見出し画像

スコットランド国立美術館 特別展 見どころは?

イギリスの北部に位置するスコットランド。今回はそのスコットランド国立美術館所蔵の特別展、『THE  GREATS 美の巨匠たち』に行ってきました。こちらは豪華な巨匠たちによる89点に及ぶ展示で、ルネサンス期〜19世紀の作品まで一挙公開されています。その豪華な作品の数々はまさに圧巻。

現在会期中の神戸市立博物館による企画でサタデーナイトフォトアワー(土曜の夜17:30ー19:30まで全作品写真撮影OK)という時間があったので、今回は私が撮影してきた一押し作品の見どころを紹介していきたいと思います。

『卵を料理する老婆』 

こちらの作品はスペイン人画家、ディエゴ・ベラスケスによる作品です。

画像1
ディエゴ・ベラスケス『卵を料理する老婆』(1618)

こちらはスペインで当時流行った台所の何気無い風景を描いた「ボデゴン」を描いた作品。ベラスケスというと宮廷画家のイメージがあり、王宮お抱えの肖像画家というイメージがあるかと思います。こちらは宮廷画家になる前の作品。修行中の作品とでも言えるでしょうか。驚くのはこの作品は彼が19歳頃に描かれたものということ。その年齢で何気ない日常をここまで詩的な作品に作り上げたベラスケスの技量たるや。驚くべきほど写実性に富んだ作品です。
そして、こちらの作品の注目ポイントは老婆の作っている卵料理。卵が油で揚げられている様子なのですが、白身の半分固まってきている様子などがなんともリアルな描写です。その他にも、肌や金属の反射っは触って感じることができるかのような質感でした。

『ヴォルドグレイヴ家の貴婦人たち』

画像2
ジョシュア・レノルズ 『ヴォルドグレイヴ家の貴婦人たち』(1780−1781)

時代は変わり18世紀。イギリスの3大肖像画家と謳われる、ジョシュア・レノルズによる作品です。美しい衣に身を包んだ3人の美女。彼女たちはイギリス貴族のヴォルドグレイブ家の3姉妹です。なんとも美しい絵ですよね。作品の美しさに見惚れて何時間でも見続けられるような気さえします。
こちらの作品は彼女たちの結婚のため、描かれたと言われています。名声のあるレノルズに3人の肖像画を依頼し、多くの貴族の目に触れられ見合い写真としての要素も担っていたのです。
また、西洋絵画では時として肖像画が女神や神と重ねられることがあります。今回のこの作品も3人の女神の絵画を想起させられるように描かれたと言われていいます。

さいごに

欲を言うと、もっとたくさんの作品をご紹介したかったのですが、作品に見惚れ、写真を綺麗に残すことができなかったため、今回はこの2作品のみとさせて頂きました。写真ではお伝えできない臨場感や作品の迫力などはぜひ直接見て感じてもらえたら嬉しいです。今回の展示はルネサンス時期〜印象派までの広い範囲をカバーしていますので大満足間違いなしです。興味のある方は展覧会に足を運んでみてはいかがでしょうか。現在は神戸市立博物館にて会期中です。

神戸会場:2022年7月16日〜9月25  神戸市立博物館

北九州会場:2022年10月4日〜11月20日 北九州市立美術館 

いいなと思ったら応援しよう!