日本人では理解しきれない「ブラックパンサー」

先週ブラックパンサーを観ました。
マーベル・シネマティック・ユニバースの作品で、今月公開されるアベンジャーズ・インフィニティウォーに繋がる作品という触れ込み。
ブラックパンサー自体はシビル・ウォーですでに実写お披露目は済んでいましたが、映画しか観ていない人間にはブラックパンサーって何者?という状態だったと思います。
私自身もマーベル作品のコアなファンというわけではないのでコミックは読んでおらず、ブラックパンサーについてよく知りませんでした。
そういえば私のマーベル・シネマティック・ユニバース作品デビューはシビル・ウォーで、どのキャラクターに対しても「??」という状態だったので、そう考えると、割りとどのキャラクターに対してもフラットな状態でした。
ブラックパンサーってなに? アイアンマンって名前は聞いたことあるけど金持ちなのね。 スパイダーマンは分かるー。という感じ。

公開から1ヶ月ほど経ってようやく鑑賞。ブラックパンサーに関連したニュースを自分で書いたにも関わらず本編を見るのが遅くなりました。
おかげでTwitterを覗けばキルモンガーに熱中している人がいて、海外ニュースの引用で陛下がアフリカ系アメリカ人から尊敬されているという前情報は十分入っていました。

特にこの動画はとても感動的でした。
ヒーローといえば白人だったのに、黒人のヒーローが生まれたこの映画は特別なもののようです。

映画の中の社会は現実社会とリンクしています。アメリカではいまだに根強い黒人差別があります。それ故に鬱屈した支配欲を露わにしたのが今回のヴィランであるキルモンガー。

国王になった主人公のティ・チャラを負かしたキルモンガーはワカンダを支配する立場へなり、白人社会へ報復をしようとします。しかしそれがワカンダ国内の分裂を引き起こします。ワカンダにいる複数部族の対立は、まるでいつまでも終わることのないアフリカの部族間対立を現しているようでした。
反対にティ・チャラは争いを好みません。誰かを殺そうとは思いません。父が亡くなり、王位継承をする儀式で反対する部族は戦いを挑むことができます。殺すか降伏させるか、という場面でティ・チャラが選択するのは降伏です。キルモンガーとの二度目の戦いで瀕死のキルモンガーに「今なら治療すれば死なない」と助けようとします。
支配よりも共存を選択する国王。
映画の中の人物とはいえ、アフリカ系アメリカ人の中ではティ・チャラが本当に実在する国王のようになったようです。

日本に住んでいる日本人の私には上辺だけを読み取ることはできます。実際にアメリカに住んでいる人にとってはもっと奥深いものがあり、この映画の存在理由は私よりも違うものでしょう。


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