が減免される、著作権表示が付いている場合は減免を認めないことになっているので注意が必要。

このように著作権マークとしているⒸマークは必ず表示しておくことが正しいと思われる。
また、新たな記号作りは、無断使用を禁止するためのマークではなく、ネット上での転載や流通を簡単にするために作者自身が表示するマークのことをいう。

pdマークとは、基本的には「勝手に使ってOK」「自由にご利用下さい」という意味で許可はいらない。

さらに、原作者の名前を表示すれば転載自由というBYマーク。
転載はかまわないが改変はしないで欲しいという、非営利であれば利用可能というS・・・・・・。
これらを組み合わせることも可能。
これらのマークは、自ら著作権を限定することによって流通のコストを下げることが狙いで、米国スタンフォード大学のローレンス・レッシング教授が理事長を務める非営利団体「クリエイティブ・コモンズ(知的共有物)」がそのサイトで提唱している。

レッシング教授は、「まねをしながら深まっていくのが文化、音楽でも美術でも、自由に使える先行作品が多いほど、創造性は高まる」と説いている。

レッシング教授を有名にしたのは、ミッキーマウス保護法とも呼ばれた著作権保護期間延長が違法だとして、原告側代理人を務めたことでも知られている。

「ディズニーにしても、すでに著作権が切れ、万人が利用できるコモンズをもとに、『ノートルダムの鐘』や『ポカホンタス』を作っている、それなのに、いつまでたってもミッキーマウスはコモンズにならない」と話す。

連邦最高裁まで争われた訴えは、結局認められなかったが、裁判の中では、著作権の延長には表現規制があると指摘し、長期の著作権保護が創作の奨励にならないと主張。レッシング教授は、
「制限が厳しすぎる著作権は、禁酒法のようになってしまう」と懸念している。


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 ※注 この著作権noteは1999年からの事件を取り上げ、2000年、2001年と取り上げ続け、現在は2002年に突入。今後はさらに2003年から2020年~2022年に向けて膨大な作業を続けています。その理由は、すべての事件やトラブルは過去の事実、過去の判例を元に裁判が行われているからです。そのため、過去の事件と現在を同時進行しながら比較していただければ幸いでございます。時代はどんどんとネットの普及と同時に様変わりしていますが、著作権や肖像権、プライバシー権、個人情報なども基本的なことは変わらないまでも判例を元に少しずつ変化していることがわかります。
これらがnoteのクリエイターさんたちの何かしらの参考資料になればと願いつつまとめ続けているものです。また、同時に全国の都道府県、市町村の広報機関、各種関係団体、ボランティア、NPО団体等にお役に立つことも著作権協会の使命としてまとめ続けているものです。ぜひ、ご理解と応援をよろしくお願い申し上げます。
                           特非)著作権協会


 
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